鹿児島県はまだ募集前――令和8年8月から9月頃開始予定という一行の意味
まず県公式ページに書かれている事実だけを並べます。出典は鹿児島県 令和8年度 介護テクノロジー導入支援事業についてで、2026-08-24に確認しました。
| 項目 | 県公式ページの記載 |
|---|---|
| 事業名 | 介護テクノロジー導入支援事業(令和8年度) |
| スケジュール | 令和8年8月から9月頃 募集開始予定 |
| 申請要件のひとつ | 国または県が開催する研修の受講(3つのうちいずれか) |
| 掲載されている添付資料 | 国の介護テクノロジー定着支援事業実施要綱/新旧対照表/国のQ&A |
| 問い合わせ窓口 | 保健福祉部 高齢者生き生き推進課 介護保険室。原則メール([email protected])、2週間程度回答がない場合のみ電話 099-286-2687 |
この表で行動を左右するのは募集開始予定の一行ではなく、研修受講が要件のひとつという条件です。募集開始を待ってから研修を探しても、開催日は動かせません。準備の時間を研修と業務の棚卸しに使えた事業所だけが、公募が出た瞬間に申請書を書ける状態になります。
先に済ませるのは研修――3つの選択肢と、8月25日という日付
県公式ページは国の実施要綱を根拠に、次の3つのうちいずれかの研修を受講するよう求めています。申請を予定している事業所は受講をお願いします、という書き方です。
| 選択肢 | 内容 | 受講の重さ |
|---|---|---|
| (1)厚生労働省のセミナー | 生産性向上ビギナーセミナー/生産性向上フォローアップセミナー(講義形式・ワーク形式) | 両方の受講が必要 |
| (2)厚生労働省の研修 | デジタル中核人材養成研修(介護保険最新情報Vol.1531で案内) | 中核人材を育てる本格研修 |
| (3)県の研修 | かごロボが開催する研修会(県委託事業)。第1回は令和8年6月10日に経営者対象、第2回は令和8年8月25日に実務者対象 | 第1回・第2回のいずれか一方の参加で要件を満たす |
実務上いちばん軽いのは(3)です。第1回と第2回のいずれか一方の参加で要件を満たすと県公式ページに明記されており、(1)のように2本立てで受ける必要がありません。経営者向けの第1回は令和8年6月10日に終わっており、残るのは令和8年8月25日の実務者向け。この記事の更新日は2026年8月24日ですから、要件を最短で満たせる公式の機会は文字どおり明日です。
鹿児島県ならではの機会も今年度はありました。介護テクノロジー出張展示相談会が令和8年8月2日に西之表市民会館、つまり種子島で開かれています。県は機器の展示と体験を離島まで運び、補助要件を満たすには業務アドバイザーによる講話への参加が必須と案内していました。研修を県庁所在地だけで完結させず、船か飛行機でしか来られない地域に持っていったのは、この県が離島の事業所を制度の外に置いていない現れです。
かごロボを使い倒す――相談・研修・機器の試用貸出が並んでいる
研修の主催者かごロボは、正式には鹿児島県介護生産性向上総合相談センター(ワンストップ型支援相談窓口)で、運営は社会福祉法人鹿児島県社会福祉協議会。所在地は鹿児島市山下町14-50 カクイックス交流センター2階の鹿児島県介護実習・普及センター内、電話は099-221-6617です。
支援メニューは県公式ページと鹿児島県社会福祉協議会の相談センターのページで確認できます(2026-08-24確認)。
| メニュー | 中身 | 補助申請との関係 |
|---|---|---|
| 相談対応 | 業務改善・効率化、介護ロボットやICTの活用、国と県の支援策の情報について相談できる | どの機器がどの補助メニューに乗るかの確認 |
| 人材育成研修(3回) | 経営者向け・実務者向けの研修会 | 受講が申請要件のひとつを満たす |
| モデル事業所育成 | 3事業所への専門家による伴走支援 | 採択された事業所の進め方が県内の参考事例になる |
| 機器の選定支援と試用貸出 | 介護ロボット・ICT機器を選ぶ段階の相談と、実際に借りて試す仕組み | 買う前に現場で合うかを確かめられる |
