記号化のルールは、表と手順と入れない情報の3つを1枚にする
利用者の情報は、どこまでならAIに入れてよいのか
現場の情報は、扱いで3つに分けられます。そのまま使える情報、記号に置き換えれば使える情報、置き換えても入れない情報です。
そのまま使えるのは、公開されている制度の文書や、法人のホームページに載せている内容、個人も法人の内情も含まない文章の下書きです。入れないのは、利用者、家族、職員を特定できる情報と、記録やアセスメントの原文、法人の秘密情報です。この2つの中身は、社会福祉法人がChatGPTに入れてはいけない情報の一覧に区分ごとの表で載せています。
判断が割れるのは、その間にある事例の相談です。転倒が続く利用者への関わり方を整理したい、家族への説明文の案がほしい、ヒヤリハットの再発防止策を考えたい。こうした使い方は、事例の中身を書かないと相談になりません。ここで要るのが、誰のことか分からない形に書き直す手順です。この記事では、この書き直しを記号化と呼びます。法律の用語ではなく、職員に伝えやすくするための法人の中の呼び名です。
記号化の手順が決まっていない法人では、職員がそれぞれの感覚で名前だけを消して入力しています。消す範囲が人によって違うことが、法人として説明できない状態を生みます。置き換え方を1枚にまとめるのは、職員の感覚に任せている部分を、法人が決めた手順に置き換えるためです。
記号化すれば、個人情報ではなくなるのか
なくなるとは言えません。ここを取り違えると、記号化さえすればどのサービスに入れてもよい、という誤った運用になります。
個人情報保護法第2条第1項は、個人情報を、生存する個人に関する情報であって、氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるものと定め、他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含むとしています。法人の手元には、元の記録があります。名前をAさんに変えた文章も、記録と見比べれば誰のことか分かります。
総務省の「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック<導入手順編>」(令和7年12月 第4版)は、この考え方を提供元基準として紹介しています。外部に提供する部分だけでは個人情報になっていなくても、提供元の事業者が他の情報と容易に照合して特定の個人を識別できる場合には、提供元に対して、個人情報としての管理の下で適切に提供することを求める、という説明です。自治体向けの資料ですが、もとになっているのは個人情報保護法の考え方です。
匿名加工情報という制度と混同しないことも必要です。個人情報保護委員会と厚生労働省の「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(令和8年4月一部改正)は、氏名、生年月日、住所等の特定の個人を識別する情報を取り除く場合でも、個人情報を規則で定める基準に従って加工しておらず、復元することができる場合には、匿名加工情報に該当しないため注意が必要である、としています。現場で名前や日付を書き換える作業は、この基準に従った加工ではありません。
現場の記号化は、匿名加工情報を作る作業とは別のもの
現場の記号化
- 職員が名前や日付を書き換える
- 元の記録と見比べれば、誰のことか分かる
- 法人は個人情報として扱い続ける
匿名加工情報
- 規則で定める基準に従って加工する
- 個人情報を復元できないようにしたもの
- 氏名などを取り除いただけでは該当しない
では、記号化には何の意味があるのか。外に出る情報の量を減らすことです。誤って別の画面に貼った、サービスの側で事故が起きた、という場合に、氏名や番号が入っている文章と、入っていない文章とでは、利用者に及ぶ影響がまるで違います。記号化は、入れ先の確認を省くための手続きではなく、確認したうえで出す量を減らす手続きです。
入れ先の確認とは、個人情報保護委員会が令和5年6月2日の注意喚起で個人情報取扱事業者に示した2点を指します。個人情報を含むプロンプトを入力する場合は、特定された利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること。あらかじめ本人の同意を得ることなく個人データを含むプロンプトを入力する場合は、サービスを提供する事業者がその個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること。法人は、記号化した文章についてもこの2点を確かめたサービスにだけ入力を認める、という二重の構えにしておくと、理事会でも説明が通ります。個別の事例でどこまでが個人情報に当たるかの判断は、所管の自治体や弁護士などの専門家に確かめてください。
