結論:令和8年度 青森県介護テクノロジー定着支援事業費補助金の早見表
まず結論からです。青森県が公表している令和8年度の概要資料をもとに、要点を1枚の表にまとめました(出典:青森県「令和8年度介護テクノロジー定着支援事業」・同 事業概要PDF、2026年9月11日に再確認)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 令和8年度青森県介護テクノロジー定着支援事業費補助金(旧称:介護ロボット・ICT導入支援) |
| 受付期間 | 令和8年8月7日(金)〜9月11日(金)必着 |
| 補助率 | 導入経費の4/5(80%) |
| 上限額①機器 | 介護テクノロジー機器:1機器あたり30万〜100万円/介護ソフト:1事業所あたり100万〜250万円(定着促進費用の活用で15万円上乗せ・上限265万円) |
| 上限額②パッケージ型 | 介護テクノロジーを組み合わせて導入:1事業所あたり1,000万円(介護ソフト定着促進費用の活用で上限1,015万円) |
| 上限額③業務改善支援 | コンサルティング会社等による業務改善支援:48万円(①②で導入する場合は実施が必須) |
| 対象 | 青森県内の介護保険法に基づく指定介護サービス事業所(訪問介護・居宅介護支援を含む)、養護老人ホーム、軽費老人ホーム |
| 申請窓口 | 青森県社会福祉協議会 あおもり介護生産性向上相談センター(017-777-0012・平日9〜17時)。申請は同センターのホームページで受付、郵送は不可 |
| 令和8年度の新要件 | 居宅系サービスは「ケアプランデータ連携システム」の利用を開始し、データ連携を実施すること |
締切を過ぎたら、何をすればいい?
申請を出した事業所は、交付決定を待ってから導入に進みます。交付決定の時期は、9月11日時点で県ページに示されていないため、相談センターからの連絡を待つのが確実です。
今年度に申請しなかった事業所は、次の募集に向けて要件を先に満たしておく段階です。研修要件は、厚生労働省主催の生産性向上推進フォーラム・ビギナーセミナーのほか、相談センター主催のセミナーでも満たせると概要資料に書かれており、令和8年11月24日にも同センターのセミナーが予定されています(名称は仮)。居宅系の事業所は、新しく要件になったケアプランデータ連携システムの利用開始を先に済ませておくと、次の申請で慌てずに済みます。
過去に県の補助で機器を入れた事業所には別の宿題があります。9月8日から、令和5年度〜7年度に県の補助を受けて介護テクノロジー等を導入した事業所の導入効果報告がWebフォームで始まりました。対象の事業名は県ページの事務連絡で確認できます。47都道府県の補助率を比べたい場合は介護記録ソフトは補助金の対象になるか(47都道府県の補助率一覧)を、締切の考え方は介護テクノロジー導入支援事業の締切は県ごとに違うをご覧ください。
青森県の介護現場が置かれた条件(数字で確認)
補助金を使う前提として、青森県の現場が置かれた条件を県の一次統計で確認しておきます。数字はいずれも県公表資料からの引用です。
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 推計人口(令和7年10月1日) | 1,145,475人 | 県統計分析課「令和7年 青森県の人口」概要(PDF) |
| 人口の減少(前年比) | 19,277人減(1.66%減) | |
| 65歳以上人口と高齢化率 | 408,861人・36.3% | |
| 出生数と死亡数(令和6年10月〜令和7年9月) | 出生4,839人/死亡20,235人 | |
| 75歳以上人口 | 229,230人 | 同上 |
高齢化率36.3%は、国勢調査が始まった大正9年以降で最も高い水準だと県自身が説明しています。1年間の死亡数が出生数の4倍を超えており、介護の担い手になる世代の県外流出も、県の同じ資料で22歳前後の転出が最多と示されています。つまり青森県の介護現場は、利用者が増える局面ではなく、支え手が先に減っていく局面に入っています。
もう1つ、青森県ならではの構造があります。県が公表している資料「青森県の高齢者・介護の現状」(PDF)では、本県の要介護認定率は全国を下回る一方で、要介護3以上の認定率は全国を上回って推移していると分析されています。軽度者が少なく重度者の比率が高いということは、1人あたりの介護量が重く、夜間の見守りや移乗支援など、まさに介護テクノロジーが効く場面が多いということです。同資料には、介護分野の有効求人倍率が3倍近くまで上がり多くの事業所が人手不足を感じている、という注記もあります。
加えて地理の条件です。青森市・弘前市を中心とする津軽側、八戸市・十和田市を中心とする南部側、むつ市を擁する下北半島と、生活圏が分かれて分散しています。冬は日本有数の豪雪地帯で、訪問系サービスは移動そのものが冬季の大きな負担になります。だからこそ、記録や申し送りを移動先や車内でも完結させるICT、夜間巡視を減らす見守り機器の効果が、都市部より大きく出やすい地域です。
