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HIROSHIMA・広島県の補助金と福祉AI

広島県の介護テクノロジー定着支援事業補助金と福祉AI導入ガイド
― 受付終了直後の今こそ、次の採択に一番近い ―

エリア:広島県最終更新:2026-08-24著者:合同会社サン 代表 菅野 竜輔

先に残念なお知らせから。広島県の令和8年度介護テクノロジー定着支援事業補助金の受付は、令和8年7月13日から8月7日までの約4週間で、この記事の公開時点(2026年8月24日)ではすでに閉じています。ただ、広島県の制度には他県にない特徴が2つあります。ひとつは、補助金の交付事務を県庁ではなく一般社団法人日本福祉用具供給協会の広島県ブロック事務局が担い、県は事業所からの直接の問い合わせに答えないという分業体制。もうひとつは、令和5年度から7年度までに同種の補助金を受けていない事業所を優先して採択すると明言している、初回優先の設計です。つまり、まだ一度も使ったことのない事業所こそ本命で、勝負は受付が始まる前の研修受講と相談実績で半分決まります。この記事では、受付終了直後の今から次の募集までに何を仕込むべきかを、県公式の一次情報だけを根拠に整理しました。

広島県の介護テクノロジー定着支援事業補助金と福祉AI導入ガイド の要点をまとめた図(合同会社サン 福祉DX お役立ちブログ)

令和8年度の受付は8月7日で終了――広島県の補助金の実際

事実関係を先に表にします。出典は県公式ページ(広島県「令和8年度 介護テクノロジー定着支援事業 補助金制度について」・2026年8月24日参照)です。

項目令和8年度の内容
受付期間令和8年7月13日(月)〜令和8年8月7日(金)。今年度分は受付終了
対象事業所広島県内の介護保険法に基づく全サービス事業所(訪問介護・居宅介護支援を含む)と、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホーム
優先採択令和5〜7年度に介護ロボット導入支援事業補助金・介護事業所ICT導入支援事業補助金・介護テクノロジー定着支援事業補助金の交付を受けていない事業所を優先
申請必須要件県指定の研修を最低1つ受講すること+介護職場サポートセンターひろしま(介サポひろしま)への相談
交付事務の窓口一般社団法人日本福祉用具供給協会 中国支部 広島県ブロック事務局(広島市安佐南区大町東)。県への直接の問い合わせは不可
制度の所管広島県健康福祉局 介護政策課 介護人材グループ

補助率や上限額は、県の公開ページには記載がなく、交付事務を行う協会事務局のページ(日本福祉用具供給協会 広島県ブロック事務局「令和8年度介護テクノロジー定着支援事業」・2026年8月24日参照)でも公表本文には金額が載っていません。金額の確定情報は次の募集時に事務局へ確認するのが確実で、当社もここに未確認の数字は書きません。

注目すべきは優先採択の条件です。令和5年度から3年分の旧制度名(介護ロボット導入支援・ICT導入支援)まで遡って、受けていない事業所を先に採るとはっきり書いてある。全国的に補助金はリピーターの大規模法人に流れがちですが、広島県は逆に、まだ入口に立っていない事業所へ枠を回す設計にしています。訪問介護や居宅介護支援まで対象に含めていることと合わせて読むと、県の狙いは小さな事業所への裾野の拡大です。

窓口は県庁ではない――協会事務局と介サポひろしまの分業体制

広島県の制度でつまずきやすいのが、どこに聞けばいいのかです。県公式ページには、機器の導入を検討している事業所は協会事務局へ連絡すること、県では事業所や販売業者からの直接の問い合わせには答えられないことが、わざわざ2回繰り返して書かれています。整理するとこうなります。

この3者の分業は、県庁に電話をかけて回される無駄をなくす一方で、初めての事業所には見えにくい構造です。特に介サポひろしまへの相談は、任意のおすすめではなく申請の必須要件です。機器を決めて見積を取ってから最後に形だけ相談、では順序が逆で、相談実績を作ってから申請書類に進む流れが正規ルートになります。

次の募集までに仕込む5点――研修・相談・TAIS・LIFE・宣言

令和8年度の要件から逆算すると、次の募集で採択に近づくための準備は5点に絞られます。県公式ページと協会事務局ページに明記されている要件だけを挙げます。

  1. 県指定の研修を受講しておく。令和8年度は生産性向上普及促進セミナー(WEB配信・動画視聴)や介護テクノロジー定着支援研修会(広島産業会館)などが6月に集中開催され、申請前の受講が条件でした。介サポひろしまの介護DX普及推進セミナーの動画視聴でも要件を満たせた点、前年度中の小地域セミナー等の受講実績も考慮された点から、早く受けておいて損のない設計です
  2. 介サポひろしまに相談する。申請必須要件であり、業務の棚卸しを無料で手伝ってもらえる窓口でもあります。募集が始まってからだと相談枠が混みます
  3. TAIS掲載の介護テクノロジーから機器を選ぶ。協会事務局ページで、対象はテクノエイド協会の福祉用具情報システム(TAIS)に掲載された介護テクノロジーとされています
  4. LIFE(科学的介護情報システム)の導入。協会事務局ページで要件として挙げられています。未導入ならID取得から始める必要があります
  5. SECURITY ACTIONの宣言。IPAの情報セキュリティ自己宣言で、これも協会事務局ページに要件として明記。入所系・泊まり系・居住系サービスは、導入検討の委員会の会議録も求められます