御法人の記録の様式に合わせて、置き換える項目を洗い出したい場合は、様式の名前を伺えば一緒に整理できます。
公式LINEで相談する出す量を減らすことと、入れ先を確かめることは、片方では足りない
何を、どう置き換えればいいのか(置き換えの表)
名前だけを消しても足りません。年齢、日付、場所、関係者、出来事が残っていれば、組み合わせで誰のことか見当がつきます。置き換える項目は12あります。右の列には、相談の質を落とさないために残してよいものを書いています。
| 項目 | 置き換え方 | 残してよいもの |
|---|---|---|
| 1 氏名、呼び名 | Aさん、Bさんにする。イニシャルは、職場の中で誰のことか分かるので使わない | 性別(相談に要るときだけ) |
| 2 年齢、生年月日 | 80代、90代前半のように幅で書く。生年月日は書かない | 年代 |
| 3 日付、曜日、時刻 | 〇月〇日、入所から3か月目、夕食の後のように書く | 経過の長さ、時間帯 |
| 4 住所、地名、出身地 | 書かない。集合住宅の3階で階段のみ、のように支援に関わる条件だけを書く | 住まいの条件 |
| 5 事業所名、ユニット名、居室番号 | 書かない。特別養護老人ホーム、グループホーム、就労継続支援B型のように事業の種類にする | 事業の種類 |
| 6 番号 | 被保険者番号、受給者証番号、電話番号、利用者の管理番号は書かない。別の番号に置き換えることもしない | なし |
| 7 病名、障害名 | 診断名より、食事に時間がかかる、夜間に歩き回る、のように支援で見えている状態を書く。診断名が要る相談では広い呼び方にとどめ、珍しい病名は書かない | 支援に関わる状態 |
| 8 家族、関係者 | 長女、成年後見人、担当の相談支援専門員のように続柄と役割で書く。氏名、勤務先、住んでいる所は書かない | 続柄、役割 |
| 9 職員 | 職員B、夜勤の職員のように書く | 職種、勤務の時間帯 |
| 10 病院、学校、勤務先、関係機関 | かかりつけ医、通院先の総合病院、特別支援学校のように種類で書く | 機関の種類 |
| 11 固有の出来事 | 報道された事故、地域の行事の名前、表彰、珍しい職歴は外す | 支援に関わる事実 |
| 12 写真、音声、様式や画面の写し | 入れない。相談に要る部分だけを文章に書き起こしてから、1から11の置き換えをする | なし |
6と12は、置き換えではなく、入れないという扱いです。番号は相談の役に立たず、写真や様式の写しは、どこに何が写っているかを職員が確かめきれません。迷う余地をなくすために、表の中で分けてあります。
7は、福祉の現場でいちばん迷う所です。ガイダンスは、介護関係記録に記載された病歴、障害の事実、犯罪により害を被った事実等を、要配慮個人情報に該当する情報の例に挙げています。相談に要るのは、多くの場合、診断名そのものより、支援の場面で何が起きているかです。状態で書く、という決まりにしておくと、置き換えの手間が減り、相談の中身も具体的になります。
この表は、御法人の様式に合わせて書き直してから配ってください。フェイスシート、ケース記録、個別支援計画、事故報告書のように様式の名前で示すと、職員は自分の仕事のどこに当たるかをすぐに判断できます。
職員は、どの順番で記号化すればいいのか
置き換えの表を配るだけでは、職員は記録を貼ってから名前を消す、という順番で作業します。この順番だと、消し忘れが残ります。貼ってから消すのではなく、要る部分だけを書き写しながら置き換える、という順番を手順として決めます。手順は5つです。
貼ってから消すのではなく、書き写しながら置き換える
- 聞きたいことを先に一文で書く書かなくてよい情報が分かる
- 記録を貼らず、要る部分だけを書き写す原文は貼らない
- 置き換えの表に沿って置き換える氏名、年齢、日付、場所、関係者
- 法人の外の人が読んで、見当がつくかを読み返すつくなら、さらに外す
- 名前は記録の側で戻すAIの画面に実名を書き足さない
- 聞きたいことを先に一文で書く。家族への説明文の案がほしい、再発防止策の候補を挙げてほしい、のように、何を手伝ってほしいのかを最初に決めます。聞きたいことが決まると、書かなくてよい情報が分かります