県の高齢者福祉の土台となる計画はあおもり高齢者すこやか自立プラン2024(青森県老人福祉計画・青森県介護保険事業支援計画・青森県介護給付適正化計画)で、計画期間は令和6年度から令和8年度までの3年間です。今回の補助金は、この計画期間の最終年度にあたる令和8年度の事業として実施されています。
自分の事業所は対象か(チェックリスト)
県の公表内容をもとに、申請前に確認すべき点をチェックリストにしました。
- 青森県内に所在する、介護保険法に基づく指定介護サービス事業所か(訪問介護・居宅介護支援も対象に含まれます)
- または、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームか
- 導入したい機器がTAIS(福祉用具情報システム)に掲載されているか(未掲載でも、掲載機器と同水準と県が判断した機器は対象になり得ます)
- 介護ソフトを入れる場合、それは介護業務支援に該当するソフトか
- 機器・ソフトの導入と一体で、業務改善支援(コンサルティング会社等または介護生産性向上総合支援センター等による支援)を実施できるか(①②で導入する場合は必須)
- 生産性向上の取組に関する研修(後述のセミナーでも可)を受講できるか
- 業務改善計画の作成と導入効果の報告に対応できるか
- SECURITY ACTIONの一つ星または二つ星を宣言できるか(対象外の事業所は同等の対策)
- LIFE(科学的介護情報システム)を導入しているか、または導入できるか
- 施設系サービスの場合、利用者の安全とサービスの質の確保・職員の負担軽減の方策を検討する委員会を設置できるか
ここで注目してほしいのは、青森県の制度設計が「機器を買って終わり」を明確に排除していることです。業務改善支援の実施が必須要件で、そこに48万円の補助が別枠で付いています。県が求めているのは機器の購入ではなく、業務の組み替えです。
要件を満たせるか不安な点があれば、申請前の整理からお手伝いします。
▶ LINEで無料相談補助メニュー3本の中身(機器・パッケージ・業務改善支援)
① 介護テクノロジー等の導入支援(1機器あたり上限30万〜100万円)
見守りセンサー、移乗支援機器、インカムなど、TAIS掲載の介護テクノロジー機器の導入経費が対象です。機器と一体的に使う情報端末等も対象になる場合があります。介護ソフトは別枠で、1事業所あたり上限100万〜250万円。介護ソフトと一体的に使う情報端末やWi-Fi環境整備等の定着促進費用を活用すると15万円が上乗せされ、上限265万円になります。
② パッケージ型導入支援(1事業所あたり上限1,000万円)
介護業務支援に該当する機器と見守り機器の組み合わせ、介護記録ソフトとインカムの組み合わせなど、複数の介護テクノロジーをまとめて導入する場合のメニューです。上限は1事業所あたり1,000万円(介護ソフト定着促進費用も活用する場合は1,015万円)。夜勤帯の見守りと記録・申し送りを一気に組み替えたい施設は、単品の①よりこちらを軸に設計する方が合理的です。
③ 導入支援と一体的に行う業務改善支援(上限48万円)
コンサルティング会社等による業務改善支援や、介護生産性向上総合支援センター等による業務改善支援の経費が対象です。①または②で介護テクノロジーを導入する場合は、この業務改善支援の実施が必須です。つまり、業務フローの棚卸しから定着までを伴走する外部支援の費用そのものに、4/5の補助が付く設計になっています。
申請要件と流れ(研修・SECURITY ACTION・LIFE)
- 現状の棚卸し:どの業務の負担が重いか(夜間巡視・記録・申し送り・移乗など)を洗い出し、機器・ソフトの候補をTAIS掲載機器から選定
- 研修の受講:介護現場における生産性向上の取組に関する研修を受講。厚生労働省主催の生産性向上推進フォーラムやビギナーセミナー、あおもり介護生産性向上相談センター主催のセミナー(令和8年11月24日にも開催予定と概要資料に記載)でも要件を満たします
- 業務改善計画の作成:導入する機器と業務の組み替え方を計画に落とす。SECURITY ACTIONの宣言、LIFEの導入、施設系は委員会設置もここで整えます
- 申請書類の提出:令和8年9月11日必着で、あおもり介護生産性向上相談センターのホームページから(郵送不可)
- 導入と業務改善支援の実施:交付決定後に導入。①②の場合は業務改善支援を一体的に実施
- 導入効果の報告:削減できた時間や業務の変化を報告
交付要綱・様式・県版Q&Aは県の事業ページからダウンロードできます。要件の細部(対象経費の範囲、別記要件など)は必ず最新の交付要綱で確認してください。
あおもり介護生産性向上相談センターと県の窓口
青森県の特徴は、申請窓口が県庁ではなく、青森県社会福祉協議会に置かれたあおもり介護生産性向上相談センターに一本化されていることです。補助金の申請だけでなく、導入前の相談やセミナーもこのセンターが担っています。
| 窓口 | 役割 | 連絡先 |
|---|---|---|
| あおもり介護生産性向上相談センター(青森県社会福祉協議会内) | 補助金の申請窓口・導入相談・セミナー開催 | 017-777-0012(平日9〜17時) |
