- まず現在地:令和8年度の公募は7月17日で終了。次の動きは9月下旬の交付決定
- 補助率5分の4以内と上限額(機器100万円/台・パッケージ1,000万円・協働化1,200万円)
- 島根県ならではの要件:まめネットと介護現場革新サポートセンターしまね
- 7年連続全国1位だった県の数字:高齢化率35.2%をどう読むか
- 第9期島根県老人福祉計画・介護保険事業支援計画と、策定中の第10期
- 松江・出雲から石見・隠岐まで:東西に長い県土と支援の届き方
- 次回募集までに済ませておく5つの仕込み
- 板橋区の特養で実施した進め方を、島根県の要件に当てはめると
- 費用の考え方(当社の料金も開示します)
- よくある質問(島根県版)
まず現在地:令和8年度の公募は7月17日で終了。次の動きは9月下旬の交付決定
島根県の介護ロボット・ICT補助は、令和8年度は島根県介護テクノロジー定着支援事業費補助金という名称で実施されています。日付を先に押さえます(出典:島根県 介護テクノロジー定着支援事業および同ページ掲載の補助金チラシ・交付要綱・2026-08-24確認)。
| 日付 | 何が起きるか |
|---|---|
| 令和8年5月25日〜7月17日 | 申請受付(終了済み) |
| 令和8年9月下旬(予定) | 交付決定。採択事業所はここから発注に動ける |
| 令和9年2月19日 | 発注・納品・支払のすべてを完了させる期限 |
| 事業完了から1か月以内(遅くとも2月20日) | 実績報告書の提出(交付要綱第8条) |
ここで見落とされがちなのは、交付決定から支払完了までが実質5か月弱しかないことです。9月下旬に採択の連絡が来てから機器を選び始めると、ベンダーの納期次第で2月19日を踏み外します。補助対象経費は当年度に支払った金額に限られるので、期限を過ぎた支払は1円も対象になりません。申請済みの事業所は、交付決定を待つ今のうちに、見積の最終確認・発注書の準備・現場への導入説明を先に進めておくのが安全です。
一方、今年度に申請しなかった事業所にとって、この締切済みという事実は悪い話ばかりではありません。島根県の補助要件は書類を書く前の下ごしらえが多い設計なので、公募が開いていない今こそ、競争なしで仕込みができる期間です。具体的には後述の5つを進めておけば、次の公募が開いたときに書類作成だけに集中できます。
補助率5分の4以内と上限額(機器100万円/台・パッケージ1,000万円・協働化1,200万円)
県のチラシと実施要綱に載っている区分と上限額はこうです。補助率はいずれも5分の4以内です。
| 区分 | 上限額 | 中身 |
|---|---|---|
| 移乗支援・入浴支援・インカムに該当する機器 | 100万円/台 | TAIS(テクノエイド協会の福祉用具情報システム)で介護テクノロジーとして選定された機器等 |
| 上記以外のTAIS掲載機器等 | 30万円/台 | 見守り機器など。付帯するWi-Fi工事・端末は主となる機器と併せて導入する場合に基準額内で対象 |
| 介護ソフト | 原則100〜250万円 | 職員数に応じて変動。記録・情報共有・請求が一気通貫であることが条件。タブレットやWi-Fi環境整備も定着促進費用として対象 |
| パッケージ型導入 | 1,000万円/事業所 | 介護業務支援に分類されるテクノロジーと、連動で効果が高まる機器の組み合わせ(介護ソフト+インカム等) |
| 導入と一体的に行う業務改善支援 | 48万円/事業所 | 専門家派遣や研修受講の経費。コンサルティング会社等による事前評価・助言・事後評価の費用が対象 |
| 協働化・大規模化 | 1,200万円/グループ | 複数法人グループでの人材一括採用やシステム共通化。1法人あたり120万円または150万円 |
注目してほしい区分が2つあります。1つ目は業務改善支援の48万円です。島根県の実施要綱4(3)は、機器を買う金ではなく、生産性向上の知識・経験を持つ第三者から事前評価・業務改善の助言・導入後の定着支援を受ける費用そのものを補助対象にしています。メーカーや販売店による操作説明は対象外と明記されているので、売る側ではない立場からの伴走だけがこの枠に乗ります。2つ目は協働化・大規模化の1,200万円です。県内は小規模法人が多く、1法人では機器もシステム担当者も持ちにくい。複数法人で組んでシステムを共通化する取組にグループ単位の上限を用意しているのは、その実情への回答です。