いちばん見落とされているのが試用貸出です。カタログとデモ動画だけで見守りセンサーやインカムを選ぶと、入れてから夜勤の動線に合わない、無線が届かない居室があると分かります。借りて動かし、職員の反応を見てから型番を決める。その仕組みが県内に用意されています。
研修は受けたけれど、自施設の業務に落とすところで止まっている。そのつなぎ目を無料で一緒に整理します。
公式LINEで相談する補助率と上限額はまだ公表されていない――だから今できる準備がある
正直に書きます。2026-08-24の時点で、県の令和8年度事業のページに補助率や上限額の記載はありません。掲載されているのは国の実施要綱と新旧対照表、国のQ&Aの3点です。金額は県の募集要領が公表された時点で確定するため、他県の金額を持ってきて鹿児島も同程度だろうとは書きません。では今できることは何か。金額が決まっていなくても動かせる部分が3つあります。
- 研修要件を満たす:前述の3つのうちいずれか。かごロボの研修なら1回の参加で済みます。ここを終えていない事業所は、募集が出た瞬間に詰みます。
- 業務を分単位で測る:誰が、何の記録に、1日何分使っているか。夜勤帯の申し送り、日中の記録転記、家族への連絡の3つを1週間測るだけで、業務改善計画の材料になります。
- 機器を借りて試す:かごロボの試用貸出で候補を2つか3つに絞り、見積を取っておく。募集要領が出てから選び始めると、見積の往復だけで締切が近づきます。
有人離島28島・離島人口全国1位という前提条件
鹿児島県の介護を他県と同じ枠で語れない理由は地理にあります。県土は南北約600km、東西約300kmに広がり、その中に島が散在しています。島の数では長崎県が全国1位ですが、離島人口でも面積でも関係市町村数でも鹿児島県が全国1位で、全国の離島に住む人のおよそ4人に1人が鹿児島県の島にいます。数字は鹿児島県 離島の概要(県公式・離島振興計画の基礎資料)で2026-08-24に確認しました。
| 項目 | 鹿児島県 | 全国順位・比較 |
|---|---|---|
| 特別措置適用の有人離島数 | 28島(離島振興法20島+奄美群島振興開発特別措置法8島) | 全国4位 |
| 離島人口(令和2年国勢調査) | 149,620人 | 全国の離島人口(沖縄本島を除く)の26.0%で全国1位 |
| 離島の面積 | 2,482.45平方キロメートル | 全国の離島面積の32.5%で全国1位 |
| 離島に関係する市町村数 | 22市町村 | 全国1位 |
| 離島振興地域の高齢化率 | 38.5%(県平均32.5%) | 県平均より概ね10年ほど先行 |
| 地域別で最も高い高齢化率 | 甑島50.7%、長島43.0% | 令和2年国勢調査 |
この地理が介護テクノロジーの意味を本土とは変えます。外部の支援者が来る回数は船と飛行機の時刻表に縛られ、少人数の事業所ほど記録と連絡と請求が一人に集中し、専門職への相談相手が島内にいないことがある。いずれも遠隔でつなぐ技術と相性の良い課題です。当社が鹿児島県の支援をオンライン中心で設計しているのは、離島と本土に同じ回数の伴走を届けるためです。月2回の画面共有は、島にいても本土にいても同じ月2回です。
9圏域43市町村――南大隅町50.7%から鹿児島圏域28.6%まで
県の高齢者施策の正本は鹿児島すこやか長寿プラン2024(第9期鹿児島県高齢者保健福祉計画)です。計画期間は令和6年度から令和8年度で今年度が最終年度。県内を二次保健医療圏と一致させた9圏域に分けています。
| 圏域 | 主な市町村 | 市町村数 |
|---|---|---|
| 鹿児島 | 鹿児島市、日置市、いちき串木野市、三島村、十島村 | 5 |
| 南薩 | 枕崎市、指宿市、南さつま市、南九州市 | 4 |
| 川薩 | 薩摩川内市、さつま町 | 2 |
| 出水 | 阿久根市、出水市、長島町 | 3 |
| 姶良・伊佐 | 霧島市、伊佐市、姶良市、湧水町 | 4 |
| 曽於 | 曽於市、志布志市、大崎町 | 3 |
| 肝属 | 鹿屋市、垂水市、東串良町、錦江町、南大隅町、肝付町 | 6 |
