437法人880事業所がエントリー――令和8年度の大阪府補助金の現在地(9月11日時点)
大阪府の令和8年度の制度名は「令和8年度大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金」です(令和6年度までの旧称は介護ロボット導入支援・ICT導入支援。国の制度改称に合わせて現名称になっています)。府の事業ページによると、今年度はWeb事前エントリー制がとられ、エントリー期間は令和8年5月25日17時から7月13日17時まで。結果として437法人880事業所がエントリーし、補助総額約13.7億円(1,373,248千円)の予算を超過しました(出典:大阪府「令和8年度大阪府介護テクノロジー導入支援事業補助金」、2026年8月24日確認・9月11日再確認)。
ただし、エントリーした全員が抽選にかけられたわけではありません。府の選定結果の説明によると、選定は交付要綱に定めた優先順で行われました。まず府の働きやすい職場づくり伴走支援プログラム(全5回の対面研修)の受講事業所、次にはじめての介護ソフト導入セミナーを受講して介護ソフトを新たに入れる事業所、その次に介護テクノロジーが未導入の事業所(選定要件ア)の順です。ここまでで予算の範囲内に収まったため、要件アの事業所は抽選をせずに全て交付申請の対象になりました。
つまり大阪では、この補助金は先着でも全件採択でもなく、エントリーした事業所を優先順で選び、予算を超える区分だけ抽選にかける設計です。エントリー済みの事業所の交付申請期限は要件区分ごとに分かれています。
| 区分 | 交付申請の提出期限(当日消印有効) |
|---|---|
| 働きやすい職場環境づくり伴走支援プログラムの修了見込者 | 令和8年8月5日(水) |
| はじめての介護ソフト導入セミナーの受講者 | 令和8年8月17日(月) |
| その他の選定要件適合者 | 令和8年9月4日(金) |
提出は郵送と大阪府行政オンラインシステムによるデータ送信の両方が必要です。3つの期限はいずれも過ぎており、提出済みの事業所は府の審査と交付決定(10月以降順次の予定)を待つ段階です。交付申請の対象になった後も、審査で補助対象外の経費が含まれていたり要件を満たしていなかったりすると補助金額が減ることがあると府は案内しているので、委員会設置(施設系)やケアプランデータ連携(居宅系)の要件は実績報告まで気を抜かないでください。エントリーしていない事業所は、今年度の申請はできません。悔しいところですが、次の章の早見表と、その次の来年度対策から読むのが最短です。
補助の中身早見表――4/5補助・機器100万円・ソフト250万円・パッケージ1,000万円
金額の骨格は次のとおりです。数値はすべて府の事業リーフレット(令和8年7月3日時点)と交付要綱で確認しています(出典:大阪府 事業リーフレット(PDF)・交付要綱(令和8年8月14日の府ページ更新で掲載の改正後版・PDF)、いずれも2026年8月24日確認)。
| 項目 | 内容 | 上限額 |
|---|---|---|
| 補助率 | 導入費の4/5 | ― |
| 介護テクノロジー機器 | TAISで「介護テクノロジー」に選定された機器等。Wi-Fi整備・スマホ・タブレット等の付帯経費も対象 | 1台30万円 (移乗支援・入浴支援・インカムは1台100万円) |
| 介護ソフト | 記録・情報共有・請求が一気通貫のもの。居宅系はケアプランデータ連携標準仕様への準拠、施設系はLIFEのCSV連携仕様への準拠が条件 | 最大250万円 (付帯整備で15万円上乗せ) |
| バックオフィスソフト | 介護ソフトと同様の扱い(付帯経費は対象外) | 最大250万円 |
| パッケージ型導入 | 介護業務支援の機器と、連動で効果が高まる機器・ソフトの組み合わせ(例:介護ソフト+インカム) | 合計1,000万円 |
| 業務改善支援 | 生産性向上の知識・経験を持つ第三者から業務改善支援を受ける費用 | 48万円 |
対象者は介護保険法に基づくサービスを提供する大阪府内の事業所と、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームです。主な補助要件は、令和8年度介護テクノロジー活用支援セミナー(令和8年5月21日開催・アーカイブ視聴可)の受講と、居宅系のケアプランデータ連携実績です。
来年度に向けた優先枠のつくり方(伴走支援プログラム・ソフト導入セミナー)
今年度の選定と交付申請期限の構造を裏返すと、来年度の勝ち筋が見えます。府はエントリーが予算超過した場合の優先順位を明示しており、介護テクノロジー未導入の事業所や、見守り機器・介護ソフト・インカムを導入する事業所を優先して選ぶ仕組みです。さらに交付申請の期限区分から分かるとおり、次の2つを済ませた事業所は別枠として扱われています。
- 働きやすい職場環境づくり伴走支援プログラム(全5回の対面研修)の修了
- 介護現場におけるはじめての介護ソフト導入セミナーの受講(介護ソフト未導入の事業所向け)
