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福祉のAI導入・DX推進ガイド|社会福祉法人・介護・障害福祉が進める順番と費用、支援先の選び方

対象:理事長・施設長・事務長最終更新:2026-10-21著者:合同会社サン 代表 菅野 竜輔

福祉のAI導入は、法人のルールを先に決め、1業務で効果を確かめてから広げます。外部に頼むなら、現場を知っていて、職員が自分で回せるところまで伴走する相手を選びます。この記事は、AI導入とDX推進をどこから、誰と進めるかを決める理事長、施設長、事務長のために、進める順番、効きやすい業務、国と自治体の支援制度、うまくいかない型、支援先の選び方、合同会社サンの支援の中身と料金を一本にまとめました。各論は、すでに公開している記事に必ずつないであります。

この記事の全体像

福祉のAI導入は、決める順番を守れば小さく始められる

福祉のAI導入・DX推進
進める順番理事会、利用ルール、1業務で試す、効果を測る、広げる
効きやすい業務記録、会議録、計画書の下書き、家族連絡、研修、採用
支援制度名称と確認先だけを押さえ、率や額は一次情報で確かめる
失敗の型は3つルールがない、道具が先、研修だけで終わる
外部の支援先ベンダー、研修会社、顧問。得意なことが違う
各論は、本文の中で公開済みの記事につないであります。順番を入れ替えないことが、止まらずに進める条件です。

福祉のAI導入とDX推進は、何が違うのか

DX推進は、仕組みと業務そのものを変えることです。紙とFAXで回っていた記録や連絡を電子にする、法人の中で情報の置き場所をそろえる、といった取り組みが入ります。AI導入は、そのための道具の1つです。文章を整える、会議の発言を文字にする、書類の下書きを作る、といった作業をAIに手伝わせることを指します。

この違いを先に押さえておく理由は、決裁の単位が変わるからです。DX推進は法人の業務の流れを変えるので、理事会で方針を決める必要があります。AI導入は、ルールさえ決めれば1つの業務から小さく試せます。同じ言葉で話していると、理事会では大きな投資の話に聞こえ、現場では今日から使える道具の話に聞こえて、議論がかみ合いません。

言葉の違い

決裁の単位が違うから、理事会と現場の話がかみ合わない

DX推進

  • 仕組みと業務そのものを変える
  • 理事会で方針を決める必要がある
  • 例:紙とFAXの記録や連絡を電子にする

AI導入

  • DX推進のための道具の1つ
  • ルールを決めれば1つの業務から試せる
  • 例:記録の文章を整える、議事録の下書きを作る
理事会では大きな投資の話に聞こえ、現場では今日から使える道具の話に聞こえます。どちらの話をしているかを先に分けます。

厚生労働省は、介護分野のDXとして、介護情報基盤の整備を進めています。利用者本人、市町村、介護事業所、医療機関が情報を共有できる基盤をつくり、紙でのやりとりを電子化して業務の効率化を図る、という説明です(出典は記事末にまとめています)。法人として備えるべき方向はこちらで、AIはその途中で現場の負担を軽くする道具として使う、という位置づけになります。

なお、AI顧問という頼み方が自法人に合うかを知りたい場合は福祉法人のAI顧問とは何かに、研修やスポットでの依頼との違いは顧問とスポット依頼の違いにまとめてあります。

福祉法人は、どの順番でAI導入を進めればよいのか

順番は5段です。理事会で方針を決め、職員の利用ルールを作り、1つの業務で試し、効果を測り、そのあとで広げます。順番を入れ替えると、途中で止まりやすくなります。ルールがないまま職員が個人で使い始めると情報の持ち出しが起き、効果を測らずに広げると、何が良かったのか誰にも説明できなくなります。

段決めること決める人終わりの目安
1. 理事会での決定AIを使う方針、使う範囲、責任者、予算の枠理事長・理事会議事録に方針が残っている
2. 利用ルール入れてはいけない情報、使ってよい業務、確認する人事務長・施設長職員全員に周知され、文書で配られている
3. 1業務で試す試す業務を1つ、使う職員を数名、期間施設長・窓口の職員決めた期間が終わっている
4. 効果を測る導入前後の時間、職員の声、困りごと窓口の職員続ける、変える、やめるを選べる材料がある
5. 広げる次の業務、次の事業所、研修の仕組み理事長・施設長2つ目の業務が同じ型で回っている