もう1点、要綱の細部で島根県らしいのが交付要綱第6条(10)です。補助事業の契約相手は島根県内に所在する事業所を優先するよう努める、という条項が入っています。機器の購入先を選ぶときは県内代理店の見積も並べておくと、この条項と整合します。
業務改善支援の48万円の枠は、外部の伴走費用に5分の4の補助が付く設計です。次回公募でこの枠を使う前提の計画づくりから、オンラインでお手伝いできます。
▶ LINEで無料相談島根県ならではの要件:まめネットと介護現場革新サポートセンターしまね
補助要件を並べると、島根県は書類より先に体制を問う県だと分かります。チラシに明記された主な要件は次のとおりです。
- LIFE(科学的介護情報システム)による情報収集への協力
- IPAのSECURITY ACTIONで一つ星または二つ星を宣言すること
- 介護現場革新サポートセンターしまねの生産性向上(基礎)研修会を受講すること。令和8年度は5月28日と6月19日に開催され、オンライン公開されている研修動画の視聴でも要件を満たせます
- 施設系サービスは、利用者の安全とサービスの質の確保・職員の負担軽減を検討する委員会を設置すること(名称は問わない)
- 居宅系サービスは、令和8年度内にケアプランデータ連携システムか、まめネット(しまね医療情報ネットワーク)のケアプラン交換サービスの利用を開始すること
5つ目が島根県固有です。まめネットは県内の病院・診療所・薬局・介護事業所をつなぐ地域医療情報ネットワークで、国の全国システムであるケアプランデータ連携システムと並んで、県独自の基盤が補助要件の選択肢として認められています。すでにまめネットに参加している居宅介護支援事業所なら、この要件は追加投資なしで満たせる可能性があるということです。逆に、どちらも未導入の事業所は、この要件を満たすまでの検討と手続にひと月単位の時間がかかるため、公募期間中に着手すると間に合わなくなります。次回募集に向けた仕込みの筆頭がここです。
相談体制も県として一本化されています。実施要綱は、申請にあたり介護現場革新サポートセンターしまねへ相談することを求めており、機器選定に迷ったらまずこの窓口です。制度全体の問い合わせ先は島根県健康福祉部高齢者福祉課(0852-22-6696・6520、[email protected])です。
7年連続全国1位だった県の数字:高齢化率35.2%をどう読むか
県が公表している高齢化率の推移から、節目の年を抜き出します(出典:島根県 高齢化率の推移掲載のPDF・2026-08-24確認。高齢化率は総務省統計局の国作成値)。
| 時点 | 総人口 | 高齢者人口 | 高齢化率 | 全国順位 | 全国平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平成15年10月 | 753,135人 | 198,897人 | 26.4% | 第1位 | 19.0% |
| 平成21年10月 | 720,112人 | 208,411人 | 29.0% | 第1位 | 22.7% |
| 平成27年10月 | 694,352人 | 222,648人 | 32.5% | 第3位 | 26.6% |
| 令和6年10月 | 641,396人 | 225,862人 | 35.2% | 第8位 | 29.3% |
この21年で総人口は約11万人減り、高齢者人口は約2.7万人増えました。ただし直近の動きを見ると、高齢者人口は令和3年の229,494人をピークにすでに減り始めています。これが何を意味するかというと、島根県の介護は利用者が増え続ける局面をもう抜けていて、支える側の現役世代が利用者よりも速く減る局面に入っているということです。人を増やして乗り切る選択肢が構造的に取れないからこそ、県は1事業所1,000万円のパッケージ型や協働化1,200万円という、1人あたりの生産性を直接上げる補助に張っています。全国順位が1位から8位に下がった事実は、島根県が楽になったのではなく、秋田県や高知県などがより急な坂を登り始めただけで、35.2%という水準そのものは全国平均より6ポイント高いままです。