5点のうち機器選び以外の4つは、お金がかからず、今日から着手できるものです。受付期間はわずか4週間しかないので、開いてから走り出す事業所と、開く前に要件を満たし終えている事業所とでは、勝負は最初から決まっています。

次の募集までに何をどの順で仕込むか、御施設の現状を伺って無料で整理します。介サポひろしまへの相談の前段の、業務の棚卸しからお手伝いできます。

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備北39.5%と広島26.7%――7つの老人福祉圏域で違う現場

広島県の推計人口は令和8年7月1日現在で2,678,671人。対前年同月差では256か月連続、つまり21年以上休みなく減り続けています(出典:広島県「推計人口の推移(令和8年7月1日現在)」・2026年8月24日参照)。第9期ひろしま高齢者プランに載っている県全体の姿は、総人口2,770,623人・高齢者人口823,177人・高齢化率29.7%(令和5年1月1日現在の住民基本台帳ベース)ですが、県はこれを7つの老人福祉圏域に分けて管理しており、圏域ごとの差が大きいのが広島の特徴です。

老人福祉圏域主な構成市町高齢者人口高齢化率
広島広島市・安芸高田市・府中町・海田町ほか361,389人26.7%
広島西大竹市・廿日市市45,600人32.0%
呉呉市・江田島市85,176人36.9%
広島中央竹原市・東広島市・大崎上島町60,110人27.2%
尾三三原市・尾道市・世羅町86,290人36.8%
福山・府中福山市・府中市・神石高原町152,188人30.1%
備北三次市・庄原市32,424人39.5%

出典:第9期ひろしま高齢者プラン 第1章 図表1-8-1(広島県・PDF)。原典は総務省「住民基本台帳に基づく人口(令和5年1月1日現在)」。2026年8月24日参照。

政令指定都市の広島市を含む広島圏域が26.7%なのに対し、中国山地の三次市・庄原市からなる備北圏域は39.5%、造船のまち呉市と島の江田島市からなる呉圏域は36.9%、しまなみ海道側の尾三圏域も36.8%。同じ県内で13ポイント近い開きがあります。橋でつながっているとはいえ江田島市や大崎上島町のような島しょ部、庄原市や神石高原町のような中山間地域では、訪問1件あたりの移動時間が都市部の何倍にもなり、少ない職員で広い面をカバーする働き方が常態です。ここでは高価な見守り機器よりも先に、移動中に音声で記録を残す、申し送りを遠隔で共有するといった、距離を縮める使い方が効きます。逆に広島市・福山市・東広島市の大規模施設なら、記録ソフトと見守り機器を面で入れる王道の使い方が合理的です。同じ補助金でも、買うべきものが圏域でまるで違う県だと言えます。

高齢者は減るのに介護は重くなる――第9期ひろしま高齢者プランが示す2040年

広島県の高齢者施策の土台は第9期ひろしま高齢者プラン(計画期間:令和6年度〜令和8年度)です。老人福祉法に基づく都道府県老人福祉計画と介護保険法に基づく都道府県介護保険事業支援計画を一体で策定し、広島県介護給付適正化計画も包含しています(出典:広島県「第9期ひろしま高齢者プラン」・2026年8月24日参照)。このプランの第1章が描く2040年の広島県は、単純な高齢化の延長ではありません。

最後の点が広島の介護経営の核心です。県内の多くの市町では、利用者の総数はもう増えません。増えるのは85歳以上の、医療ニーズと認知症ケアの比重が高い層だけ。つまり件数は横ばいでも1件あたりのケアは確実に重くなる。しかも支え手は5分の1減る。この計算に対して採用増だけで答えを出せる市町は、広島県にはほとんど残っていません。プラン自体も、介護テクノロジーの普及による職員の負担軽減を人材不足への対策として明確に位置づけており、冒頭の補助金はその実行手段です。なお県は市町の区域を超えたサービス調整のために日常生活圏域を県全体で125設定しており、地域密着型サービスの見込み量はこの単位で管理されています。