| 熊毛 | 西之表市、中種子町、南種子町、屋久島町 | 4 |
| 奄美 | 奄美市、瀬戸内町、龍郷町、喜界町、徳之島町、天城町、伊仙町、和泊町、知名町、与論町など | 12 |
出典:鹿児島すこやか長寿プラン2024 総論第1章第5節(令和6年3月現在・9圏域43市町村)。2026-08-24確認。
注目すべきは、9圏域のうち熊毛と奄美の2つが丸ごと島の圏域だという点です。奄美圏域の12市町村は、肝属圏域の6や鹿児島圏域の5より多い。しかも鹿児島圏域の三島村と十島村も島です。圏域の並びを見るだけで、この県の福祉行政が海を挟んだ運営を常態としていることが分かります。なお県全体の推計人口は令和8年7月1日現在で1,499,891人、前年同月比17,287人減で150万人を割り込みました(出典:鹿児島県 月報(毎月推計人口)・2026-08-24確認)。
高齢化の度合いも圏域で違います。同計画によれば令和4年の高齢化率は県平均33.7%、市町村別では南大隅町の50.7%を筆頭に33市町村が35%以上、全43市町村の約9割にあたる39市町村が30%以上です。圏域別では南薩がもっとも高く、次いで曽於、熊毛の順でいずれも35%超、もっとも低いのは鹿児島圏域の28.6%。住民の2人に1人が65歳以上の町と4人に1人強の市が同じ県内にあり、制度が一本でも現場の打ち手は同じになりません。孤立離島13島のうち11島は人口が数十人から200余人で、職員数が一桁の事業所も珍しくありません。
要介護認定率は令和4年度末で19.0%、認定者数は99,582人でおよそ10万人、介護保険制度が始まった平成12年度末の約5.6万人と比べると約1.8倍です。医療と介護の双方のニーズを持つ85歳以上の人口は、2040年に2020年の約1.4倍にあたる約14万6千人と見込まれています。
2026年に2,572人不足――需給推計が示している期限
同計画の各論第7章には、県が厚生労働省の需給推計ワークシートに基づいて出した介護職員の将来推計が載っています。実人数ベースの数字です。
| 年 | 需要推計 | 供給推計 | 差(不足) |
|---|---|---|---|
| 2026年(令和8年) | 35,820人 | 33,248人 | 2,572人 |
| 2040年(令和22年) | 38,778人 | 30,584人 | 8,194人 |
| 2045年(令和27年) | 37,810人 | 28,987人 | 8,823人 |
出典:鹿児島すこやか長寿プラン2024 各論第7章(PDF)。2026-08-24確認。
2026年は今年です。計画が書かれた令和6年3月の時点で、県は今年すでに2,572人足りないと見込んでいました。需要は2040年をピークに下がる見込みですが、供給が同じ期間に減り続けるため不足の幅は縮まりません。
採用市場の数字も載っています。県の令和5年5月時点の介護関係の新規求人倍率は3.57倍で、全産業の1.88倍のおよそ1.9倍。介護労働安定センターの令和4年度調査では、県内の介護職員の離職率は16.2%、訪問介護員は14.0%でした。同章は訪問介護員について、職員の高齢化に加え施設介護員と比べて有効求人倍率が高いことを挙げ、不足が一層深刻化していると書いています。移動を含む訪問系は記録の入力が事業所に戻ってからになりがちで、音声入力と移動中の記録、事業所側での自動整形がそのまま効く領域です。
板橋区の特養で実証した進め方を、離島と半島の事業所に載せる
ここも正直に書きます。合同会社サンには、まだ鹿児島県内での導入実績はありません。お伝えできるのは、板橋区内の特別養護老人ホームでAIによる申し送り・記録の改善を実施したことです。そこで検証した進め方は3段階です。
- 測る:記録・申し送り・家族連絡にかかっている時間を分単位で洗い出す。感覚ではなく数字にする。ここを飛ばすと後から効果を説明できません。
- 決める:AIとソフトに渡す作業と、人が引き続き担う作業を線引きする。全部を自動化しようとすると頓挫します。
- 広げる:ひとつのユニットや一部の職員で先に試し、うまくいった形だけを全体に広げる。
