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秋田県の介護テクノロジー補助金と福祉AI導入ガイド
― 補助率5分の4・上限400万円をどう使い切るか ―

エリア:秋田県最終更新:2026-08-23著者:合同会社サン 代表 菅野 竜輔

秋田県の65歳以上人口の割合は、2025年10月1日現在の県の推計で40.1%。県の年齢別人口流動調査が始まって以来、初めて4割を超えました。総人口は878,798人まで減り、44年連続の減少です。介護・障害福祉の担い手がこれ以上増えない前提で現場を回すために、秋田県は介護テクノロジー活用支援事業費補助金という強い制度を用意しています。令和8年度は補助率5分の4・1事業者あたり上限400万円。この記事は、その要件・締切・申請の時系列と、補助金を「機器を買って終わり」にせず現場に定着させる進め方を、県の一次情報にリンクを付けて整理したものです。

秋田県の介護テクノロジー補助金と福祉AI導入ガイド の要点をまとめた図(合同会社サン 福祉DX お役立ちブログ)

秋田県の福祉の現在地を数字で(人口・高齢化率)

制度の話に入る前に、なぜ秋田県が全国でも手厚い水準の補助制度を組んでいるのかを、県の統計で押さえておきます。数字はすべて秋田県の公表資料から取ったもので、出典を各行に付けています(参照日:2026-08-23)。

項目数値時点・出典
総人口878,798人(前年比 −17,427人、減少率1.94%)2025年10月1日現在推計。秋田県年齢別人口流動調査報告書(2025年)
65歳以上人口352,056人(総人口の40.1%。調査開始後初めて40%超)
15〜64歳人口451,264人(51.4%。前年比 −11,294人)
高齢化率の県内差上小阿仁村58.4%・藤里町54.0%・男鹿市51.8%/秋田市32.6%令和5年7月1日現在。秋田県長寿社会課 市町村別高齢者数・高齢化率

県人口は2024年に90万人を割り、人口減少率は2021年から5年連続で過去最高を更新しています。支え手である15〜64歳は毎年1万人規模で減る一方、上小阿仁村や藤里町のように住民の半数以上が65歳以上という町村と、32.6%の秋田市とでは、同じ県内でも現場の条件がまるで違います。「人を増やして解決する」選択肢が事実上ない県だからこそ、記録・申し送り・見守りといった毎日の固定作業をテクノロジーに載せ替える投資に、県が5分の4を出す。これが秋田県の補助制度の背景です。

この構図は、県の介護・高齢者施策の土台である秋田県第9期介護保険事業支援計画・第10期老人福祉計画(令和6〜8年度)に沿ったものです。なお認知症施策は、令和8年3月に「秋田県認知症施策推進計画」として独立した計画に切り出され、重点化されています。

秋田県介護テクノロジー活用支援事業費補助金(令和8年度)の要点

秋田県の介護事業者がまず見るべき制度がこれです。国の「介護テクノロジー導入支援事業」の秋田県版にあたり、県によって名称・要件・締切が異なります。以下は秋田県公式ページ(長寿社会課)で確認した令和8年度の内容です(参照日:2026-08-23)。

項目令和8年度の内容
正式名称秋田県介護テクノロジー活用支援事業費補助金
補助率・上限補助率 5分の4 / 1事業者あたり上限400万円(1法人5事業所まで)
対象県内で介護保険法に基づく介護サービス事業所を運営する事業者、養護老人ホーム・軽費老人ホームの運営事業者
対象事業介護テクノロジー・ICT機器の導入、パッケージ型導入、業務改善支援と連携した導入
事業計画書の提出令和8年6月22日9時 〜 7月24日17時(秋田県電子申請・届出サービス)
事業完了・実績報告完了期限 令和9年1月29日(予定)/実績報告 令和9年2月5日または完了後30日以内
問い合わせ秋田県健康福祉部 長寿社会課(TEL 018-860-1364)

補助率5分の4は、自己負担が2割で済むということです。たとえば見守りセンサーと記録ソフトを合わせて100万円分導入するなら、持ち出しは20万円。ここまで条件のよい制度は毎年同じ形で続く保証がないため、「いつか」ではなく年度の募集期間に合わせて準備するのが正解です。令和8年度の受付は7月24日で締め切られているので、これから動く事業所は次年度募集に向けて、後述の事前要件(セミナー受講・サポートセンター相談)を今のうちに済ませておくと、募集開始と同時に出せます。

