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KYOTO・京都府の補助金と福祉AI

京都府の介護テクノロジー等定着支援事業補助金と福祉AI導入ガイド
― 入口は認証制度、勝負は法人単位の事前協議 ―

エリア:京都府最終更新:2026-08-23著者:合同会社サン 代表 菅野 竜輔

京都府の補助金には、他県の要領を読み慣れた人ほど見落とす一文があります。補助対象者は、きょうと福祉人材育成認証制度に参画(宣言事業者以上)した事業所。つまり京都府では、機器の見積を取る前に、人材育成の制度に手を挙げていなければ土俵に上がれません。令和8年度の介護テクノロジー等定着支援事業補助金は補助率5分の4、パッケージ型なら1事業所1,000万円、外部コンサルによる業務改善支援も48万円まで補助対象で、事前協議は法人単位、令和8年6月30日から8月7日の受付はすでに閉じました。一方で府の高齢者人口は735,812人・高齢化率29.5%(令和4年度)にとどまらず、丹後・中丹の北部では85歳以上人口が2035年に約2倍に達する圏域も予測されています。府が介護・福祉人材7,500人(うち北部1,050人)の確保を3年間の目標に掲げる京都府で、来年の事前協議を通すための段取りを、府の一次情報だけで整理します。

京都府の介護テクノロジー等定着支援事業補助金と福祉AI導入ガイド の要点をまとめた図(合同会社サン 福祉DX お役立ちブログ)

補助率5分の4・パッケージ型1,000万円――京都府の3メニューと基準額

京都府の令和8年度介護テクノロジー等定着支援事業補助金は、3つの事業で構成されています。数字はすべて府公式ページと手引きで確認したものです(京都府「令和8年度京都府介護テクノロジー等定着支援事業補助金」および同ページ掲載の補助金の手引き(PDF)・2026年8月23日参照)。

事業内容限度額
①介護テクノロジー等導入支援TAIS選定機器等の導入+介護ソフトの定着促進支援機器区分ごと(下表)
②パッケージ型導入支援複数機種を連動させる導入(介護ソフト+インカム等)1,000万円/事業所
③導入と一体的に行う業務改善支援コンサルティング会社等による事前評価・助言・事後評価48万円/事業所

補助率はいずれも5分の4。①の限度額は機器の区分で細かく分かれており、ここを読み違えると所要額調書が崩れます。

区分限度額
見守り・コミュニケーション機器、排泄支援、移動支援、機能訓練支援、認知症ケア支援、食事・栄養管理支援など1台 30万円
移乗支援機器(装着・非装着)、入浴支援機器、インカム、その他知事が認める機器1台 100万円
介護ソフト・バックオフィスソフト(職員数連動の契約)職員10名以下100万円/20名以下150万円/30名以下200万円/31名以上250万円
介護ソフト等(職員数で金額が変動しない契約)一律 250万円基準

介護ソフトの導入に定着促進支援(ベンダーのサポート費用等)を組み合わせると基準額に15万円、居宅系事業所が令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上とデータ連携する場合はさらに5万円を加算できます。付帯するPC・タブレット・Wi-Fi整備費も対象経費に計上可能。出典:上記手引き(2026年8月23日参照)。

京都府の設計で特筆すべきは③です。生産性向上ガイドラインに基づく外部支援、つまりコンサルティング会社等との個別契約による事前評価(課題抽出)・業務改善の助言指導・導入後の定着支援までを、機器とは別枠の48万円で補助対象にしています。機器代は出すが使いこなしは自前で、という建て付けの県が多いなかで、京都府は定着させるための伴走費用まで公費で見る側に踏み込んでいます。事業名に定着支援と入っているのは飾りではありません。