- 記録を丸ごと貼らず、要る部分だけを書き写す。ケース記録やアセスメントの原文は貼りません。相談に要る事実を、自分の言葉で数行にまとめます
- 置き換えの表に沿って置き換える。書き写しながら、氏名、年齢、日付、場所、関係者を表のとおりに直します
- 法人の外の人が読んで、誰のことか見当がつくかを読み返す。地域の人や、ほかの事業所の職員が読んだ場面を思い浮かべます。見当がつく記述が残っていれば、さらに外します
- 出力は下書きとして受け取り、名前は記録の側で戻す。AIの画面に実名を書き足して直させることはしません。出力を記録システムや文書に移してから、職員が名前を戻し、事実を確かめます
手順2と手順3を1つの文例で示します。説明のために作った文例で、実在の人物や事業所のものではありません。
置き換える前(入力しない)
2階東ユニットの山田花子さん(92歳)。10月3日に入所。10月5日の午前2時ごろ、居室で転倒しているのを夜勤の鈴木が見つけた。長女の佐藤さんから電話があり、センサーを付けてほしいとのこと。
置き換えた後(入力する)
特別養護老人ホームの入所者Aさん(90代前半、女性)について相談します。入所から1週間以内の夜間に、居室で転倒しているのを夜勤の職員が見つけました。ご家族(長女)から、見守りの機器を使ってほしいという要望が届いています。ご家族にお渡しする説明文の案を、経過の報告、これからの対応、ご家族にお願いしたいことの順で作ってください。
置き換えた後の文章でも、相談に要る事実は残っています。入所して間もないこと、夜間であること、居室であること、家族から要望があること。逆に、ユニットの名前、日付、時刻、職員と家族の姓は、説明文の案を作るうえで役に立っていません。相談に役立たない情報から先に落ちていくのが、聞きたいことを先に書く手順の効き目です。
手順4の読み返しには限界があります。同じ職場の職員が読めば、置き換えた後の文章でも誰のことか分かります。記号化した文章を法人が契約したサービス以外に入れない、という決まりを外せないのは、このためです。記録の文章を整える使い方そのものの手順は、介護記録をAIで効率化する具体手順にまとめています。
記号化しても入れないほうがよい情報は何か
置き換えの表どおりに直しても、入れないほうがよい情報があります。先に決めて、1枚に書いておきます。
さらに外しても見当がつく事例は、入れない
- 番号と、写真、音声、様式や画面の写し。置き換えの表の6と12です。置き換える余地がありません
- 虐待、事故、苦情の、調査や対応が続いている内容。出来事の経過そのものが、関係者には誰のことか分かる情報になります。法人の判断が固まる前の内容は、置き換えても入れません
- 利用者の少ない事業所や地域で、状態を書くだけで見当がつく事例。定員の少ない事業所、地域に1人しかいない病気や障害、医療的ケアの組み合わせが珍しい場合などです
- 報道や地域のうわさで知られている出来事。日付や場所を外しても、出来事の中身から特定できます
- 職員の評価、面談の記録、健康状態。職員Bに置き換えても、部署と時期で分かります。人事の文章は、型や言い回しだけを相談し、中身は入れません
どれも、手順4の読み返しで、さらに外しても見当がつく、と判断される情報です。職員が1人で迷う場面なので、迷ったら入れない、入れる前に管理責任者に聞く、という出口を1枚に書いておきます。聞かれた管理責任者が答えに困る事例は、入れない側に倒します。
個別支援計画やケアプランの原案づくりに使う場合は、事例の相談より多くの情報を扱うことになります。使ってよい工程と使わない工程の分け方は、個別支援計画にAIを使う時につまずく所に書いています。
職員に配る1枚には、何を書けばいいのか
職員に配る1枚には、置き換えの表と、5つの手順と、入れない情報を、現場の言葉でまとめます。次の文例を、御法人の名前、サービスの名前、管理責任者の氏名に置き換えて使ってください。裏面に置き換えの表を刷ると、A4の1枚に収まります。
生成AIに事例を相談するときの決まり(記号化のルール)
1. 事例を入れてよいのは、法人が用意した〇〇のアカウントだけです。自分のスマートフォンや私用のアカウントには、置き換えた文章も入れません。
2. 最初に、聞きたいことを一文で書きます。
3. 記録やアセスメントは貼りません。要る部分だけを自分の言葉で書き写します。
4. 書き写しながら、裏面の表のとおりに置き換えます。名前はAさん、年齢は80代、日付は〇月〇日、場所は事業の種類、家族は続柄、職員は職員Bです。
5. 番号、写真、音声、様式や画面の写しは入れません。