自分の事業所が対象かチェックする

令和8年度の申請要件は、機器を選ぶ前に整えておくものが多いのが特徴です。次の5点を上から順に確認してください。

  1. 県主催セミナーに参加したか(またはオンデマンド動画を視聴したか。令和8年度はアーカイブ申込が7月10日17時締切でした)
  2. あきた介護業務「カイゼン」サポートセンターに相談したか(申請要件。無料・Zoom可)
  3. IPAの SECURITY ACTION を一つ星以上で宣言したか(自己宣言制度。費用はかかりません)
  4. 特定サービスの場合、生産性向上の委員会を設置したか
  5. 特定サービスの場合、ケアプランデータ連携システムの利用を開始したか
ポイント:この要件構成は「機器を買うだけの事業所には出さない。業務改善とセットでやる事業所に出す」という県の設計思想です。裏を返せば、業務の棚卸しと改善計画を伴走者と一緒に作れる事業所ほど、採択後の定着までうまくいきます。当社が手伝うのはまさにこの部分です。

セミナー受講から実績報告までの時系列

令和8年度の実際の日付で、動きを時系列に並べます。次年度も概ね同じ季節感で進むと見て、逆算の目安にしてください(日付は毎年変わります。必ず県の公式ページで最新を確認してください)。

時期(令和8年度の実績)やること
春〜6月県主催セミナー参加・サポートセンター相談・SECURITY ACTION宣言・導入機器と業務改善計画の確定
6月22日〜7月24日事業計画書を電子申請で提出(この1ヶ月が勝負。書類はここまでに完成させておく)
採択後〜1月29日発注・導入・職員研修・運用開始(事業完了期限。冬の繁忙期と重なるため前倒しが安全)
2月5日まで実績報告の提出(または事業完了後30日以内)

つまずきやすいのは採択後です。導入完了期限の1月末は、秋田県では除雪と感染症対応で現場が最も忙しい時期に重なります。機器の選定と職員への説明を秋のうちに終えておかないと、「補助金は取れたが現場が使っていない」状態で実績報告を迎えることになります。

「うちは要件を満たせるか」「何を導入すれば効くか」を、無料で一緒に整理します。

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あきた介護業務「カイゼン」サポートセンターの使い方

秋田県には、介護事業所の生産性向上をワンストップで支援するあきた介護業務「カイゼン」サポートセンターがあります(2024年8月開設。介護労働安定センター秋田支部内・秋田市御所野)。業務効率化・職場環境改善・ICT機器や介護ロボットの導入について無料で相談でき、Zoomでのオンライン相談、機器の無料お試し貸出、セミナーや施設見学会も行っています。

前述のとおり、ここへの相談は補助金の申請要件に組み込まれています。順番としては、センターで機器の情報収集と貸出試用をして、補助金で本導入し、導入後の定着・運用設計を伴走者と回す、という三段構えが秋田県ではきれいに組めます。公的な無料窓口と民間の伴走支援は競合ではなく、役割が違います。センターは「何を入れるか」まで、当社のような伴走者は「入れたものが現場で回り続けるか」からが持ち場です。

8つの圏域と豪雪・広域分散という秋田の条件

秋田県の高齢者福祉は、大館・鹿角、北秋田、能代・山本、秋田周辺、由利本荘、大仙・仙北、横手、湯沢・雄勝の8圏域で捉えられています(県の高齢者数・高齢化率資料の圏域区分による)。秋田市に人口の3分の1が集まる一方、県土は広く、訪問系サービスは移動距離が長くなりがちです。そこに冬の積雪が加わると、送迎・訪問・家族の面会・職員研修の集合開催、すべての移動コストが跳ね上がります。

この条件は、実はテクノロジー導入の費用対効果を押し上げる方向に働きます。たとえば申し送りや記録をAIで下書き化すれば、事業所に戻ってから書く時間が減り、移動の長い訪問系ほど効果が出ます。家族への連絡をLINE公式アカウントに載せれば、面会に来づらい遠方・冬季でも様子を届けられます。研修をオンデマンド化すれば、横手市や大館市の事業所が秋田市の会場まで往復する必要がなくなります。雪と距離という秋田の不利な条件は、裏返せば「移動を減らす投資が最も効く県」だということです。

将来的には秋田市・横手市・大仙市・由利本荘市・大館市・能代市・湯沢市など市単位の現場運用の記事も追加していく予定です。市町村レベルの「現場でどう回すか」は県ページとは別の論点なので、分けて扱います。

障害福祉分野の事業所は(第7期秋田県障害福祉計画)

障害福祉サービス・障害児支援の事業所(生活介護、就労支援、放課後等デイサービス、児童発達支援など)の制度面の土台は、第2次秋田県障害者計画(令和3〜8年度)と、第7期秋田県障害福祉計画・第3期秋田県障害児福祉計画(令和6〜8年度・令和6年3月策定)です。個別支援計画・モニタリング・支援記録といった書類業務の重さは介護分野と共通で、AIによる下書き化の効果もそのまま通用します。個別支援計画の具体的な書き方支援は個別支援計画をAIで下書きする方法で詳しく解説しています。

障害福祉分野のテクノロジー導入補助は、介護分野と所管・メニューが分かれていることが多いため、事業種別ごとに県障害福祉課の情報を確認する必要があります。自事業所がどのメニューに乗れるかの整理からで構いませんので、お問い合わせください。

