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香川県の介護テクノロジー定着支援事業と福祉AI導入ガイド

エリア:香川県(全域)最終更新:2026-08-24著者:合同会社サン 代表 菅野 竜輔

香川県の介護テクノロジー補助は、令和8年度から入口の形が変わりました。県が令和8年6月に香川県介護生産性向上総合相談センターを開設し、申請フォームも業務改善計画の事前相談も、申請書類の審査までもがこのセンターを軸に一本化されています。補助率は5分の4、パッケージ型なら1事業所1,000万円。さらに香川県は、機器やソフトだけでなく導入と一体で受ける業務改善支援そのものを48万円まで補助対象にしています。機器を買う費用より前に、段取りを整える費用にお金を付けた県です。県公式ページと実施要領のPDF、介護保険の実施状況の統計を開いて確認した内容だけで、補助の要件と、東部・小豆・西郡それぞれの現場でAIとDXがどこから効くのかを整理します。

香川県の介護テクノロジー定着支援事業と福祉AI導入ガイド の要点をまとめた図(合同会社サン 福祉DX お役立ちブログ)

香川県の入口は相談センターに一本化された

香川県は令和8年6月に香川県介護生産性向上総合相談センターを開設し生産性向上の相談、テクノロジーの試用貸出、研修や展示会、専門家派遣による伴走支援を一つの窓口に集約しました。運営は県の委託を受けた株式会社穴吹カレッジサービスです。

似た窓口は他県にもありますが、香川県が違うのは補助金との結びつきの深さです(介護現場の生産性向上について(香川県公式)で2026-08-24確認)。

  1. 交付申請の提出先:受付フォームはセンターのサイト(kagawa-kaigonet.jp)にあります。
  2. 業務改善計画書の作成:申請時に必要な業務改善計画書は、作成にあたって事前にセンターへ相談することが要件です。相談の受付フォームも同じサイトにあります。
  3. 申請書類の審査:県は交付申請書等の審査も同社に委託していると明記し、同社から問い合わせや修正指示が来る場合があるとしています。

センターの相談・研修・試用貸出は、介護サービス事業所と養護老人ホーム・軽費老人ホームの職員なら無料で、匿名相談にも応じると案内されています。県は、相談や計画作成をもって交付を約束するものではないとも書いています。相談から申請、審査までが同じ導線に乗っているぶん、窓口が分からないという迷いは消えます。

補助額の早見表――5分の4補助・パッケージ1,000万円・業務改善支援48万円

金額の骨格は香川県介護テクノロジー定着支援事業実施要領(令和8年6月18日改正版・PDF)第5の内容です(2026-08-24確認)。

区分基準額備考
補助率実支出額の5分の4区分ごとの基準額と比べて少ない方が補助額
移乗支援・入浴支援・インカム等100万円TAIS掲載機器または同水準と県が判断した機器
上記以外のTAIS掲載機器30万円見守りセンサー等の多くはこの区分
介護ソフト・バックオフィスソフト100〜250万円職員数に応じた段階制(次章で詳述)
パッケージ型導入支援1,000万円機器等の合計経費。介護ソフト定着促進を併用する場合は15万円上乗せ
導入と一体で行う業務改善支援48万円コンサルティング会社等の支援またはセンターの研修受講

見落とされやすいのが最後の行です。県は購入費とは別枠で、事前評価(課題抽出)、業務改善の助言・指導、事後評価と導入後の定着支援までを含む第三者の支援費用を48万円まで対象にしています。要領はメーカーや販売店による操作説明を対象外としており、使い方講習ではなく業務の組み替えを支援するものだと線が引かれています。

パッケージ型の欄には但し書きがあります。県予算を超過する交付申請があった場合、基準額を400万円以上1,000万円以下の範囲で調整する場合がある、というものです。1,000万円は上限であって配分の保証ではありません。県が留意事項に書いた優先方針(見守り機器・インカム・介護ソフトを優先)に沿った構成が効いてきます。