板橋区の特養で実証した進め方を、広島県の事業所に当てはめる

正直に書きます。当社に広島県内の導入実績はまだありません。実績としてあるのは、東京都板橋区の特別養護老人ホームで、その施設の申し送り様式に合わせたオーダーメイドのAI申し送りと、職員がそのまま使えるAI研修を導入したことです(詳細は特養マイライフ徳丸様の導入事例)。

この経験を広島県に当てはめるなら、順序はこうです。まず介サポひろしまへの相談と県指定研修の受講で申請要件を先に固める。並行して、補助金を待たずに始められる範囲でAIを試す。板橋区で効いたのは高価な機器ではなく、すでにある記録様式をAIが下書きする仕組みと、職員が怖がらずに使えるまでの研修でした。この部分は月数千円の汎用AIで今日から試せて、初回優先の広島県の採択を待つ間の空白期間になりません。むしろ試した実感があるほうが、機器選定でも介サポひろしまへの相談でも話が具体的になります。伴走はオンライン中心なので、広島市内でも、庄原市や江田島市のような移動の重い地域でも、同じ形で進められます。

最初の一歩の考え方は柱記事の福祉スタッフのためのAI活用ロードマップ 5ステップに、記録の具体的な手順は介護記録をAIで効率化する具体手順にまとめています。障害福祉分野の事業所なら個別支援計画のAI活用も併せてどうぞ。

個人情報は記号化・下書き・最終判断は人

利用者の氏名や事業所名はそのまま入力せず記号化する、AIの出力は職員が直す前提の下書きとして扱う、最終判断は必ず人が行う。この3点を運用に組み込めば、福祉現場でも安全にAIを使えます。広島県の要件になっているSECURITY ACTIONの宣言とも方向が揃う運用ルールで、当社が自社運営の施設で守っている形をそのままお渡しします。

費用の目安(当社の料金も開示)

領域始め方費用の目安
記録AI・音声入力の試行汎用AI・既存ツールで小さく開始月 数千円〜
LINE公式アカウント構築・運用家族連絡・見学予約の自動化初期 0〜10万円/月 9,800〜39,800円
AI伴走(顧問)業務棚卸し・補助要件の整理・定着まで月2回〜の伴走月 10万円〜

初回相談は無料です。広島県の補助金の対象になり得る部分と、補助金を待たず自前で始めたほうが早い部分を分けてお見積りします。LINEの活用範囲は福祉施設のLINE公式アカウント活用と費用のめやすをご覧ください。

よくある質問(広島県版)

広島県の補助金は今から申請できますか?
令和8年度分はできません。受付は令和8年7月13日から8月7日までで終了しています。次の募集は例年6月前後に県介護政策課のページで告知されるので、研修受講と介サポひろしま相談の先回りを今のうちに済ませておくのが現実的です。
補助率と上限額はいくらですか?
県の公開ページと協会事務局の公表本文には金額の記載がなく、当社も未確認の数字は書きません。次の募集時に、交付事務を行う日本福祉用具供給協会中国支部広島県ブロック事務局へ確認するのが確実です。
過去に一度も補助金を使ったことがありません。不利ですか?
むしろ優先されます。令和5〜7年度に旧制度名(介護ロボット導入支援・ICT導入支援)を含む同種の補助金の交付を受けていない事業所を優先して採択すると、県公式ページに明記されています。
訪問介護や居宅介護支援事業所も対象ですか?
はい。令和8年度の対象は、介護保険法に基づくすべてのサービス事業所(訪問介護事業所や居宅介護支援事業所を含む)と、養護老人ホーム・軽費老人ホームでした。施設系だけの制度ではありません。
庄原市や江田島市のような中山間・島しょ部でも対応できますか?
はい。伴走はオンライン中心なので、備北圏域や呉圏域の島しょ部でも同じ形で進められます。移動の重い地域ほど、音声での記録や遠隔の申し送り共有の効果は大きくなります。
広島県での導入実績はありますか?
まだありません。実績は東京都板橋区内の特養でのAI申し送り導入です。その進め方を広島県の制度と御施設の実情に当てはめてご提案します。

次の募集が開く前に、要件を満たし終えておく

研修・相談・TAIS・LIFE・宣言の5点のうち、御施設に足りないものはどれか。現状を伺って、次の募集までの段取り表にしてお返しします。

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合同会社サン / 福祉 × AI・DX / 広島県・全国オンライン対応
菅
菅野 竜輔(かんの りゅうすけ)/ 合同会社サン 代表社員
介護実務5年・特養や有料老人ホームの立ち上げ・施設長・ケアマネジャーを経て、自社でも福祉施設を運営。板橋区内の特別養護老人ホームでのAI申し送り導入実績をもとに、広島県を含む全国の事業所にオンラインで伴走します。記事作成にAIを利用し、公開前に人が一次情報の確認と加筆を行っています。
埼玉県所沢市狭山ヶ丘 / 公式LINE・[email protected]