この3段階は場所に依存しません。1と2は募集要領が出る前にオンラインで進められ、3も島の事業所なら画面共有と短い動画マニュアルで回せます。測って決めた内容は、そのまま業務改善計画の中身になります。研修で要件を満たし、実測で計画を埋め、試用貸出で機器を確かめた申請書は、カタログを添えただけのものとは別物です。
障害福祉の事業所(就労支援・グループホーム・放課後等デイなど)の方は、個別支援計画の下書きをAIで作る方法を個別支援計画のAI活用の記事にまとめています。記録の時短の具体手順は介護記録をAIで効率化する記事が実務編で、機器とソフトの選び方は介護記録ソフトの比較と選び方にまとめました。どこから手を付けるかを迷っている段階なら、福祉スタッフのためのAI活用ロードマップ5ステップから読んでください。
南九州で複数県に事業所を持つ法人は、県ごとの制度差を見比べる価値があります。隣接する宮崎県の福祉AI・補助金ガイドと熊本県の福祉AI・補助金ガイド、奄美の南に続く沖縄県の福祉AI・補助金ガイドも公開しています。募集時期も要件も県ごとに違うため、同じ法人でも県をまたぐと申請の段取りが変わります。
費用の目安(自社の料金も開示します)
補助対象の機器やソフトの価格はベンダー見積によりますが、当社の伴走支援の料金は先に開示します。
| メニュー | 内容 | 料金 |
|---|---|---|
| LINE公式アカウント構築・運用代行 | ライト/スタンダード/運用代行 | 初期 0〜10万円 月 9,800〜39,800円 |
| AI伴走(現場版・顧問) | 月2回〜の伴走。業務棚卸しから定着まで | 月 10万円〜 |
| 1Dayワークショップ | 御社の業務で実演+専用プラン納品 | ¥49,800(顧問の初月に全額充当) |
初回相談は無料です。研修をどれで満たすか、業務のどこを測るかの整理からで構いません。オンライン中心のため鹿児島市でも大隅半島でも、種子島・屋久島・奄美群島でも同条件です。当社は補助金の交付申請を代行する行政書士業務は行わず、業務改善と定着を支援する立場です。
よくある質問(鹿児島県版)
- 鹿児島県の令和8年度の補助は、まだ間に合いますか?
- 県公式ページのスケジュール欄には令和8年8月から9月頃募集開始予定と記載されており、2026-08-24の時点でまだ募集は始まっていません。ただし要件のひとつである研修の受講は先に済ませる必要があるため、間に合うかどうかは募集開始日ではなく研修を受けたかどうかで決まります。
- 補助率と上限額はいくらですか?
- 2026-08-24の時点で、県の令和8年度事業のページに補助率と上限額の記載はありません。掲載されているのは国の実施要綱と新旧対照表、国のQ&Aの3点です。金額は県の募集要領が公表された時点で確定するため推測の数字は書きません。県への問い合わせは原則メールで、[email protected]が窓口です。
- 申請前に受ける研修はどれを選べばよいですか?
- 県公式ページでは3つのうちいずれかとされています。厚生労働省の生産性向上ビギナーセミナーとフォローアップセミナー(両方の受講が必要)、厚生労働省のデジタル中核人材養成研修、県介護生産性向上総合相談センター(かごロボ)が開催する研修の3つです。かごロボの研修は第1回が令和8年6月10日、第2回が令和8年8月25日で、いずれか一方の参加で要件を満たします。
- 離島の事業所でも支援を受けられますか。鹿児島県内に来てもらえますか?
- 合同会社サンの本社は埼玉県所沢市で、鹿児島県内はオンライン中心の伴走になります。記録・書類・LINE・AI活用の業務改善は画面共有で完結する内容が多く、奄美・熊毛をはじめとする離島でも本土と同じ条件でお受けできます。現地対応が必要な場合は日程を調整してうかがいます。
募集が出る前に、申請できる状態をつくりませんか
鹿児島県は今年度まだ募集前です。研修要件・業務の実測・機器の試用という3つの準備を、御施設の業務に合わせて無料で整理してお返しします。離島の事業所もオンラインで同条件です。
▶ 公式LINEで無料相談・資料を受け取るLINEをお使いでない場合は メールでのお問い合わせでも承ります