6. 入れる前に読み返します。法人の外の人が読んで誰のことか見当がつくなら、さらに外します。外しても見当がつく事例は入れません。
7. 虐待、事故、苦情の対応が続いている内容と、職員の評価や健康の話は、置き換えても入れません。
8. AIの答えは下書きです。名前は記録や文書の側で戻し、事実を自分で確かめます。AIの画面に実名を書き足しません。
9. 迷ったら入れずに、管理責任者(氏名)に聞いてください。間違って入れたときも、すぐに伝えてください。伝えたことを理由に責めることはしません。
施行日 令和〇年〇月〇日 / 生成AI利用規程 第6条関係
最後の行で、この1枚が法人のどの決まりにつながっているかを示します。規程の本体をまだ作っていない法人は、法人のAI利用規程はこう作るの条文例を土台にしてください。条文例の第6条と別表2が、この1枚のよりどころになります。
9番目の、伝えたことを理由に責めない、という一文は削らないでください。個人情報保護法第24条は、従業者に個人データを取り扱わせるに当たって、必要かつ適切な監督を行うことを求めています。監督は、入れてしまった事実が法人に届いて初めて働きます。
法人として、何を決めておけばいいのか(決めることの表)
1枚を配る前に、法人として決めておくことが6つあります。職員の作業の決まりは1枚に書いてありますが、その前提になる判断は、職員ではなく法人の側の仕事です。
| 決めること | 決める内容 | 記録に残すこと |
|---|---|---|
| 1 記号化した事例を入れてよいサービス | 法人が契約したサービスに限る。利用目的の範囲内であることと、入力した内容が機械学習に利用されないこと等を、管理責任者が利用規約と設定画面で確かめる | サービスの名称、確かめた日、確かめた人 |
| 2 置き換えの表 | この記事の表を、法人の様式の名前と事業の種類に合わせて書き直す | 表の版と作成日 |
| 3 記号化しても入れない情報 | 調査や対応が続いている事案、利用者の少ない事業所の事例、職員の人事に関する情報など、法人として入れないと決めるもの | 決めた日と決めた機関 |
| 4 記号と実名の対応表の扱い | 対応表は作らない。記号は1回の相談ごとに振り直す。作る必要がある場合は、保管する場所と見てよい人を決める | 例外を認めた場合の理由と保管場所 |
| 5 相談先と報告先 | 迷ったときに聞く人と、誤って入れたときに伝える人を、氏名で決める。事業所が複数ある法人は、事業所ごとの窓口も決める | 管理責任者と窓口の氏名 |
| 6 配り方と見直し | 説明の場を持ち、読んだことを確かめる。サービスの規約が変わったとき、新しい様式を作ったときに、表を見直す | 説明した日と出席者、見直した日 |
1は、職員には決められません。入力した内容を学習に使うかどうかの扱いや設定の場所は、サービスごとに違い、変わることもあります。どのサービスなら安全かは、この記事では判断しません。公式の利用規約と設定画面を法人の担当者が読み、確かめた日を残してください。外部の事業者に設定や導入を頼む場合に確かめる項目は、AI支援事業者の選び方に並べています。
4の対応表は、見落とされやすい所です。AさんとBさんが誰なのかを一覧にして共有フォルダに置くと、記号化した文章と合わせるだけで誰のことか分かる状態が、法人の中に長く残ります。同じ人に同じ記号を使い続けることも、相談を重ねるうちに情報が積み重なるので避けます。
どの機関で決めるかは、御法人の定款と規程によります。個人情報保護規程の運用に関わる内容なので、個人情報保護の責任者が案を作り、理事長の決裁か理事会への報告を経る形が考えられます。個人情報保護法第23条は、個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じることを求めています。記号化のルールを、この安全管理の一部として位置づけておくと、ほかの規程とのつながりが説明しやすくなります。法人全体で生成AIを入れていく順番は、社会福祉法人が生成AIを入れる順番に書いています。
よくある質問
- 名前をAさんに変えれば、個人情報ではなくなりますか。
- なくなるとは言えません。個人情報保護法第2条第1項は、他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別できるものも個人情報に含めています。法人の手元には元の記録があるので、名前を記号に置き換えた文章も、法人の側では誰のことか分かります。記号化は、外に出る情報の量を減らすための作業です。記号化した文章も個人情報として扱う前提で、入れてよいサービスを法人が契約したものに限ってください。