| 青森県 高齢福祉保険課 介護事業者グループ | 事業の所管 | 017-734-9297・9299 |
また、人材面では県が福祉・介護人材確保対策事業として、福祉・介護人材参入促進事業、潜在的有資格者等再就業促進事業、福祉・介護人材キャリアパス支援事業の3本を実施しています。テクノロジーで業務を軽くする施策と、人を確保する施策が別立てで走っているので、両方を把握しておくと計画が立てやすくなります。
板橋区の特養で実施した進め方を青森県に当てはめる
私たちは青森県内での導入実績はまだありません。書けるのは、東京・板橋区の特別養護老人ホームで実施したAI導入の進め方を、青森県の制度に当てはめるとどうなるか、までです。その前提でお読みください。
板橋区の特養マイライフ徳丸様では、その施設の申し送り様式に合わせたAIの仕組みを作り、職員だけで回せるようにする研修までを一体で行いました(詳細は特養マイライフ徳丸様の導入事例)。このとき効いたのは、機器やAIの選定より先に、どの業務の何分を削るのかを現場の職員と決めたことです。
青森県の補助金は、まさにこの順番を要件として制度化しています。業務改善計画の作成と、外部による業務改善支援の実施が必須で、その支援費用に48万円の補助枠がある。つまり、板橋区で私たちが手弁当でやった「現場の棚卸しと定着の伴走」を、青森県では補助対象経費としてコンサルティング会社等に依頼できます。要件を満たすための研修受講や計画作成も含め、申請から定着までの伴走が必要でしたら、オンラインでお手伝いできます。伴走を顧問契約で頼むか、必要なときだけスポットで頼むかは顧問契約とスポット依頼、どちらが得かで費用の分かれ目を整理しています。
青森市・弘前市・八戸市など市町村の事業所の方へ
介護テクノロジーの補助は県の事業に一本化されているため、青森市・弘前市・八戸市・十和田市・むつ市など、県内どの市町村の指定事業所でも同じ制度を使えます。一方で、記録や申し送りの回し方、家族連絡のLINE化、放課後等デイサービスの運用といった現場の工夫は市町村・法人ごとに事情が異なります。市町村単位の解説記事は今後追加していく予定です。それまでの間は、テーマ別の記事(介護記録のAI効率化・会議議事録のAI化・福祉施設のLINE活用)を参考にしてください。
隣県の制度と比べたい方は、岩手県の介護テクノロジー補助金ガイド、秋田県の介護テクノロジー活用支援の解説もどうぞ。全国の一覧は全国の福祉DX・補助金ガイドにまとめています。
よくある質問
- 9月11日を過ぎても申請できますか?
- 令和8年度分の受付期間は8月7日から9月11日(必着)です。9月11日時点で、県の公式ページに追加募集の案内はありません。申請はあおもり介護生産性向上相談センターのホームページで受け付けており、郵送では受け付けていません。
- 令和8年度から変わった要件はありますか?
- 県の令和8年度概要資料では、居宅系サービスは「ケアプランデータ連携システム」の利用を開始しデータ連携を実施することが、今年度からの変更要件です。一方、LIFE登録・活用による加算の対象外になっている居宅介護支援事業所や訪問介護などの居宅サービス事業所は、令和8年度はLIFE登録が必須ではないと県Q&A(8月21日更新)に書かれています。
- 令和8年度の受付はいつまでですか?
- 令和8年8月7日から9月11日まで(必着)です。窓口は青森県社会福祉協議会のあおもり介護生産性向上相談センター(017-777-0012)です。2026年8月23日時点で県公式ページを確認した情報です。
- 補助率4/5とは、実際いくら自己負担になりますか?
- 導入経費の80%が補助されるため、自己負担は2割です。たとえば上限いっぱいの見守り機器100万円分なら自己負担20万円、パッケージ型で1,000万円分なら自己負担200万円が目安です(上限額・対象経費の細部は交付要綱で確認してください)。
- 訪問介護や居宅介護支援も対象ですか?
- はい。県の公表では、訪問介護・居宅介護支援を含む介護保険法に基づく指定介護サービス事業所と、養護老人ホーム・軽費老人ホームが対象とされています。移動の多い訪問系こそ、記録のICT化の効果が出やすい領域です。
- 業務改善支援を頼む相手は決まっていますか?
- コンサルティング会社等による業務改善支援、または介護生産性向上総合支援センター等による業務改善支援が対象と記載されています。当社のような外部の伴走支援も相談可能です。まずは要件に合う形かどうかを一緒に確認しましょう。
- 青森県内に来てもらえますか?
- 基本はオンラインでの伴走支援です。業務の棚卸し・計画作成・研修はオンラインで完結できる設計にしており、必要に応じて現地訪問もご相談いただけます。
締切は令和8年9月11日。逆算は今日からです
要件チェック・業務改善計画づくり・機器選定の壁打ちまで、無料の個別相談で承ります。青森県の御事業所の状況をお聞かせください。
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