板橋区の特養で実証した進め方を、秋田県の制度に当てはめる

正直にお伝えすると、当社にはまだ秋田県内での導入実績はありません。実績があるのは東京都板橋区の特別養護老人ホーム「マイライフ徳丸」様(社会福祉法人北野会)で、現場の申し送り様式に合わせたオーダーメイドのAI申し送りと、職員がそのまま使えるAI研修を導入いただきました(詳細はマイライフ徳丸様の導入事例)。

そこで得た教訓は「ツールではなく、その施設の様式と運用ルールに合わせて作ると定着する」というもので、これは秋田県の補助制度の設計思想(機器の導入を業務改善とセットにする)とそのまま噛み合います。秋田県の事業所に対しては、板橋区で実証した進め方を、カイゼンサポートセンターへの相談・県のセミナー受講・補助金の事業計画書という秋田県の手順に沿って当てはめる形で、オンライン中心に伴走します。冬季でも止まらないのがオンラインの利点です。

AIに個人情報を入れても大丈夫? 安全な使い方3原則

福祉でAIを使うときの最大の不安は個人情報です。次の3原則を守れば安全に活用できます。これは私たち自身が現場で守っているルールで、補助金の要件にあるSECURITY ACTION宣言とも地続きの話です。

個人情報の3原則(必ず守る)
  1. 氏名・事業所名などはそのまま入力しない(記号化=A様・B事業所)
  2. AIの文章は支援者が直す前提の「下書き」。本人・家族の意向は本人の言葉のまま残す
  3. 最終判断は必ず人が行う

記録業務への具体的な落とし込みは介護記録をAIで効率化する具体手順を、家族連絡・予約の仕組み化は福祉施設のLINE公式アカウント活用をご覧ください。

費用と当社の関わり方

「いくらかかるか分からない」が最初の壁だと思うので、当社の実際の料金を開示します。機器・ソフト本体の費用は補助金側(5分の4補助)に載せ、当社の伴走は運用定着の部分を担う形が基本です。

領域始め方費用の目安
記録AI・音声入力既存ツール/汎用AIから月 数千円〜
LINE公式アカウント
構築・運用代行
ライト/スタンダード/運用代行初期 0〜10万円
月 9,800〜39,800円
AI伴走(現場版・顧問)補助金の事業計画づくりから定着まで月2回〜の伴走月 10万円〜
1Dayワークショップ御社の業務で実演+専用プラン納品(オンライン可)¥49,800(顧問の初月に全額充当)

初回相談は無料です。秋田県の御施設の場合、次年度の補助金募集から逆算して「今何を済ませておくか」の整理からお手伝いします。

よくある質問

令和8年度の補助金は締め切られていますが、今からできることはありますか?
あります。セミナー受講・カイゼンサポートセンターへの相談・SECURITY ACTION宣言・委員会設置は年度をまたいで準備でき、これらが済んでいれば次年度の募集開始(令和8年度は6月22日開始でした)と同時に事業計画書を出せます。導入したい機器の試用貸出も先に進められます。
秋田市以外の事業所でも対応してもらえますか?
はい。横手市・大仙市・由利本荘市・大館市・能代市・湯沢市など、県内どの圏域でもオンライン中心で伴走します。冬の移動が難しい時期でも止まりません。
カイゼンサポートセンターと民間支援の両方を使う意味はありますか?
あります。センターは無料の情報収集・機器貸出・相談窓口(補助金の申請要件でもあります)、当社は導入後に現場の様式へ合わせ込み、定着するまで回す伴走が持ち場です。順番に使うのがいちばん効率的です。
AIに利用者の個人情報を入力しても大丈夫ですか?
氏名・事業所名は記号化し、AIの出力は下書き、最終判断は人、の3原則を守れば安全に活用できます。詳しくはこの章へ。
どこから相談すればいいですか?
公式LINEからお気軽にどうぞ。御施設の状況をお聞きし、補助金の要件チェックと「最初の一手」を無料で整理してお返しします。

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合同会社サン / 福祉 × AI・DX / 秋田県・全国オンライン対応
菅
菅野 竜輔(かんの りゅうすけ)/ 合同会社サン 代表社員
介護実務5年・特養/有料老人ホームの立ち上げ・施設長・ケアマネジャー・地域包括支援センターを経て、自社でも福祉施設を運営。その当事者の立場から、AI・DX・LINEで記録/書類/連絡/集客の負担を軽くする伴走支援を行っています。板橋区内の特別養護老人ホームでの導入実績あり。秋田県の事業所へはオンライン中心で対応します。
▶ 運営者情報・実績・AI利用方針はこちら / 埼玉県所沢市狭山ヶ丘・全国オンライン対応 / 公式LINE・[email protected]