結論:ソフトは対象。分かれるのは「いくらまで」と「いつ発注したか」
介護テクノロジー導入支援事業は国のメニューを各都道府県が実施する形なので、介護ソフト(記録・情報共有システム)はほとんどの県で補助の対象に入っています。当社が47都道府県ぶんの公募要領を読んで記事にしたところ、補助率が一意に読み取れた39県のうち38県が「5分の4」でした。
差が出るのは金額の決まり方です。職員数に応じて上限が動く県、機器1台あたりの基準額とパッケージ導入の上限が別立ての県、法人単位で総額の上限がある県があります。「補助率5分の4」だけ見て予算を組むと足りなくなるので、自県の基準額を必ず確認してください。
自分の県の上限額と締切だけ知りたい、という相談でも大丈夫です。
▶ LINEで無料相談対象になるかを決める、県をまたいで出てくる条件
県ごとに書きぶりは違いますが、当社が書いた47県の記事を横断すると、繰り返し出てくる条件があります。カッコ内は47県のうち、その論点に触れている記事の数です。
- 生産性向上の取り組みとセットであること(41県)。機器を入れるだけでなく、業務の見直しや計画づくりを求める県が大半です。
- 見積書の準備(41県)。型番・数量・金額が分かる見積が要ります。相見積を求める県もあります。
- SECURITY ACTION の自己宣言(29県)。IPAの制度で、申し込み自体は短時間で終わります。
- 交付決定より前に発注・契約・支払いをしていないこと(15県)。内訳は、事前着手を対象外と明記している県が9県(岐阜・群馬・香川・三重・宮崎・長野・新潟・静岡・山口)、手順として交付決定後に発注と書いている県が6県(青森・北海道・茨城・神奈川・栃木・山形)です。ここが一番多い失敗です。
- LIFE の利用(21県)。科学的介護情報システムの利用が確認できる書類を求める県があります。
すべての県に全部が課されるわけではありません。自県の記事を開いて、その県の要件で確認してください。表の右端からたどれます。
47都道府県の補助率・要点 一覧
各県ページから機械的に抜いた値です。補助率がメニューごとに分かれている県は、誤解を招くので数値を出さず「複数メニューあり」としています。金額・締切は年度で変わるため、必ず県の公募ページで最終確認してください。
| 都道府県 | 補助率 | その県の要点 | 詳細 |
|---|---|---|---|
| 北海道・東北 | |||
| 北海道 | 5分の4 | 介護テクノロジー導入支援事業費補助金(令和8年度)の締切・上限・要件から | 詳しく |
| 青森県 | 5分の4 | 令和8年度の締切・補助率・上限額 | 詳しく |
| 岩手県 | 5分の4 | 補助率4/5をどう使い切るか、申請前に読む記事 | 詳しく |
| 宮城県 | 5分の4 | 補助率5分の4を使い切るための要件と準備 | 詳しく |
| 秋田県 | 5分の4 | 補助率5分の4・上限400万円をどう使い切るか | 詳しく |
| 山形県 | 5分の4 | 補助率5分の4・1法人上限1,000万円をどう使いこなすか | 詳しく |
| 福島県 | 5分の4 | 補助率5分の4・1法人上限915万円をどう使うか | 詳しく |
| 関東 | |||
| 茨城県 | 5分の4 | 補助率最大5分の4の県事業と、県北・県南で違う人材事情から考える | 詳しく |
| 栃木県 | 5分の4 | 補助率5分の4の使いこなしと、交付決定後・来年度の動き方 | 詳しく |
| 群馬県 | 5分の4 | 補助率4/5・上限額・要件と、来年度に向けた逆算準備 | 詳しく |
| 埼玉県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 千葉県 | 5分の4 | 補助率5分の4・上限1,000万円をどう取りにいくか | 詳しく |
| 東京都 | 複数メニューあり | 都独自の補助2本立て(次世代介護機器・デジタル機器)を使い切る | 詳しく |
| 神奈川県 | 5分の4 | 補助率5分の4・締切は8月31日17時 | 詳しく |
| 中部・北陸 | |||
| 新潟県 | 5分の4 | 受付12日間・補助率5分の4を取り切る段取り | 詳しく |
| 富山県 | 複数メニューあり | 補助率10分の9の通所・訪問系メニューと採択順位の攻略 | 詳しく |
| 石川県 | 5分の4 | 受付は9月14日まで・総合上限400万円 | 詳しく |
| 福井県 | 複数メニューあり | 今年度は締切済み。来年の5分の4を逆算で取りにいく | 詳しく |
| 山梨県 | 5分の4 | 県独自名称の補助金・協議9月4日必着・窓口は県社協 | 詳しく |
| 長野県 | 5分の4 | 締切8月31日・伴走支援にも48万円が付く県の使いこなし方 | 詳しく |
| 岐阜県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 静岡県 | 記事参照 | — | 詳しく |
| 愛知県 | 5分の4 | 締切は令和8年8月31日・Jグランツ申請の落とし穴 | 詳しく |
| 三重県 | 5分の4 | 36日間で締まる補助金に、来年度どう間に合わせるか | 詳しく |
| 近畿 | |||
| 滋賀県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 京都府 | 5分の4 | 入口は認証制度、勝負は法人単位の事前協議 | 詳しく |
| 大阪府 | 5分の4 | 補助率4/5・抽選制の実際と、認定率全国1位の府での進め方 | 詳しく |
| 兵庫県 | 記事参照 | — | 詳しく |
| 奈良県 | 5分の4 | 令和8年9月9日必着・補助率5分の4を使い切る | 詳しく |
| 和歌山県 | 5分の4 | 補助率5分の4を活かす準備と、令和9年度への布石 | 詳しく |
| 中国 | |||
| 鳥取県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 島根県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 岡山県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 広島県 | 記事参照 | 受付終了直後の今こそ、次の採択に一番近い | 詳しく |