- 記号化した文章は、匿名加工情報や仮名加工情報として扱えますか。
- 現場で名前や日付を置き換えただけの文章を、匿名加工情報として扱うことはできないと考えてください。個人情報保護委員会と厚生労働省のガイダンスは、氏名、生年月日、住所等を取り除いた場合でも、規則で定める基準に従って加工しておらず、復元することができる場合には、匿名加工情報に該当しないとしています。仮名加工情報についても、仮名加工情報として取り扱う意図をもって加工する場合を指し、そうでない場合は個人情報取扱事業者としての規定を遵守する必要があるとしています。
- 記号と実名の対応表は、作ったほうがよいですか。
- 作らない運用をおすすめします。対応表があると、記号化した文章と合わせるだけで誰のことか分かる状態が、法人の中に長く残ります。記号は1回の相談ごとに振り直し、名前を戻す作業は、職員が記録システムや文書の側で行います。研修や事例検討のために対応表がどうしても要る場合は、保管する場所と見てよい人を管理責任者が決め、生成AIの画面には入れないでください。
- 記号に置き換える作業そのものを、AIに任せてよいですか。
- 任せないでください。置き換えを頼むには、実名の入った元の文章をAIに渡すことになり、記号化する意味がなくなります。置き換えは、入力する前に職員が自分の手で行います。記録を丸ごと貼らず、相談に要る部分だけを書き写す手順にしておくと、置き換える量そのものが減り、作業の負担も小さくなります。
- 障害福祉や児童福祉の事業所でも、同じルールを使えますか。
- 使えます。個人情報保護委員会と厚生労働省のガイダンスが対象としているのは、医療機関等と、介護保険法や老人福祉法に規定する事業などを行う介護関係事業者です。一方、個人情報の定義を定めた個人情報保護法第2条と、安全管理措置と従業者の監督を定めた第23条、第24条は、事業の種類にかかわらず個人情報取扱事業者に当てはまります。置き換えの表の事業の種類や関係機関の欄を、御法人の事業に合わせて書き直してください。
まとめ|記号化は、出す量を減らす手続き
名前をAさんに変えても、法人にとっては個人情報のままです。記号化は、入れ先の確認を省くためのものではなく、確かめたサービスに出す情報の量を減らすために行います。置き換える項目は12、職員の手順は5つ、法人が決めることは6つでした。
最初の一歩は、御法人でいちばんよく使う記録の様式を1つ選び、その様式の欄を置き換えの表の12項目に当てはめてみることです。当てはまらない欄が出てきたら、それが御法人の表に足す行になります。
出典
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057(第2条 定義、第23条 安全管理措置、第24条 従業者の監督)
- 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(令和5年6月2日) https://www.ppc.go.jp/news/press/2023/230602kouhou/(別添1の個人情報取扱事業者における注意点)
- 個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(平成29年4月14日、令和8年4月一部改正) https://www.mhlw.go.jp/content/001470633.pdf(対象となる事業者の範囲、個人情報、要配慮個人情報、仮名加工情報、匿名加工情報の説明)
- 総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック<導入手順編>」(令和7年12月 第4版) https://www.soumu.go.jp/main_content/000820109.pdf(4.4 要機密情報(個人情報を含む)の取扱い。個人情報保護法における提供元基準のコラム)
この記事は2026年10月10日時点で公開されている法令と資料に基づいています。置き換えの表と文例は、法人のルールを作るときの土台として示したもので、これに従えば個人情報に当たらなくなるという趣旨ではありません。個別の事例の判断は、所管の自治体や弁護士などの専門家にご相談ください。生成AIサービスの規約や国の資料は改定されることがあります。
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最終更新:2026-10-10
