日付は2つある|1月の引っ越しと、3月下旬の新しい仕様
今回の話は、ニュースの見出しだけ読むと日付が混ざって見えます。厚生労働省が出している事務連絡を並べると、動きは次のとおりです。
| 時期 | 起きること | 出どころ |
|---|---|---|
| 令和8年5月27日 | 介護WEBサービスとの連携に使うAPI仕様書の暫定版を公開。ケアプランデータ連携標準仕様は、今後このAPI仕様書の別紙として示すと案内 | 介護保険最新情報Vol.1505 |
| 令和8年7月から12月 | 引っ越しの準備期間。介護WEBサービスへの利用登録を7月から進めるよう依頼 | 介護保険最新情報Vol.1529 |
| 令和8年8月31日 | API標準仕様書が確定版(第1.0版)として公開 | 介護保険最新情報Vol.1539 |
| 令和8年12月まで | 介護WEBサービスの利用登録が必須 | 国民健康保険中央会 よくあるご質問 |
| 令和9年1月(予定) | ケアプランデータ連携システムが介護WEBサービスへ移行。具体的な期日は今後周知 | 介護保険最新情報Vol.1529 |
| 令和9年3月下旬頃(予定) | ケアプランデータ連携標準仕様の実装(リリース) | 介護保険最新情報Vol.1539 |
| 移行から一定期間の後 | いまのケアプランデータ連携システムは稼働を終了する予定。時期は未定 | 介護保険最新情報Vol.1529 |
1月の引っ越しは、使う場所が変わる話です。いまはパソコンに入れたクライアントソフトからデータを送っていますが、移行後は介護WEBサービスの中にあるケアプランデータ連携機能を使う形になります。3月下旬の実装は、ケアプランデータ連携標準仕様が、介護ソフトと介護WEBサービスをAPIでつなぐ仕様書の別紙として動き出す話です。
ひとつ注意があります。1月の引っ越しから3月下旬の実装までの間に、どの版のソフトで何ができるのかは、事務連絡の文面には書かれていません。ここは推測で動かず、次の章以降の手順どおりベンダーに確認してください。
使えなくなるのはソフトではなく、ソフトからの連携
見出しで使えなくなると書きましたが、正確には、介護ソフトそのものが止まるわけではありません。今回の事務連絡が対象にしているのはケアプランデータの連携で、記録や請求の機能の話ではありません。使えなくなるのは、そのソフトから作ったケアプランのデータを、介護WEBサービス経由でやりとりすることです。
Vol.1539には、移行後は標準仕様第4.1版(現行仕様)または標準仕様第5.0版(新たな仕様)に対応する介護ソフトからのみ、ケアプランデータ連携機能を利用できると書かれています。標準仕様はこれまで何度か改訂されてきました。標準仕様書に載っている改訂の履歴を、事務の目線で短くするとこうなります。
| 版 | 出た時期 | 移行後の連携 |
|---|---|---|
| 第3.2版以前 | 令和5年6月以前 | 対象外 |
| 第4.0版 | 令和6年7月 | 対象外(第4.1版で名称規約が変わっている) |
| 第4.1版 | 令和6年9月 | 利用できる(現行仕様) |
| 第5.0版 | 令和8年4月に暫定版 | 利用できる(新たな仕様。介護WEBサービスとのAPI連携に合わせた変更) |
居宅介護支援事業所の場合、困るのは自分のところだけではありません。ケアプランのやりとりは相手がいて初めて成り立つので、提供票を送っている先のサービス事業所のソフトが古い版のままなら、その相手とはデータで送れず、紙やFAXに戻ることになります。サービス事業所の側から見ても同じです。
標準仕様に合っているかどうかの確認は、標準仕様書のなかで、各ベンダーが協力して各社の責任で行うと定められています。国民健康保険中央会はベンダーテストを行っていて、今回のAPI標準仕様についてのベンダーテストも、国民健康保険中央会のホームページなどで別途案内される予定です。つまり、事業所が自分で仕様書を読み比べる必要はありません。聞くべき相手はベンダーです。
ベンダーからの案内が届いたけれど、自法人に何が必要なのか読み取れない。そういう段階でも大丈夫です。届いた案内を見ながら、やることを一緒に切り分けます。
公式LINEで相談する事務が12月までに進める5つの手順
順番に意味があります。1から3は自法人だけで終わる作業、4と5は相手や期限が絡む作業です。上から片付けてください。
- 電子請求受付システムのIDとパスワード、セキュリティメールアドレスを確かめる。介護WEBサービスへの登録には、国保連への電子請求で使っているKJから始まるユーザIDとパスワード、電子証明書(介護保険証明書または介護DX証明書)が要ります。登録の途中で、電子請求受付システムに登録したセキュリティメールアドレスにワンタイム認証コードが届くので、そのアドレスが今も受け取れるものかを先に確認します。前任者のアドレスのままになっている事業所は、ここで止まります。
