令和8年度 岩手県介護テクノロジー導入等支援事業費補助金の全メニュー
岩手県の令和8年度介護テクノロジー導入等支援事業費補助金は、6つのメニューで構成されています。旧称の「介護ロボット導入支援」「ICT導入支援」で覚えている方は、名称が変わった同系統の事業と考えてください。一次情報は県の公式ページ(岩手県 令和8年度介護テクノロジー導入等支援事業費補助金・2026年8月23日確認)です。
| メニュー | 内容 | 上限額 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| A 導入支援 | 移乗・入浴支援機器、インカム、見守り機器、介護ソフト等の導入 | 1台あたり100万円(介護ソフト関連は職員数により100〜250万円) | 4/5 |
| B パッケージ型導入支援 | 複数のテクノロジーを組み合わせて導入 | 1事業所あたり1,000万円 | 4/5 |
| C 業務改善支援 | コンサルティング会社等による業務改善支援 | 1事業所あたり48万円 | 4/5 |
| D モデル施設の育成・モデル地域づくり | 面的支援による生産性向上の普及推進 | 1モデルあたり2,000万円 | 10/10(定額) |
| E ケアプランデータ連携システムの活用促進 | モデル地域づくり | 1モデルあたり850万円 | 10/10(定額) |
| F 協働化・大規模化等による職場環境改善 | 令和8年度の新規メニュー。複数法人グループでの取組 | 法人数×120万円(訪問介護は+30万円)・最大1,200万円 | 4/5 |
注目すべきは補助率です。4/5ということは、たとえば見守り機器と記録ソフトを合計500万円分導入しても、事業所の持ち出しは100万円で済む計算になります。パッケージ型(B)の上限1,000万円は、施設全体のWi-Fi環境整備・タブレット・インカム・記録ソフトまで一気に整えられる規模です。
- A〜Dの事前協議:令和8年7月7日〜8月7日で受付終了
- EとFの事前協議:令和8年8月12日〜8月31日(受付期間延長中)
- 実績報告の期限:A〜Cは令和9年2月26日、D〜Fは令和9年3月10日
つまりこの記事を読んでいる時点で、単独事業所の導入支援(A〜C)は令和8年度分の入口が閉じています。ここで大事なのは、締切に間に合わなかった年に何もしないのではなく、来年度の事前協議(今年のスケジュールなら7月上旬開始)までに機器選定と業務の棚卸しを終えておくことです。事前協議が必須の制度は、協議開始時点で導入計画が固まっている事業所から順に強いからです。
自分の事業所は対象か チェックリスト
県の公表資料をもとに、対象になるかを確認するポイントを並べます。
- 介護保険法に基づくサービス事業所である(施設系・通所系・訪問系を含む)
- 訪問介護事業所・居宅介護支援事業所も対象に含まれる
- 養護老人ホーム・軽費老人ホームも対象
- Fは小規模法人を含む複数法人グループでの申請が前提
- 導入したい機器がTAIS(福祉用具情報システム)掲載品または同等機能の機器、インカム、介護ソフト、見守り機器、Wi-Fi環境整備関連機器、タブレット端末等にあたる
- 事前協議→交付申請→導入→実績報告の流れを年度内(実績報告は令和9年2月26日または3月10日まで)に完了できる
迷いやすいのは「バックオフィスソフト(電子サイン・給与・勤怠管理等)」の扱いです。メニューによって対象経費の線引きが異なるため、候補の機器・ソフトが決まったら、事前協議の前に長寿社会課へ対象可否を確認しておくのが確実です。
事前協議から実績報告までの時系列(令和8年度の実例)
- 事前協議(7月上旬〜8月上旬):導入したい機器・台数・見積りを添えて県に協議。ここで枠を確保できるかが決まる
- 交付申請・決定:協議を通った内容で正式申請
- 導入・支払い(年度内):機器の納品・設置・職員への定着支援まで実施
- 実績報告(令和9年2月26日/3月10日):導入結果と経費を報告
逆算すると、実績報告が2月末なら、納品と職員への定着は年内〜1月に終えたいところです。岩手県の場合、沿岸部や県北部の事業所は機器業者のサポート拠点から距離があることも多く、導入後のトラブル対応をオンラインで完結できる体制まで含めて計画に入れておくと、実績報告前に慌てずに済みます。