香川県の補助要件は運用まで踏み込む――宣言・連携・委員会

実施要領の第3は8項目あり、機器の導入だけで終わらない内容が並びます。事業所側の準備が要るものを抜き出します。

要件やること
情報セキュリティの自己宣言IPAのSECURITY ACTIONで一つ星または二つ星を宣言する。対象外の事業所は同等の対策を講じていることを宣言する
ケアプランデータ連携訪問介護・通所介護・居宅介護支援など対象サービスは、令和8年度内にケアプランデータ連携システムの利用を開始する
委員会の設置特養・老健・小規模多機能・グループホーム・特定施設などは、利用者の安全とサービスの質の確保、職員の負担軽減を検討する委員会を設置し議事録を作成する
LIFEへの協力科学的介護情報システム(LIFE)による情報収集に協力する。タブレット端末のみを導入する場合も同様
賃金への還元収支の改善が図られた場合は職員の賃金にも適切に還元し、その旨を職員に周知する
業務改善支援を受ける第三者によるコンサルティング支援、またはセンターの生産性向上研修・厚労省委託のビギナー/フォローアップセミナー・デジタル中核人材養成研修の受講

この並びからは、香川県が何を買わせたいかではなく、どういう状態にしたいかが読めます。セキュリティを自己点検し、他事業所とデータでつながり、負担軽減を委員会という形で継続的に議題にする。機器はその手段という位置づけです。介護記録をAIで効率化する手順を現場へ入れるときに最後に効くのも、端末の性能ではなく運用のルールを誰が決めて誰が見直すかという体制で、香川県の要件はそこを先に書いています。

介護ソフトは一気通貫が条件――職員数で変わる基準額の読み方

介護ソフトの基準額は職員数の段階で決まります。実施要領の表2から引きます。

職員数(申請時点)基準額定着促進支援を併用する場合
1名以上10名以下100万円115万円
11名以上20名以下150万円165万円
21名以上30名以下200万円215万円
31名以上250万円265万円

定着促進支援とは、介護ソフトと一体で使うタブレット端末やパソコン、Wi-Fi環境の整備工事、ベンダーによる導入前後のサポート費用などを指します。職員数は常勤換算で算出しますが、訪問介護員や介護支援専門員、管理者や生活相談員は実人数で差し支えないと注記されており、小規模な訪問系ほどこの注記で区分が変わり得ます。居宅サービス事業所や居宅介護支援事業所が令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上と連携する場合は、基準額に5万円が加算されます。

介護ソフトそのものにも条件があります。記録業務、情報共有業務、請求業務を一気通貫で行えること、つまり転記が発生しない状態であることです。既存ソフトとの組み合わせで一気通貫になっていれば差し支えないとも書かれています。選定に迷う段階なら、介護記録ソフトの比較と選び方で観点を整理してから見積を取ると比較がぶれません。

次の募集に向けて、業務改善計画に書く「何分減らすか」を無料で一緒に洗い出します。

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令和8年度の日程と、次の募集までの逆算

令和8年度の日程は次のとおりです(県公式ページで2026-08-24確認)。

時期内容
令和8年7月3日交付申請の受付開始
令和8年8月3日 17時交付申請の提出締切(受付フォーム)
令和8年10月初旬以降審査に時間を要するため、交付決定がこの時期になる場合がある
令和9年1月31日支払いと機器の納品を含む事業の完了期限
令和9年2月12日実績報告の期限(事業完了日から1月を経過した日と比べて早い方)
問い合わせ窓口香川県健康福祉部長寿社会対策課 介護人材グループ(087-832-3267/FAX 087-806-0206)

注意したいのは、交付決定前に発注・購入した機器は補助対象外という一文です。決定を待つあいだに運用ルールと入力テンプレートの案を作っておくと動き出しが早くなります。決定が10月初旬以降にずれ込む可能性があると県自身が書いているため、実質的な導入期間は10月から1月末までの4か月弱になり得ます。

今回申請しなかった事業所は、次年度に向けて動く時期です。香川県の場合、次の3つは募集を待たずに着手できます。

  1. センターへの相談を先に済ませる:業務改善計画の作成には事前相談が要件です。募集開始後に相談が集中する前に、課題の整理だけでも進めておくと締切に追われません。
  2. 研修の受講で要件を満たしておく:県は令和8年10月5日13時30分から、サン・イレブン高松4階大研修室で第2回の生産性向上研修会を開催します(会場30名・オンライン100名)。第1部は令和9年度の介護報酬改定を見据えたDX経営、第2部は介護テクノロジーのワークショップです。