1段目の理事会で、ルールまで決めようとしないでください。理事会が決めるのは、使うか使わないか、責任者は誰か、予算の枠はどこまでか、の3点で足ります。稟議と理事会への出し方はAI導入の稟議が理事会で通らない理由に、12か月で何を順に進めるかはAI導入12か月計画に詳しく書いています。社会福祉法人に特化した進め方は社会福祉法人のAI導入の順番にあります。

2段目の利用ルールは、法人が最初に作る文書です。特に、入居者や利用者の個人情報を入力してよいかどうかが、いちばん最初に決める項目になります。作り方は法人のAI利用規程の作り方に、職員が無断で使っていたときの最初の対応はChatGPTに入れてはいけない情報に整理しています。

3段目で業務を1つに絞るのは、効果を測れる形にするためです。3つの業務を同時に試すと、どれが効いたのかも、どれが職員の負担になったのかも分からなくなります。

4段目の測り方は、難しくする必要がありません。試す前に、その業務にかかっている時間を、職員に始めと終わりの時刻でメモしてもらいます。試している期間にも同じメモを取り、前後を並べます。時間のほかに、職員が書いた感想と、直した箇所の数を残しておくと、続けるか変えるかの判断が具体的になります。数字が小さくても構いません。理事会に説明できる材料になることが目的です。

5段目で広げるときは、次の業務を増やす前に、1つ目の業務が職員だけで回っているかを確かめてください。窓口の職員が休んだ週に止まる状態なら、まだ広げる段階ではありません。回っていない原因は、たいていルールの不足か、窓口の職員1人への集中のどちらかです。

どの業務から、AIの効果が出やすいのか

最初に試す業務は、文章を書く時間が長く、間違えても利用者に直接の害が出ない、人が必ず最後に確認する業務を選びます。判定や診断のように、AIの答えをそのまま使う業務は最初には向きません。次の表は、福祉の現場でよく挙がる業務の中から、試しやすいものを並べました。

業務AIに手伝わせること人が必ずやること
記録箇条書きのメモを、記録の文章に整える事実との照合、署名
会議録録音の文字起こしから、議事録の下書きを作る決定事項と担当者の確認
計画書の下書き聞き取りメモから、計画書の文案を作る本人や家族の意向との照合、内容の決定
家族連絡伝える内容を、読みやすい文面に整える内容の確認、送信
研修研修資料の下書き、確認テストの案法令や自法人の手順との照合
採用求人文の下書き、面接の質問案内容の確認、応募者への対応

表のどの行でも、AIが作るのは下書きまでで、確認と決定は人がします。この線を法人の文書にはっきり書いておくことが、ルールの中心になります。

選ぶときは、次の3つを見てください。ひとつ、現場の職員が今いちばん時間を取られていると言っている業務であること。ふたつ、入力する内容に、利用者の氏名や病名をそのまま入れなくても進められること(記号や仮名に置き換えて入力する運用にできること)。みっつ、結果を確認する人が決まっていること。職員の不満が大きい業務ほど、効果を実感しやすく、定着もしやすくなります。

記録の進め方は介護記録のAI効率化に、委員会の運営や議事録の負担を軽くする話は生産性向上委員会をAIで整えるにあります。

国や自治体の支援制度には、何があるのか

支援制度は、名称と、確認先だけを押さえておけば足ります。補助の率や額、締切、対象になる経費は、年度と都道府県で変わります。この記事では数字を書きません。数字が必要になったら、必ず次の一次情報で確かめてください。

制度何のための仕組みか確認先
介護テクノロジー導入支援事業介護テクノロジーの導入費用を支援する、都道府県の事業。予算状況は都道府県ごとに厚生労働省が公表している都道府県の担当課の公募要領、厚生労働省の予算状況のページ
生産性向上推進体制加算生産性向上の取組を継続して行う事業所に対する介護報酬の加算。算定する事業所は実績データを厚生労働省へ報告する厚生労働省のお知らせのページ(届出、Q&A、実績報告)
介護情報基盤利用者、市町村、介護事業所、医療機関が情報を共有する基盤の整備厚生労働省の介護DXのページ
ケアプランデータ連携居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の間で、毎月のケアプランのデータをやりとりする仕組み厚生労働省の生産性向上のページにある手引きと業務改善のポイント集

どの制度も、生成AIが対象になる、あるいは要件を満たすとは書かれていません。補助や加算は、制度ごとに対象経費と要件が決まっていて、AI導入の費用がそのまま入るとは限りません。要件に書かれていないことを対象だと思い込んで契約すると、あとで補助が受けられなくなります。必ず公募要領と要件の原文を読み、迷ったら窓口に電話で確かめてください。