- 介護WEBサービスに利用登録する。登録はすでにできる状態で、所要時間は数分とされています。国民健康保険中央会は12月までに必須としていて、統合の直前はヘルプデスクが混み合うことが想定されるとも書かれています。すでに介護WEBサービスの登録を済ませている事業所は、改めての登録は不要です。ライセンスの延長手続きも要りません。
- 自法人の介護ソフトが標準仕様の第何版に対応しているかを、ベンダーに確認する。国民健康保険中央会のよくある質問でも、移行後に今のソフトが使えるかはベンダーに問い合わせるよう案内されています。電話で聞くと答えがあいまいになりやすいので、次の章の文面をメールで送り、返事を文書で残してください。
- ケアプランをやりとりしている相手の一覧を作る。居宅介護支援事業所なら提供票の送り先、サービス事業所なら受け取り元の居宅です。事業所名、いまの送り方(データか紙かFAXか)、相手の担当者の3列で足ります。移行後に紙に戻る相手がどこかは、この一覧がないと分かりません。
- 処遇改善加算の計画書の控えを開き、ケアプランデータ連携システムの利用を誓約していないかを確かめる。誓約している場合は期限があります。詳しくは後の章で書きます。
まだケアプランデータ連携システムを入れていない事業所は、1と2に加えて、いまのシステムの導入と介護WEBサービスの登録の両方が必要です。国民健康保険中央会は、操作に慣れるために早めの導入を勧めています。引っ越し後も基本的な使い方は変わらないとされているので、今から入れても無駄にはなりません。
介護ソフトの会社に送る問い合わせ文
そのままメールに貼って使える形にしてあります。事業所番号とソフトの製品名だけ書き換えてください。
いつもお世話になっております。(事業所番号: /ご利用中の製品名: )ケアプランデータ連携システムの介護保険資格確認等WEBサービスへの移行について、4点お教えください。1つめ、当事業所で利用している製品は、ケアプランデータ連携標準仕様の第4.1版と第5.0版のどちらに対応していますか。どちらにも対応していない場合、対応版の提供時期はいつですか。2つめ、令和9年1月の移行から3月下旬頃の標準仕様の実装までの間、当事業所の製品でケアプランデータの送受信はできますか。3つめ、対応のために当事業所で必要な作業(更新の適用、設定の変更、端末の準備など)と、費用が発生する場合はその金額を教えてください。4つめ、国民健康保険中央会のベンダーテストへの参加予定を教えてください。お手数ですが、社内の記録に残すため、メールでご回答いただけますと幸いです。
返事が届いたら、日付と回答者の名前を添えて保存しておいてください。3つめの費用は、理事会や本部に上げる資料にそのまま使います。2つめに対して、分からない、未定という答えが返ってくることもあると思います。その場合も、未定という回答を受け取った日付を残しておけば、次に聞くときの起点になります。
お金の話|利用料は無料になり、接続の費用には助成がある
決裁する側がいちばん気にするところなので、分けて書きます。
まず利用料です。ケアプランデータ連携システムの利用料はこれまで年額21,000円でした。令和8年度中はフリーパスキャンペーンで無料になっていて、介護WEBサービスへの移行後は利用料の負担そのものが発生しなくなります。移行後の利用料は、事業所の予算に計上しなくてよいということです。
次に、介護WEBサービスにつなぐための費用です。国民健康保険中央会が行っている介護情報基盤の活用のための助成で、カードリーダーの購入費と、接続サポート等の費用が対象になります。導入支援事業者から、介護情報基盤の接続サポートとケアプランデータ連携システムの接続サポートを一体的に受ける場合は、その費用も対象です。消費税分も対象で、限度額は消費税を含んだ額です。
| サービスの種別 | カードリーダーの限度台数 | 助成限度額(カードリーダーと接続サポートの合計) |
|---|---|---|
| 訪問・通所・短期滞在系 | 3台まで | 6.4万円まで |
| 居住・入所系 | 2台まで | 5.5万円まで |
| その他 | 1台まで | 4.2万円まで |
同じ事業所で複数のサービスを提供している場合は、種別ごとの限度額を合計した額を限度額にできます。令和8年度の申請受付は令和8年5月7日から令和9年3月12日まで(予定)で、介護情報基盤ポータルから申請します。令和8年4月1日以降に実施した事業が対象です。予算には限りがあると案内されているので、登録や接続を業者に頼むつもりなら、申請も年内に済ませる段取りにしておくと安心です。