きょうと福祉人材育成認証制度が入口――京都府だけの参画条件と5つの申請要件

手引きの補助対象者の欄には、きょうと福祉人材育成認証制度に参画(宣言事業者以上)し、京都府内の介護サービス事業所または養護老人ホーム・軽費老人ホームであること、とあります。この認証制度は、若者の働きがいと働きやすさに配慮した人材育成や定着支援に取り組む事業所を府が認証する京都府独自の仕組みで、府の第10次高齢者健康福祉計画でも人材確保策の柱に位置づけられています(第10次京都府高齢者健康福祉計画 第12章・2026年8月23日参照)。認証の取得までは要りません。宣言事業者として名乗りを上げていれば入口は通れます。ただし宣言は申請書を書き始めてから思い出す類のものではないので、来年度を狙う法人はここを最初のタスクにすべきです。

そのうえで申請要件が5つ積まれています。

並べてみると、京都府の要件は機器を買う準備ではなく、組織として生産性向上に取り組んでいる証拠を先に揃えろという構成です。人材育成の宣言、セミナー、LIFE、セキュリティ、委員会、データ連携。当社が京都府の法人に伴走するなら、まずこの6点(認証制度への参画を含む)をチェックリスト化し、埋まっていない項目から逆順に日付を入れていきます。導入計画書の作成そのものは、府が京都府介護・福祉職場業務改善支援センター(電話075-253-0201)を相談窓口として用意しています。

初めての法人が優先――法人単位の事前協議と3年間の効果報告

令和8年度の事前協議の提出期間は令和8年6月30日から8月7日17時必着で、この記事の公開時点(2026年8月23日)ではすでに閉じています。提出は事前協議書・導入計画書・所要額調書・見積書の写し・機器のカタログをメールまたは郵送・持参で地域福祉推進課へ。内示前に発注・契約した機器は対象外という事前協議制の原則も明記されています。

京都府の採択ルールには、来年の戦い方を決める2つの優先順位が書かれています。第一に、要件を満たす申請が予算額を超えた場合、過去に京都府の介護テクノロジー等定着支援事業・介護ロボット等導入支援事業補助金・地域密着型サービス等整備等助成事業の交付を受けたことのない法人・事業所を優先して採択する。第二に、見守り機器・インカム・介護ソフトを導入する法人・事業所を優先する。つまり京都府では、これまで補助金と縁のなかった中小法人が、見守り・インカム・記録ソフトの組み合わせで初挑戦するケースがいちばん通りやすい設計になっています。逆に過去に採択された法人は、優先順位で後ろに回る前提で、加算や機器構成の精度で勝負することになります。

もうひとつ、京都府は出口が長い制度です。事前協議は法人単位(交付申請・実績報告も同様)、導入効果報告は令和9年4月9日まで、さらに完了後3年度間のフォローアップ報告が義務づけられ、内容は厚生労働省への報告・公開の対象になります。1年目に使われなくなった機器の効果報告を3年間書き続けるのは苦行です。買って終わりが構造的に許されない県だと理解して、申請前から定着の設計を持っておく必要があります。

京都府の御施設が認証制度・LIFE・セミナーの要件をどこまで満たせているか、来年の事前協議に間に合う段取りを無料相談で一緒に整理します。

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京都・乙訓に約6割、北部で85歳以上が2倍へ――6圏域のデータ

京都府の総人口は約252万1千人(2024年10月1日時点。京都府「統計で見る京都府の人口・世帯」・2026年8月23日参照)。高齢者人口は735,812人、高齢化率は29.5%です(令和4年度の市町村報告値。第10次京都府高齢者健康福祉計画 第2章・2026年8月23日参照)。

府は圏域を丹後・中丹・南丹・京都・乙訓・山城北・山城南の6つで区切っており、計画の圏域別人口を見ると、政令指定都市の京都市を含む京都・乙訓圏域に府人口の約6割が集中しています。一方で構図は南北で割れています。計画第2章は、宇治市や城陽市を含む山城北、木津川市や精華町を含む山城南の高齢化率は低く、京丹後市・宮津市の丹後、舞鶴市・福知山市の中丹、亀岡市・南丹市の南丹は高いと整理し、要介護認定者数は2019年以降、山城北・山城南圏域で増加が続いていると指摘しています。つまり南部は認定者の絶対数の増加、北部は担い手の枯渇という、性質の違う2つの課題が同じ制度の上に載っています。