補助金の採択後に止まりやすい場所は介護テクノロジー補助金は採択後に止まるに、補助の申請文書をAIで整える話は介護テクノロジー補助の書類をAIで整えるに、加算の運用は生産性向上推進体制加算とAIにまとめています。都道府県ごとの窓口は都道府県別の福祉DXガイドを見てください。

AI導入が失敗する3つの型は、どれか

失敗の型は、売り込みを聞く前に知っておいたほうが役に立ちます。外部の支援先を選ぶときに、どの型を避けられる相手かを見る基準になるからです。

ルールのない導入は、小さな法人ほど起きやすい型です。IT担当がおらず、職員が個人の端末で気軽に使い始めるためです。道具が先の導入は、展示会やベンダーの提案がきっかけになることが多く、契約のあとで、現場の誰がいつ使うのかを決めていないことに気づきます。研修だけで終わる導入は、研修の満足度が高いほど見落とされます。当日の反応が良くても、翌週に使う場面が決まっていなければ、記憶から薄れていきます。

3つに共通するのは、決める順番が逆になっていることです。ルールが先、業務が先、運用する人が先、の順に決めれば避けられます。失敗の型を実際の場面に沿って整理した記事が福祉のAI導入が失敗する理由です。

AI導入の外部の支援先は、どう選べばよいのか

外部の支援先は、大きく3つの形に分かれます。ベンダー、研修会社、顧問です。それぞれ得意なことが違うので、自法人が今どの段にいるかで選びます。

分かれ道

契約のあとに、職員が自分で回せるところまで関わるか

契約の範囲に、職員が自分で回せるようになるまでの関わりは入っているか
入っている運用が回るまで一緒に進められる見直しの機会と費用の範囲も、書面で確かめる
入っていない運用は法人の側に残る納品や研修のあとに誰が回すかを、先に決めておく
ベンダーも研修会社も顧問も、この一点で見ると違いがはっきりします。見積りの前に質問して構いません。
形得意なこと弱いところ向く段
ベンダー製品の導入、設定、保守。システムを作る法人のルールや、現場の運用までは契約の範囲に入らないことが多い試す業務が決まり、道具を選ぶ段
研修会社職員に使い方や考え方を伝える。1回で完結する研修のあとに現場で回るかは、依頼した法人側に残る利用ルールができ、職員の理解をそろえる段
顧問毎月、実際の書類で一緒に手を動かし、職員だけで回る状態にする毎月の費用がかかる。契約期間の見直しの場が要る最初の1業務から、広げるところまで

選ぶときに確かめる項目は、5つあります。どれも、見積りの前に質問して構いません。

この5つの質問に、具体的な書面で答えられる相手なら、どの形でも安心して比べられます。依頼先の探し方をさらに詳しく知りたい場合は、AI支援業者の選び方を見てください。

合同会社サンの支援は、何をして、いくらかかるのか

合同会社サンは、福祉法人と福祉事業者向けに、生成AIの導入と定着の伴走をしています。代表の菅野は、介護職、施設長、ケアマネジャー、地域包括支援センター、生活困窮者支援を経験した立場から、現場の言葉で話します。入口は無料相談で、その先に、半日の出前講座と、毎月の顧問があります。金額はいずれも税込で、表示は公式ページ(https://sun-shien.com/services/ai-komon)のとおりです。

メニュー内容料金(税込)
無料相談オンラインで30分。時間を取られている業務とシステムを聞き取り、その場で見積りの目安を伝える無料
出前講座半日程度の訪問。職員がAIを実際に操作する。任意110,000円(交通費込み)。顧問に進む場合は初月の顧問料に全額充当
顧問 GUIDE業務をひとつに絞り、記録、申し送り、連絡帳などのAI下書きを回せるようにする伴走と、職員へのレクチャー月60,500円
顧問 BUILDGUIDEの内容に加え、請求と国保連・加算書類、事故報告とヒヤリハットの定型化、会議録の自動化、職員への定着サポート月110,000円
顧問 PARTNERBUILDの内容に加え、採用や面会受付、外部システムとの連携、施設専用の業務管理システムの構築伴走月220,000円

顧問は、初回のみオンボーディング費165,000円(税込)がかかります。契約期間は1年で、3か月の時点で進み方を見直す場があります。同じ所在地にある複数の事業所に広げる法人プランもあり、月330,000円(税込)です。別の所在地や病院、本部、グループ全体を含める場合は別途の相談になります。

BUILDとPARTNERは、訪問型(月2回、1回2〜3時間)か、オンライン型(週1回、1回45〜60分)かを選べます。月額はどちらも同じです。詳しい内容と最新の表示は、公式ページで確かめてください。