介護ソフト本体の改修費がかかる場合、それがこの助成の対象になるかどうかは、今回確認した資料には書かれていません。ソフトの入れ替えを考えるなら、都道府県の介護テクノロジー導入支援の補助も候補になります。県ごとの扱いは介護記録ソフトは補助金の対象になるかにまとめています。
処遇改善で誓約した事業所は、3月末と重なる
ここは訪問系や通所系などの事業所に関係します。令和8年度の介護職員等処遇改善加算には、上乗せ部分の要件のひとつとして、ケアプランデータ連携システムを利用していることが入りました。申請の時点で使っていなくても、加入して利用すると誓約すれば要件を満たす扱いになります。ただし誓約した場合は、令和9年3月末までにケアプランデータ連携システムを利用したうえで、実績報告書で利用実績を報告することとされています。
この期限の手前、令和9年1月に仕組みが切り替わります。国民健康保険中央会のよくある質問では、引っ越しに伴う各種加算への影響は厚生労働省で整理・検討中とされていて、9月12日時点では答えが出ていません。
だからこそ、誓約している事業所は、いまのシステムで年内に1件でも実際に送受信しておくことを勧めます。1月以降の扱いがどう決まっても、12月までに利用した事実は残ります。3月に新しい仕組みで初めて操作する、という段取りは避けてください。背景と加算全体の流れは訪問介護とデイにも生産性向上の加算が来るに書いています。
処遇改善の計画書の控えを見れば、誓約しているかどうかと、3月末までに残っている作業がすぐ分かります。控えを手元に置いたままご相談ください。
公式LINEで相談する9月12日時点で、まだ決まっていないこと
決まっていないことを決まったように扱うと、あとで理事会への説明を直すことになります。現時点で公表されていないのは次の5つです。
- 介護WEBサービスへ移行する具体的な期日(1月の何日か)
- いまのケアプランデータ連携システムが稼働を終える時期
- 1月の移行から3月下旬の実装までの間の、介護ソフトの版ごとの扱い
- API標準仕様に関するベンダーテストの開始時期と方法
- 移行に伴う介護報酬の加算の取扱い
どれも、厚生労働省か国民健康保険中央会があらためて案内するとしている項目です。案内が出るのは、介護保険最新情報と、国民健康保険中央会のケアプランデータ連携システムのヘルプデスクサポートサイトです。事務の担当者がどちらかを月に1回見る日を決めておけば、見落としは防げます。
よくある質問
- ケアプランデータ連携システムの切り替えはいつからですか。
- 日付は2つあります。ひとつは、ケアプランデータ連携システムが介護保険資格確認等WEBサービスへ移行する時期で、令和9年1月の予定です。もうひとつは、ケアプランデータ連携標準仕様の実装時期で、令和9年3月下旬頃の予定です。どちらも予定で、具体的な期日は今後あらためて周知されることになっています(介護保険最新情報Vol.1529、Vol.1539)。
- いま使っている介護ソフトは、移行後も使えますか。
- 介護ソフトそのものが使えなくなるわけではありません。使えなくなるのは、そのソフトからのケアプランデータ連携です。厚生労働省の事務連絡では、移行後は標準仕様第4.1版または第5.0版に対応する介護ソフトからのみ、ケアプランデータ連携機能が利用できるとされています。自社のソフトがどの版に対応しているかは、国民健康保険中央会のよくある質問でもベンダーへの問い合わせが案内されています。
- 介護WEBサービスの利用登録は、いつまでに必要ですか。
- 国民健康保険中央会のよくある質問では、2026年12月までに必須とされています。すでにケアプランデータ連携システムを使っている事業所も、介護WEBサービスの利用登録をしていなければ登録が必要です。登録には電子請求受付システムのユーザIDとパスワード、電子証明書、電子請求受付システムに登録したセキュリティメールアドレスが必要です。市町村の介護情報基盤への対応状況にかかわらず、登録は必要です。
- 移行後に利用料はかかりますか。
- かかりません。これまでケアプランデータ連携システムの利用料は年額21,000円でしたが、介護WEBサービスへの移行後は利用料の負担は発生しないとされています。なお、令和8年度中はフリーパスキャンペーンにより利用料が無料になっています。
- 処遇改善加算で、ケアプランデータ連携システムを使うと誓約しました。移行と重なって困りませんか。
- 誓約をした場合は、令和9年3月末までにケアプランデータ連携システムを利用し、実績報告書で利用実績を報告することとされています。移行が令和9年1月の予定なので、期限の直前に仕組みが切り替わります。移行に伴う介護報酬の加算の取扱いは、厚生労働省から追って案内するとされていて、9月12日時点ではまだ示されていません。いまのシステムで年内に1件でも送受信しておくと、切り替えの影響を受けにくくなります。
まとめ|今週やるのは、KJのIDとメールアドレスの確認