| 山口県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 四国 | |||
| 徳島県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 香川県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 愛媛県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 高知県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 九州・沖縄 | |||
| 福岡県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 佐賀県 | 5分の4 | 先着でも抽選でもない、優先順位で決まる県の攻め方 | 詳しく |
| 長崎県 | 10分の10 | 4本立ての補助金と、8圏域のうち4つが離島という条件 | 詳しく |
| 熊本県 | 5分の4 | 金額より先に、4つの交付要件を読む | 詳しく |
| 大分県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 宮崎県 | 5分の4 | — | 詳しく |
| 鹿児島県 | 記事参照 | — | 詳しく |
| 沖縄県 | 複数メニューあり | — | 詳しく |
対象外になりやすい3つのパターン(一次情報で確認)
ここは金額の話より先に読んでください。要件を満たしていても、この3つでつまずくと1円も出ません。各県の公募ページ・Q&Aの原文で確認したものだけを書いています。
- 交付決定の前に発注してしまった。宮城県は「交付決定(採択)後に契約や購入を行うこと。(それ以前に購入した機器等は補助対象外となる)」、愛知県は「県から交付決定を受けた日以降から購入・契約をしていただいて構いません」と書いています。岐阜県・三重県・静岡県・山口県・香川県も、事前着手は対象外と明記しています。ソフト会社に急かされても、交付決定の通知を待ってください(出典=宮城県/愛知県、2026年9月9日参照)。
- ソフトの利用料を、年度をまたいで前払いした。介護ソフトの月額利用料・リース料は対象になりますが、対象になるのは当該年度にかかる分だけです。愛知県は「令和8年度は令和9年1月31日までに支払った金額が対象となります」としています。3年分を一括前払いすると、はみ出したぶんは自己負担になります。過年度に導入した機器・ソフトのランニングコストも対象外です。
- 同じ導入で他の補助金を受けている。愛知県は「他の補助金の交付を受けた場合(予定を含む)は、補助対象外です」と明記しています。IT導入補助金と県の事業のどちらで取るか、申請前に決めてください。
ただし「都道府県の独自事業」は別ルールのことがあります
ここが一番間違えやすいところです。国のメニューを県が実施する介護テクノロジー導入支援事業とは別に、自治体が独自に立てている補助事業があり、そちらは要件が違うことがあります。
実例が東京都の「令和8年度デジタル機器導入促進支援事業」です。Q&Aにこう書かれています。
Q26 都が交付決定するよりも前に購入した介護ソフト等は、補助の対象となりますか。
A26 交付決定よりも前に購入した介護ソフト等の補助対象経費は、購入(納品及び支払)が令和8年度内であれば遡って補助対象とすることができます。
Q27(要旨)令和9年3月31日までに、申請をする経費について納品及び支払を完了している必要があります。
つまり1つ目の落とし穴が、この事業では当てはまりません。同じ東京都でも「次世代介護機器導入促進支援事業」は採択前の導入を対象外としており、事業ごとに扱いが違います。「一般論ではこうだから」で判断せず、自分が申請する事業の要綱とQ&Aを開いてください(出典=東京都福祉保健財団 令和8年度デジタル機器導入促進支援事業 のQ&A、2026年9月9日参照)。
私たちも、この確認を怠って一度お客様に誤ったご案内をしました。要綱を取り寄せて読み直し、その日のうちに訂正しています。補助金は、事業ごとに要綱を読む以外に正解はありません。
申請までの段取り
- 自県の行から記事を開き、締切と基準額を確認する
- 見積を取る(型番・数量・金額が分かる形で)
- SECURITY ACTION・LIFEなど、時間がかかる手続きを先に着手する
- 業務改善の計画を書く。ここが評価の分かれ目になる県が多い
- 申請 → 交付決定を待ってから発注
よくある質問
- 介護記録ソフトは補助金の対象になりますか?
- 多くの都道府県の介護テクノロジー導入支援事業で、介護ソフト(記録・情報共有システム)は補助メニューに含まれています。ただし基準額の考え方が県ごとに違い、職員数に応じて上限が決まる県、機器とパッケージで上限が分かれる県があります。自県の公募要領で必ず確認してください。
- 先に契約してしまいました。あとから申請できますか?
- 介護テクノロジー導入支援事業では、多くの県で交付決定前の発注・契約・支払いは補助対象外とされています(宮城県・愛知県ほか)。ただし東京都の令和8年度デジタル機器導入促進支援事業のように、令和8年度内に納品と支払が完了していれば遡って対象にできる独自事業もあります。すでに発注済みの場合は、申請しようとしている事業の要綱とQ&Aを確認するか、窓口に問い合わせてください。
- 補助率はどこも同じですか?
- 違います。5分の4の県が最も多い一方、メニューごとに補助率が分かれる県もあります。この一覧では、県ページから補助率が一意に読み取れた県のみ数値を載せ、メニューが複数ある県は「複数メニューあり」としています。
- どのソフトがいいかも相談できますか?
- 製品の優劣を格付けすることはしていません。事業所の規模・記録の運用・職員のITの慣れから、選ぶときに見るべき観点をお伝えする形です。考え方は介護記録ソフトの選び方にまとめています。
この記事の数値は、当社が各県の公募要領を読んで作成した都道府県別記事から機械的に集約したものです。金額・締切・要件は年度ごとに変わります。申請前に必ず県の公募ページで最終確認してください。
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