導入の実例は導入事例のページで読めます。

今月、理事長は何を決めればよいのか

全部を決める必要はありません。次の4つが決まれば、翌月から動けます。

書式の見本

理事会に出す1枚は、この4行で足りる

AI導入の決定事項(理事会提出用)

責任者個人名で書く
利用ルールを作る日誰が、いつまでに
最初に試す業務記録、会議録、家族連絡などから1つ
見直す日続ける、変える、やめるを決める日

予算の枠は理事会で別に決めます。この1枚が埋まれば、翌月から動けます。

外部に頼む場合も、この1枚があれば、見積りが自法人の方針に合っているか確かめられます。

この4つは、理事会に出す1枚の紙に収まります。外部に頼むかどうかは、この1枚ができてから考えて構いません。頼む場合も、1枚があれば、見積りの内容が自法人の方針に合っているか確かめられます。

よくある質問

AI導入とDX推進は、どちらから始めればよいですか。
DX推進は仕組みと業務そのものを変える大きな取り組みで、AI導入はその道具の1つです。順番としては、まず1つの業務でAIを試し、効果と問題点を確かめるところから始めるのが現実的です。そこで見えた業務の詰まりが、次にDXとして仕組みを変える対象になります。最初から全体の仕組みを変えようとすると、決めることが多すぎて止まりやすくなります。
職員が少なく、IT担当もいない法人でも進められますか。
進められます。最初に必要なのは専門の担当者ではなく、窓口になる職員1名と、決裁する人の合意です。使うのは、ふだんの記録や連絡の下書きなど、1つの業務に絞ります。専門知識が必要な設定や仕組みづくりは外部に頼み、日々の運用は職員が回せる形にしておくと、人が替わっても続きます。
国や自治体の支援制度は、AI導入にも使えますか。
制度ごとに対象となる経費や要件が決まっており、生成AIが対象になるかは制度と自治体によって異なります。要件に書かれていないことは対象と考えず、厚生労働省の資料と都道府県の公募要領で確認してください。確認先は、介護テクノロジー導入支援事業なら都道府県の担当課、生産性向上推進体制加算なら厚生労働省の資料と指定権者です。
外部に頼むと、いくらくらいかかりますか。
頼み方で大きく変わります。合同会社サンの場合は、無料相談が30分、半日の出前講座が110,000円(税込・交通費込み)、毎月の顧問が月60,500円から(税込)です。顧問には、初回のみオンボーディング費165,000円(税込)がかかります。他の支援先は、見積りの範囲、納品物、職員が自分で回せるようになるまでの関わり方を同じ項目で並べて確かめてください。
導入して失敗したと判断するのは、どんなときですか。
試した業務で、導入前に決めた測り方の数字が変わらず、職員も使っていない状態が続いたときです。決めた日に見直して、続ける、やり方を変える、やめるのどれかを選びます。やめる判断ができるのは、最初に1業務に絞って小さく始めた法人だけです。全体に広げてからでは、やめる判断が難しくなります。

理事会に持っていける資料セットをお渡しします

理事会で説明する1枚、職員向けの生成AI利用ルール、導入前チェックリストの3点をまとめた資料セットを、公式LINEかメールでお渡しします。

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毎月ご一緒する形は AI顧問のご案内(月60,500円から・税込)をご覧ください

合同会社サン / 福祉 × AI・DX / 全国オンライン対応(現地対応は要相談)

半日の出前講座

御施設の記録や勤務表をそのまま画面に出して、職員の皆さまと一緒にAIを触ります

半日(3時間ほど)お伺いし、その日のうちに現場の仕事を1つ軽くすることを目標に進めます。1回 110,000円(税込・交通費込み)。伴走顧問に進まれた場合は、初月の顧問料に全額充当します。

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出典(2026年10月21日に確認)

最終更新:2026-10-21

菅
菅野 竜輔(かんの りゅうすけ)/ 合同会社サン 代表社員
介護職、施設長、ケアマネジャー、地域包括支援センター、生活困窮者支援を経験。現在は社会福祉法人と福祉事業者向けに、生成AIの導入と定着の伴走をしています。本記事は厚生労働省の公開資料と合同会社サンの公式ページを確認のうえ、AIを利用して作成し、人が事実確認と加筆を行っています。本記事は2026年10月21日時点の情報です。制度の要件と金額は年度と都道府県で変わるため、実際の手続きは必ず所管の窓口でご確認ください。
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