先行きはさらにはっきりしています。計画によれば、京都府全体の85歳以上人口は2035(令和17)年に2023(令和5)年の約1.5倍に達し、圏域別には約2倍に達する圏域もあると予測されています。これを受けて府は、令和6〜8年度の3年間で介護・福祉人材7,500人、うち高齢化率の高い北部地域で1,050人の確保を目標に掲げました。前期(令和3〜4年度)の2年間の確保実績は5,360人、うち北部は718人です(同計画第12章)。目標と実績の間にある溝、特に北部の細さを見れば、京丹後市や舞鶴市の事業所にとって、採用で埋める戦略だけでは足りず、今いる職員の業務を機器とAIで軽くする方向に公費がついている意味がわかります。

京都市の稠密と丹後の距離、同じ補助金をどう使い分けるか

京都市内の事業所は、施設が密集し職員の中途採用市場も競争的です。ここでは記録ソフト+インカム+見守りのパッケージ型で夜勤帯の配置効率を上げる使い方が合理的です。対して丹後・中丹は、事業所間の距離が長く、冬の積雪期は移動そのものが業務コストになります。訪問系ならケアプランデータ連携システムの5事業所以上連携で5万円の加算が取れる設計は、紙をファクスで回す往復を削る動機づけとしてそのまま効きます。府の相談窓口も導入計画書の支援センターも京都市内にありますが、事前協議はメール提出が認められているので、宮津市の法人が府庁まで通う必要はありません。当社の伴走も同じで、京丹後市でも木津川市でもオンラインで同じ密度になります。

来年6月末の事前協議開始から逆算した10か月

令和8年度の実績(事前協議6月30日〜8月7日)から、京都府の年間リズムは6月末開始・8月上旬締切と読めます。来年度も同じ骨格なら、逆算はこうなります。

  1. いま〜今年11月:きょうと福祉人材育成認証制度の宣言事業者になる。補助対象者の入口条件なので、ここが空欄のままでは何も始まらない
  2. 今年度内:LIFEへの協力とセキュリティ対策自己宣言を済ませる。導入後に協力予定でも要件は満たせるが、実際に運用に載せておくほうが計画書に書ける中身が増える
  3. 来年1〜3月:削る業務を決め、見守り・インカム・介護ソフトを軸に機器構成を仮組みする。京都府はこの3点を導入する法人を優先採択すると明記している
  4. 来年4〜5月:見積取得と導入計画書の下書き。作成相談は京都府介護・福祉職場業務改善支援センター(075-253-0201)へ。外部コンサルを使うなら③の48万円枠に載せる前提で契約範囲を設計する
  5. 来年6月末:事前協議の開始と同時に提出。法人単位なので複数事業所分をまとめる法人は社内の締切をさらに前に置く

忘れてはいけないのは優先採択の裏面です。一度採択されると翌年以降は優先順位が下がるため、初回の申請で単品を小さく取るより、パッケージ型で事業所の業務全体を一度に組み替えるほうが、京都府では合理的な選択になりやすいのです。

板橋区の特養での進め方を、京都府の現場に当てはめる

正直に書くと、当社に京都府内の導入実績はまだありません。当社の実績は東京都板橋区の特別養護老人ホームで、施設の既存の申し送り様式を変えずにAIが下書きを埋める仕組みと、職員向けのAI研修を入れたものです(特養マイライフ徳丸様の導入事例)。この経験から言えるのは、機器やソフトの選定より、導入後3か月の定着期に誰が現場に張り付くかで結果が決まるという一点です。