第9期島根県老人福祉計画・介護保険事業支援計画と、策定中の第10期
県の上位計画は島根県老人福祉計画・介護保険事業支援計画で、現行の第9期は令和6年度から令和8年度までの3年間です(出典:島根県 老人福祉計画・介護保険事業支援計画・2026-08-24確認)。計画は10章構成で、第8章に介護人材確保・介護現場革新という章が独立して立っています。介護現場革新サポートセンターしまねの設置も、テクノロジー補助も、この章の施策として位置づけられているものです。
実務上大事なのは、いまが計画の切り替わり目だということです。県は令和9年度から11年度を期間とする第10期計画の策定を進めており、令和8年度は第9期の最終年度にあたります。補助メニューの名称や上限額は年度ごとに見直されるのが通例で、実際この事業も国の制度改称に合わせて名称が変わってきました。次回募集の内容が今年度と同一である保証はないので、金額を当て込んだ資金計画は交付要綱の次年度版が出てから確定させるべきです。一方で、SECURITY ACTIONや委員会設置のような体制系の要件は国の生産性向上の枠組みに沿ったものなので、先に済ませて無駄になる可能性は低い仕込みです。
松江・出雲から石見・隠岐まで:東西に長い県土と支援の届き方
島根県の介護を語るとき、県平均の数字だけでは足りません。県土は東西に長く、松江市・安来市・雲南市の東部、出雲市を中心とする出雲部、浜田市・益田市・大田市・江津市の石見部、そして本土から海を隔てた隠岐の島町・海士町・西ノ島町・知夫村の隠岐地域で、事業所の置かれた条件がまるで違います。東部には県庁所在地の松江市があり事業所も研修機会も相対的に集まりますが、石見部や隠岐では、集合研修に1回出るだけで往復半日から1日が消えます。ベンダーのサポート拠点も山陽側や松江に置かれることが多く、機器トラブルのたびに訪問を待つ運用は現実的ではありません。
この地理条件は、補助制度の使い方に直結します。第一に、研修動画の視聴で基礎研修の受講要件を満たせる建付けは、石見部・隠岐の事業所にとって単なる代替手段ではなく本命の経路です。第二に、導入する機器やソフトはリモートサポートが強いものを選ぶ基準が、都市部よりも一段重くなります。第三に、業務改善支援の48万円の枠で頼む外部支援も、オンラインで完結する相手を選べば、隠岐の事業所が松江の事業所と同じ密度の伴走を受けられます。距離のハンデを埋める道具に補助が付くのが島根県の制度だ、と読むのがいちばん実用的です。訪問介護事業所や居宅介護支援事業所まで対象に含まれていること(交付要綱第2条)も、広い県土に小さな事業所が点在する島根県では効いてきます。
次回募集までに済ませておく5つの仕込み
今年度未申請の事業所向けに、公募が開く前の今だからできることを、時間がかかる順に並べます。
- ケアプランデータ連携システムかまめネットの検討を始める(居宅系のみ)。要件化されているうえ、契約・設定・運用開始まで最も時間がかかる項目です
- SECURITY ACTIONの一つ星を宣言する。IPAのサイトで自己宣言する無料の手続ですが、情報セキュリティ基本方針を決める議論は事前にしておく必要があります
- 生産性向上研修動画を視聴する。介護現場革新サポートセンターしまねが公開している動画の視聴で受講要件を満たせます。管理者だけでなく現場リーダーと一緒に見るのが後の定着に効きます
- 業務改善計画の下書きを作る。どの業務の何分を減らすかを現場の実測から書き起こします。申請書類の中心であり、いちばん品質差が出る書類です
- 導入したい機器・ソフトの候補を2〜3に絞り、TAIS掲載の有無とリモートサポート体制を確認する。介護ソフトなら一気通貫要件(記録・情報共有・請求)とLIFE連携の対応状況をベンダーに文書で確認しておきます
この5つが済んでいる事業所と、公募開始後に着手する事業所とでは、書類の説得力に明確な差が出ます。特に4の業務改善計画は、補助金のためだけの書類ではなく、そのまま現場改善の設計図になります。
板橋区の特養で実施した進め方を、島根県の要件に当てはめると