ケアプランデータ連携システムは、令和9年1月に介護WEBサービスへ引っ越し、3月下旬頃に新しい標準仕様が実装される予定です。移行後は、標準仕様の第4.1版か第5.0版に対応した介護ソフトからしか連携できません。止まるのはソフトではなく連携で、困るのは自法人だけでなく、ケアプランをやりとりしている相手も含めてです。
今週やることを1つだけ選ぶなら、電子請求受付システムのユーザIDとパスワード、セキュリティメールアドレスがいま使える状態かの確認です。これがそろえば介護WEBサービスの登録は数分で終わり、あとはベンダーへのメール1通と、相手先の一覧づくりに進めます。ベンダーから案内が届くのを待つより、この順番のほうが確実です。
出典
- 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1539」(令和8年8月31日)「介護保険資格確認等WEBサービスとの連携におけるAPI標準仕様書(第1.0版)」の公開について https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2026/0901093334645/ksvol.1539.pdf(標準仕様の実装時期、ベンダーテスト、第4.1版と第5.0版の扱い。掲載は独立行政法人福祉医療機構 WAM NET)
- 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1529」(令和8年7月29日)ケアプランデータ連携システムの介護保険資格確認等WEBサービスへの移行について https://www.mhlw.go.jp/content/001730882.pdf(移行時期、利用登録、現行システムの稼働終了、利用料、説明会、助成金の限度額と申請期間)
- 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1505」(令和8年5月27日)「介護保険資格確認等WEBサービスとの連携におけるAPI仕様書(暫定版)」の公開及び「ケアプランデータ連携標準仕様」の今後の取扱いについて https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2026/0528110341716/ksvol.1505.pdf
- 厚生労働省老健局「ケアプランデータ連携標準仕様(別紙5-1)令和8年4月 暫定版」https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2026/0527083816109/2026_0527_013.pdf(改訂の履歴、適合確認の考え方)
- 公益社団法人国民健康保険中央会「よくあるご質問(ケアプランデータ連携システム引っ越し編)」https://www.careplan-renkei-support.jp/wp-content/uploads/sites/2/2026/06/keapu_hikkoshi_faq.pdf(利用登録の期限、登録に必要なもの、ソフトと加算の扱いの案内)
- ケアプランデータ連携システム ヘルプデスクサポートサイト(公益社団法人国民健康保険中央会)https://www.careplan-renkei-support.jp/
- 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1474」(令和8年3月4日)https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2026/0305104720591/ksvol.1474.pdf(令和8年度特例要件と誓約の取扱い。掲載は独立行政法人福祉医療機構 WAM NET)
いずれも2026年9月12日に内容を確認しています。処遇改善加算については、Vol.1474のあとに正式版として「介護保険最新情報 Vol.1479」(令和8年3月13日)が発出されています。実際の申請と実績報告は、Vol.1479と所管の都道府県・市町村の様式・手引きでご確認ください。移行の具体的な期日や介護ソフトごとの対応状況は、今後の厚生労働省・国民健康保険中央会の案内と、ご利用中のベンダーの案内で必ずご確認ください。
ベンダーからの案内を、届いたその日に一緒に読みませんか
ご利用中の介護ソフトの製品名と、ケアプランをやりとりしている相手先の数をうかがえば、12月までに自法人でやることと、ベンダーに聞くことを切り分けてお返しします。相手先の一覧の様式と、ベンダーへの問い合わせ文もお渡しします。決まっていない部分は、決まっていないままお伝えします。
▶ 公式LINEで無料相談・相手先一覧の様式を受け取るLINEをお使いでない場合は メールでのお問い合わせでも承ります