京都府の制度は、この考え方と噛み合いがよいと見ています。理由は③業務改善支援事業の存在です。事前評価から導入後の定着支援までの外部伴走を48万円まで補助対象とし、しかも完了後3年度間の効果報告を義務づける。当社が板橋区で踏んだ、現場の様式に合わせて作り込み、職員が安心するまで並走し、数字で効果を確かめるという手順は、京都府ではそのまま補助スキームの中に位置づけられます。府の補助で機器とソフトを整備し、その上で走る記録・申し送りの型づくりと効果測定を当社が受け持つ、という分担です。導入の全体像は福祉スタッフのためのAI活用ロードマップ 5ステップに、記録業務の削り方は介護記録をAIで効率化する具体手順に、障害福祉の事業所なら個別支援計画のAI活用にまとめています。隣府県の制度は滋賀県の介護テクノロジー補助金と福祉AI導入、福井県の介護テクノロジー補助金と福祉AI導入で解説しています。

利用者情報を守る3つの運用ルール

氏名や事業所名は記号に置き換えてから入力する。AIの出力は必ず職員が直す前提の下書きとして扱う。ケアの最終判断は人が行う。当社が自社運営の施設で守っているこの3点は、京都府の申請要件にあるセキュリティ対策自己宣言の社内ルールにそのまま組み込めます。

費用の目安(当社の料金も開示)

領域始め方費用の目安
記録AI・音声入力の試行汎用AI・既存ツールで小さく開始月 数千円〜
LINE公式アカウント構築・運用家族連絡・見学予約の自動化初期 0〜10万円/月 9,800〜39,800円
AI伴走(顧問)認証制度・LIFE等の要件整備、導入計画書の作成支援、定着まで月2回〜の伴走月 10万円〜

初回相談は無料です。京都府の③業務改善支援事業(48万円枠)の対象になり得る部分とならない部分を分けてお見積りします。LINEの活用範囲は福祉施設のLINE公式アカウント活用と費用のめやすをご覧ください。

よくある質問(京都府版)

令和8年度分はもう申請できませんか?
事前協議の受付は令和8年6月30日から8月7日17時必着で終了しています。京都府は事前協議制で、内示前に発注・契約した機器は補助対象になりません。予算残による追加募集の有無は地域福祉推進課(075-414-4678)に確認できますが、基本は来年度に向けて認証制度の宣言とセミナー受講から積み上げるのが確実です。
きょうと福祉人材育成認証制度は認証まで取らないとだめですか?
令和8年度の手引きが求めているのは参画(宣言事業者以上)です。認証事業者・上位認証まで進んでいなくても入口は通れます。ただし宣言には人材育成に取り組む姿勢の表明が伴うため、書類上の形式だけで済ませず、実際の育成計画とセットで整えることを勧めます。
過去に京都府の介護ロボット補助金をもらった法人は不利になりますか?
予算超過時の採択では、過去に府の介護テクノロジー等定着支援事業・介護ロボット等導入支援事業補助金・地域密着型サービス等整備等助成事業の交付実績がない法人が優先される、と手引きに明記されています。実績のある法人が出せないわけではありませんが、優先順位で後ろに回る前提で、見守り・インカム・介護ソフトという優先3点への該当や加算要件の充足で計画の説得力を高める必要があります。
京都府での導入実績はありますか?
まだありません。実績は東京都板橋区内の特養でのAI申し送り導入で、その進め方を京都府の制度と御施設の実情に当てはめてご提案します。事実と異なる実績は書かない方針です。

来年6月末の事前協議を、要件が揃った状態で迎える

認証制度の宣言からLIFE・セキュリティ・機器構成・導入計画書の筋立て、導入後3年の効果報告まで、無料相談で段取りに落としてお返しします。

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合同会社サン / 福祉 × AI・DX / 京都府・全国オンライン対応
菅
菅野 竜輔(かんの りゅうすけ)/ 合同会社サン 代表社員
介護実務5年・特養や有料老人ホームの立ち上げ・施設長・ケアマネジャーを経て、自社でも福祉施設を運営。板橋区内の特別養護老人ホームでのAI申し送り導入実績をもとに、京都府を含む全国の事業所にオンラインで伴走します。記事作成にAIを利用し、公開前に人が一次情報の確認と加筆を行っています。
埼玉県所沢市狭山ヶ丘 / 公式LINE・[email protected]