当社は島根県内での導入実績はまだありません。書けるのは、板橋区内の特別養護老人ホーム(マイライフ徳丸様・掲載許可あり)で実施した多言語AI申し送りツールの納品と、現場職員が自分でAIを回せるようになる研修の経験を、島根県の制度に当てはめるとどうなるか、までです。マイライフ徳丸様の導入事例の詳細はこちらにまとめています。
そこで実際にやった手順は、最初に機器を選ばないことでした。先に現場の1日を書き出して、申し送り・記録・転記のどこで何分消えているかを測り、それから道具を決める。この順番は、島根県の実施要綱が業務改善支援に求める事前評価(課題抽出)→助言・指導→事後評価(定着支援)の流れとそのまま重なります。つまり島根県の48万円の枠は、板橋で有効だった進め方を県の補助でやれる枠です。もう1つ、外国籍職員が増えている現場ほど多言語の申し送り支援が効いた、という経験は、介護人材の確保が計画の独立した章になるほど厳しい島根県でこそ検証する価値があると考えています。ここは実績ではなく仮説なので、そう明記しておきます。
費用の考え方(当社の料金も開示します)
補助ありきで考えず、補助なしでも回収できる小さな一歩から始めるのが当社の基本方針です。そのうえで、次回公募で業務改善支援の枠を使う場合の目安を出します。
| 支援内容 | 形態 | 料金の目安 |
|---|---|---|
| 記録・申し送りへのAI活用(小さく試す) | 既存の汎用AIツールで開始 | 月 数千円〜 |
| 1Dayワークショップ | 御施設の実業務でAIを実演し、専用プランを納品 | ¥49,800(顧問契約の初月に全額充当) |
| AI伴走顧問(現場版) | 月2回〜のオンライン伴走。事前評価から定着支援まで、島根県の業務改善支援枠が想定する支援内容に対応 | 月 10万円〜 |
| LINE公式アカウント構築・運用 | 家族連絡・採用導線の整備 | 初期 0〜10万円 月 9,800〜39,800円 |
初回相談は無料です。次回公募に向けた仕込みの相談は、公募が開いてからだと間に合わない項目(まめネット・連携システム検討)から優先してお答えします。
よくある質問(島根県版)
- 令和8年度の補助金は今から申請できますか?
- できません。申請受付は令和8年5月25日から7月17日までで、公募は終了しています(2026-08-24に県公式ページで確認)。交付決定は9月下旬の予定です。未申請の事業所は、SECURITY ACTIONの宣言・研修動画の視聴・業務改善計画の下書き・ケアプランデータ連携またはまめネットの検討を先に済ませ、次回募集に備えるのが最善手です。
- 補助率と上限額を教えてください。
- 補助率は5分の4以内です。上限は、移乗支援・入浴支援・インカム該当機器が1台100万円、その他のTAIS掲載機器等が1台30万円、介護ソフトが職員数に応じて原則100〜250万円、パッケージ型導入が1事業所1,000万円、業務改善支援が48万円、協働化・大規模化が1グループ1,200万円(1法人120万円または150万円)です(県公式のチラシ・実施要綱で2026-08-24確認)。
- まめネットの利用は必須ですか?
- 居宅系サービスが補助を受ける場合の要件は、ケアプランデータ連携システムか、まめネット(しまね医療情報ネットワーク)のケアプラン交換サービスの、どちらかを令和8年度内に使い始めることです。どちらを選ぶかは事業所の判断で、すでにまめネットに参加済みならその活用が近道になります。施設系にはこの要件はなく、代わりに委員会の設置が求められます。
- 石見部や隠岐の事業所ですが、遠方でも対応できますか?
- 対応できます。当社の伴走は業務改善計画づくり・AI記録の運用設計・職員研修などオンラインで完結する内容が中心で、浜田市・益田市・江津市の石見部から隠岐の島町・海士町・西ノ島町・知夫村まで、松江市内の事業所と同じ密度で支援できます。島根県の基礎研修も動画視聴で要件を満たせる建付けなので、遠方であること自体は補助活用の障害になりません。
次の公募が開く前に、仕込みを一緒に片づけませんか
島根県の補助は、書類より先に体制を問う設計です。まめネットか連携システムか、どの機器を候補に残すか、業務改善計画に何を書くか。公募が開いてからでは間に合わない順に、無料で整理してお返しします。
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