「来年度の事前協議までに何を準備すべきか」を、御施設の状況に合わせて無料で整理します。
▶ LINEで無料相談高齢化率36.0%・9圏域に分散する岩手県の現場条件
補助金の話の前提として、岩手県の現場が置かれた条件を数字で押さえておきます。出典はいずれも県の公式統計(岩手県の高齢化率・岩手県人口移動報告年報・2026年8月23日確認)と、県計画の概要版です。
| 指標 | 数値 | 時点・出典 |
|---|---|---|
| 総人口 | 1,126,813人 | 令和7年10月1日・岩手県人口移動報告年報 |
| 65歳以上人口 | 400,034人 | 同上 |
| 高齢化率 | 36.0% | 同上(昭和55年は10.1%、平成20年26.4%、令和7年36.0%と一貫して上昇) |
| 要介護(要支援)認定者数 | 78,444人(認定率19.3%) | 令和4年度・いわていきいきプラン概要版(介護保険事業状況報告) |
| 認知症高齢者数(日常生活自立度Ⅱ以上) | 第1号被保険者で50,121人 | 令和5年3月・県長寿社会課調べ |
市町村別に見ると、県内の温度差がはっきり出ます。高齢化率が最も高いのは西和賀町の56.1%で、葛巻町52.3%、住田町48.5%と、内陸山間部・県北部の町村が続きます。一方で最も低いのは北上市の28.6%、次いで滝沢市28.9%、矢巾町29.5%。同じ県内で高齢化率に27ポイント以上の開きがあるのが岩手県です(いずれも令和7年10月1日現在)。
この構造は福祉AI・介護テクノロジーの導入判断に直結します。盛岡市(高齢化率30.5%)や北上市・花巻市のような内陸都市部は事業所も人材も比較的集まりますが、宮古市(41.1%)・釜石市(41.2%)・大船渡市(40.6%)・久慈市(38.1%)・二戸市(41.0%)といった沿岸・県北の市では、高齢化の進行と職員採用の難しさが同時に来ています。移動に時間のかかる広い県土で、盛岡の研修会場に職員を集める形の育成は続けにくい。だからこそ、見守り機器・インカム・記録のAI化のように「その場の人手を増やさずに現場を回す」道具と、オンラインで完結する定着支援の相性が良い地域だと言えます。
いわていきいきプランと岩手県障がい者プランが示す方向
県の高齢者施策の正本は「いわていきいきプラン(2024〜2026)」(計画期間:令和6〜8年度)です。県高齢者福祉計画・県介護保険事業支援計画・県認知症施策推進計画の3計画を1つに束ねた計画で、高齢者福祉圏域は現行の9圏域(盛岡・岩手中部・胆江・両磐・気仙・釜石・宮古・久慈・二戸)を維持しています(いわていきいきプラン(2024〜2026)・2026年8月23日確認)。
プランの数値目標には、現場の実情がにじんでいます。介護職員の離職者に占める勤続1年未満の者の割合は現状値42.6%で、これを令和8年度に38.6%まで下げる目標です。辞める人の4割超が1年未満というのは、採用しても定着まで持っていけない現場の忙しさの裏返しであり、プラン本文でも介護ロボットやICTの導入支援が労働環境改善の柱として明記されています。要介護認定者数は令和4年度の8.0万人から令和12年度に8.4万人へ増える推計で、認知症高齢者は令和12年に約8.1万人、高齢者の約5人に1人と見込まれています。担い手が減り、支える相手が増える。この差分を埋める手段として、県は補助率4/5という強い後押しを用意しているわけです。
障害福祉分野の正本は「岩手県障がい者プラン」で、岩手県障がい者計画(令和6〜11年度)と第7期岩手県障がい福祉計画・第3期岩手県障がい児福祉計画(令和6〜8年度)を一体化した計画です(岩手県障がい者プラン・2026年8月23日確認)。障害福祉サービス事業所・放課後等デイサービスでの記録・個別支援計画のAI活用は、個別記事 個別支援計画の作成をAIで効率化する方法 で詳しく解説しています。
業務改善支援(上限48万円・補助率4/5)をAI導入の入口にする