つまり大阪で来年度に確実性を上げたいなら、公募が始まってから動くのではなく、年度前半に府のプログラム・セミナーへ参加して優先要件を先に満たし、導入したい機器のTAIS掲載区分と見積りを揃えてエントリー初日に出す、という段取りになります。エントリー期間は今年度実績で5月下旬開始でした。年明けから準備を始めれば十分間に合います。
今年度の交付申請の駆け込みも、来年度に向けた段取りづくりも、無料で一緒に整理します。
▶ LINEで無料相談要介護認定率23.1%は全国で最も高い――大阪の現場の前提条件
大阪府高齢者計画2024(大阪府高齢者福祉計画・介護保険事業支援計画・介護給付適正化計画・大阪府認知症施策推進計画。計画期間は令和6〜8年度)は、大阪の介護がどんな条件で回っているかを数字で示しています(出典:大阪府「大阪府高齢者計画2024」・同計画 概要版(PDF)、2026年8月24日確認)。
- 65歳以上人口に占める要介護認定率は年齢調整後で23.1%(令和3年度)。47都道府県で最も高く、全国平均18.9%を4.2ポイント上回る。特に要支援1が4.2%と全国(2.7%)より高い
- 高齢者の単独世帯割合は2020年で39.3%と、全国の33.1%より高い。2040年には45.4%に達する見込み
- サービス構成は居宅サービスに大きく偏る。受給者ベースで居宅75.2%(全国68.7%)、施設11.7%(全国16.3%)
- 介護人材の需給ギャップは2026(令和8)年に24,294人(需要215,481人に対し供給191,186人)、2030(令和12)年には40,654人へ拡大する推計
- 高齢者向け住まいは、介護保険4施設が698施設・定員約5.7万人に対し、有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の合計が2,166施設・定員約9.3万人(令和5年7月・大阪府調べ)と、民間住まい系が施設系を大きく上回る
まとめると大阪は、認定者が全国一の割合で発生し、独居高齢者が多く、施設ではなく訪問・通所と住まい系サービスで支えている府です。そこに2030年に4万人規模の人材ギャップが来る。この構造は他県とはっきり違います。
訪問介護と住まい系が主役の府だから、記録と連絡のデジタル化が効く
居宅偏重・独居多数という大阪の構造では、職員が現場に散らばり、事業所に戻ってから記録を書き、家族とは電話で連絡を取り合う時間が積み上がります。移乗リフトのような設備投資が効く施設中心の県と違い、大阪で最初に効くのは、スマホでの音声入力とAIによる記録の下書き、LINEでの家族連絡・シフト連絡といった、移動先でも完結する仕組みです。府の補助金でインカム・介護ソフトが優先対象に挙がっているのも同じ発想です。具体的な手順は介護記録をAIで効率化する具体手順と福祉施設のLINE公式アカウント活用で解説しています。
大阪市24.6%から南河内32.0%まで――5つの高齢者福祉圏で違う高齢化
大阪府の推計人口は令和8年7月1日現在で8,758,785人。うち65歳以上は2,362,049人で、割合は27.0%です(出典:大阪府「推計人口(月報)」の市区町村別・年齢(5歳階級)別推計人口から当社集計、2026年8月24日確認)。ただし府平均だけ見ると実態を外します。府の高齢者福祉圏ごとに数字が大きく割れるからです。
| 高齢者福祉圏 | 人口 | 65歳以上 | 高齢化率 |
|---|---|---|---|
| 大阪市地域 | 2,817,627人 | 693,040人 | 24.6% |
| 北大阪地域(豊中・吹田・高槻・枚方・茨木など) | 1,819,334人 | 476,145人 | 26.2% |
| 東大阪地域(東大阪・八尾・寝屋川・守口など) | 1,907,942人 | 544,787人 | 28.6% |
| 南河内地域(富田林・河内長野・松原など) | 563,068人 | 179,902人 | 32.0% |
| 泉州地域(堺・岸和田・泉大津など) | 1,650,814人 | 468,175人 | 28.4% |
※令和8年7月1日現在の推計人口(令和7年国勢調査速報集計ベース)から当社が集計。四捨五入の関係で合計が一致しない場合があります。
大阪市(人口2,817,627人)は若年転入で高齢化率が低く出る一方、堺市(800,311人)、東大阪市(483,822人)、豊中市(404,059人)、吹田市(395,893人)、枚方市(387,100人)、高槻市(344,404人)と、政令市・中核市クラスの大都市が府内に連なり、南河内では高齢化率が32%に達します。同じ大阪府でも、都心の単身高齢者を訪問で支える事業所と、南河内・泉州で送迎距離と人材確保に悩む事業所では、効くデジタル化の一手が違います。この違いを踏まえた市町村別の掘り下げは、今後このページの下に追加していく予定です。
板橋区の特養で実証した進め方を、大阪府の補助要件に当てはめる
当社は東京都板橋区の特別養護老人ホーム(マイライフ徳丸様・社会福祉法人北野会)で、施設の申し送り様式に合わせたオーダーメイドのAI申し送りと、職員がそのまま使えるAI研修を導入してきました。大阪府内の導入実績はまだありません。だからこそ正直に書くと、当社が大阪の事業所にできるのは、この板橋区で実証した進め方を、大阪府の補助要件と貴事業所の様式に当てはめて一緒に回すことです。