機器を買う前に業務を整理する。この順番を県の補助制度そのものが後押ししているのが、メニューCの「コンサルティング会社等による業務改善支援」(上限48万円・補助率4/5)です。48万円の支援を受けても事業所の実負担は9万6千円。記録・申し送り・シフト連絡のどこに時間が溶けているかを棚卸しし、そのうえで必要な機器だけをA・Bで申請すれば、「高い機器を入れたが使われない」という一番よくある失敗を避けられます。
板橋区の特養で実証したやり方を岩手県の制度に当てはめる
当社は東京都板橋区の特別養護老人ホームで、その施設の申し送り様式・記録ルールに合わせたオーダーメイドのAI申し送りと、職員がそのまま回せるAI研修を導入してきました(導入事例:特養マイライフ徳丸様)。岩手県内での導入実績はまだありません。だからこそ正直に書きますが、私たちがやっているのは「汎用システムの販売」ではなく「その施設の業務に合わせた組み立てと定着」です。このやり方は、業務改善支援(C)の枠組みと同じ発想であり、オンライン中心の伴走なので気仙・宮古・久慈といった沿岸圏域でも同じ品質で提供できます。進め方の全体像は 福祉スタッフのためのAI活用ロードマップ 5ステップ を、記録業務の具体的な手順は 介護記録をAIで効率化する具体手順 をご覧ください。
なお、AIに利用者情報を扱わせる際は、氏名を記号化する・AIの出力は下書きとして人が最終判断する、という運用原則が前提です。安全な使い方は 福祉事業者のためのDX・AI・LINE活用 完全ガイド にまとめています。
費用の目安(当社の料金も開示します)
| 領域 | 始め方 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 記録AI・音声入力 | 既存ツール/汎用AIから | 月 数千円〜 |
| LINE公式アカウント 構築・運用代行 | ライト/スタンダード/運用代行 | 初期 0〜10万円 月 9,800〜39,800円 |
| AI伴走(現場版・顧問) | 月2回〜の伴走で「回し続ける」 | 月 10万円〜 |
| 1Dayワークショップ | 御社の業務で実演+専用プラン納品 | ¥49,800(顧問の初月に全額充当) |
初回相談は無料です。補助金の対象経費に載せられる形でのご提案も含め、必要な範囲だけお見積りします。岩手県の事業所はオンライン対応が基本です。
よくある質問
- 令和8年度の補助金はもう申請できませんか?
- A〜D(導入支援・パッケージ型・業務改善支援・モデル育成)の事前協議は令和8年8月7日で締切済みです。EとF(ケアプランデータ連携・協働化)は8月31日まで延長受付中です(2026年8月23日確認)。来年度分は、今年のスケジュールを前提にすると来夏の事前協議開始までに計画を固めておくのが得策です。
- 沿岸部(宮古・釜石・大船渡・陸前高田など)の事業所でも対応してもらえますか?
- はい。県の補助金は9圏域すべての事業所が対象ですし、当社の伴走はオンライン中心なので、盛岡から離れた沿岸・県北の事業所でも同じ内容で進められます。
- 介護ソフトの入れ替えも補助対象になりますか?
- 導入支援(A)では介護ソフト関連が職員数に応じて100〜250万円の上限で対象になっています。バックオフィスソフトはメニューによって扱いが分かれるため、候補が決まったら長寿社会課(019-629-5441)に対象可否を確認してください。
- 岩手県内での導入実績はありますか?
- まだありません。東京都板橋区の特養での導入実績をもとに、岩手県の補助制度と現場条件に当てはめてご提案する形です。実績のない地域であることは正直にお伝えしたうえで、初回相談は無料でお受けします。
- 障害福祉サービスの事業所ですが、この記事の内容は使えますか?
- 本記事の補助金は介護保険サービス向けですが、記録・個別支援計画・連絡のAI活用は障害福祉の現場でも同じ考え方で進められます。岩手県障がい者プラン(第7期障がい福祉計画:令和6〜8年度)の期間中に体制を整えたい事業所は、個別支援計画の記事とあわせてご相談ください。
来年度の事前協議までに、岩手県の御施設の「導入計画」を固めませんか
補助率4/5を使い切るには、協議開始前の準備がすべてです。何から棚卸しすべきかを無料の個別相談で整理し、お役立ち資料を公式LINEでお渡ししています。
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