相性が良いのは、大阪府の補助設計に業務改善支援(上限48万円)とパッケージ型導入(上限1,000万円)が含まれている点です。機器選定の前に業務の流れを棚卸しし、介護ソフト・インカム・記録AIをどの順で入れるかを決め、導入後にケアプランデータ連携や委員会運用まで定着させる。この一連の伴走は、府の要件がそのまま求めている中身です。進め方の全体像は福祉スタッフのためのAI活用ロードマップを、障害福祉分野(放課後等デイ・生活介護など)の書類側は個別支援計画づくりとAI活用をご覧ください。
個人情報は記号化・下書き・最終判断は人
AI活用の不安のほとんどは個人情報です。氏名や事業所名はそのまま入力せず記号化する、AIの出力は職員が直す前提の下書きとして扱う、最終判断は必ず人が行う。この3原則と、入力を学習に使わない法人向け設定の選び方まで含めて、導入時に運用ルールとして整えます。
費用の目安(当社の料金も開示)
補助金を使う場合も使わない場合も、かかる費用の目安を先に開示します。
| 領域 | 始め方 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 記録AI・音声入力 | 汎用AI+スマホ音声入力から。補助金の採択を待たずに開始できる | 月 数千円〜 |
| LINE公式アカウント構築・運用代行 | 家族連絡・見学予約・求人導線の仕組み化 | 初期 0〜10万円 月 9,800〜39,800円 |
| AI伴走顧問 | GUIDE 月5.5万円/BUILD 月10万円/PARTNER 月20万円。補助申請の段取り整理から定着まで | 月 5.5万円〜 |
| 1Dayワークショップ | 貴事業所の実業務で実演し、専用プランを納品(顧問初月に全額充当) | 49,800円 |
初回相談は無料です。大阪府内はオンライン対応(Zoom・LINE)を基本とし、必要に応じて訪問をご相談いただけます。補助金の交付決定を代行する行政書士業務ではなく、要件を満たす業務改善と定着を支援する立場です。
よくある質問(大阪府版)
- エントリーしたのに選定結果に載っていません。どういうことですか?
- 府のページでは、選定要件イ・ウ・エに当たる事業所は現時点で交付申請の対象外のため、選定結果一覧に載っていないと説明されています。選定要件イ(自己負担等ですでに導入している、または令和3年度以前に府の補助で導入している事業所)については、9月以降に抽選を実施する見込みです(2026年9月11日確認)。
- 令和8年度の大阪府の補助金は、今からでも申請できますか?
- 事前エントリーは令和8年7月13日17時で締め切られており、エントリーしていない事業所は今年度の申請はできません。エントリー済みの事業所は、区分に応じて8月5日・8月17日・9月4日(当日消印有効)が交付申請期限です。郵送と大阪府行政オンラインシステムの両方での提出が必要な点に注意してください。
- 抽選に外れました。来年度まで何もできませんか?
- できることが2つあります。1つは府の優先要件(伴走支援プログラム修了・介護ソフト導入セミナー受講)を来年度の公募前に満たしておくこと。もう1つは、補助対象外の低コスト施策(汎用AIでの記録下書き・LINEでの家族連絡)を先に始め、来年度の申請時に自事業所の実測効果を添えられる状態にしておくことです。
- ケアプランデータ連携の実績が要件と聞きました。何をすればいいですか?
- 居宅介護支援・居宅サービス(介護予防含む)は、令和8年度中にケアプランデータ連携システムでデータ連携の実績があることが補助要件です。導入する介護ソフトがケアプランデータ連携標準仕様のCSV出力・取込に対応しているかを、契約前に必ず確認してください。
- 大阪市や堺市など、市独自の補助はありますか?
- この記事は大阪府の制度を扱っています。市町村独自の上乗せ・別建て事業は年度ごとに変わるため、所在地の市町村の高齢・介護担当課の公表情報を確認してください。市町村別の記事は今後このページから順次リンクします。
- 埼玉の会社に大阪から相談して、意味がありますか?
- 支援の中身(記録AI・LINE・研修・業務改善)はオンラインで完結する設計です。板橋区の特養での導入実績をもとに、貴事業所の様式・運用に合わせて組み立てます。まず無料相談で、補助金ありき・なしの両パターンの進め方を整理してお返しします。
大阪府の補助金は抽選制になり、採択を前提にした投資計画は組みにくくなりました。稟議は「採択された場合」「外れた場合」の2本立てで書くのが実務的です。外れた場合でも、月数千円の記録AIとLINE連絡だけで人材ギャップ(府推計で2030年に40,654人)への備えは始められます。当社のAI活用診断は0円で、貴事業所の現状と最初の一手を1枚に整理してお返しします。診断だけ受け取っていただいて構いません。
大阪府の補助金の段取りも、補助金なしの一歩目も、一緒に整理しませんか
交付申請の駆け込み・来年度の優先枠づくり・記録AIの小さな試行。どれから始めるかを無料で整理します。
▶ 公式LINEで無料相談・資料を受け取るLINEをお使いでない場合は メールでのお問い合わせでも承ります