数字で見る香川県――人口90万人・認定率20.3%

補助の背景にある県の数字を、一次情報から並べます。

指標数値出典
推計人口(令和8年7月1日現在)900,983人(前月比 −445人)香川県推計人口及び人口移動
世帯数(同上)411,177世帯同上
第1号被保険者数(令和6年度末・暫定値)300,206人介護保険制度の実施状況 関係資料
うち75歳以上176,750人(85歳以上は58,219人)同上
要介護(要支援)認定者数(同上)61,776人同上
第1号認定率(同上)20.3%(前年度19.9%)同上

県の人口は90万人台で毎月数百人ずつ減っています。7月1日現在の月報では自然動態が488人の減少(出生434人・死亡922人)、社会動態は43人の増加。一方で第1号被保険者は30万人台のまま推移し、うち75歳以上が176,750人と過半、85歳以上だけで58,219人います。

認定率は令和5年度の19.9%から令和6年度は20.3%へ上がりました。人口が減りながら認定者が増える局面では、放っておけば1人あたりの業務量は増え続けます。そこへ記録と情報共有と請求を一気通貫にする補助が5分の4で出ている。県が介護ソフトとインカムと見守り機器を優先する理由も、この数字なら読めます。

東部・小豆・西郡――事業所53か所の島しょ圏域をどう考えるか

香川県の高齢者保健福祉の圏域は、東部・小豆・西郡の3つです。県が公表している居宅サービス事業者等の指定数(令和7年3月31日現在)を圏域別に見ると、規模の違いがはっきりします。

圏域居宅サービス事業所地域密着型サービス事業所
東部圏域878か所227か所
小豆圏域53か所19か所
西郡圏域486か所163か所
県計1,417か所409か所

小豆圏域は土庄町と小豆島町からなる島しょ部で、居宅サービスの事業所は53か所、県全体の4%に届きません。保険者別の第1号被保険者数は土庄町5,597人、小豆島町5,855人、直島町にいたっては999人です(令和5年度末現在・実施状況資料より)。高松市の120,025人と同じ県内に、被保険者1,000人規模の保険者がある。それが香川県の姿です。

この地理は、打ち手の順番を変えます。島しょ部の事業所にとって最大のコストは移動で、研修に行くにも機器の説明を受けるにもフェリーの時刻が制約になります。県が用意した試用貸出やオンライン開催の研修枠は島しょ部ほど価値が高く、外部の伴走もオンラインで完結する設計にする意味があります。逆に東部圏域(高松市を中心とする878か所)は事業所間の距離が近く、複数事業所を持つ法人が同じ運用ルールを横展開しやすい。

瀬戸内海を挟んだ岡山県の福祉AI・補助金ガイド、四国内の徳島県と愛媛県の記事も公開しています。複数県で事業所を持つ法人は、補助率と基準額、要件の差を見比べてください。

営利法人が1,417事業所中803。小さな法人向けの導入順序

事業者の構成も押さえておきます。居宅サービス事業者等1,417か所の開設主体は、営利法人803、社会福祉法人386、医療法人129、地方公共団体28、農協・生協・NPO37、その他34(令和7年3月31日現在・実施状況資料より)。過半が営利法人、つまり中小規模の会社が担っています。サービス種類別では居宅介護支援361か所、訪問介護314か所、通所介護232か所が上位です。

この構成の県で、パッケージ型1,000万円を自分事として読める法人は多くありません。まずは記録の入力を誰がどこでやっているかを実測し、転記が発生している箇所を潰す。現実的なのは、職員数10名以下で基準額100万円の介護ソフトから入り、業務改善支援48万円の枠で段取りを外部と固める組み立てです。補助率5分の4なら、100万円の基準額に対する自己負担は20万円台に収まります。

板橋区の特養で実証した進め方を、香川県の要件に載せる

正直に書きます。当社はまだ香川県内での実績はありません。お伝えできるのは、板橋区内の特別養護老人ホームでAIによる申し送り・記録の改善を実施したことです。そこで検証済みの進め方は、記録業務の現状を分単位で測る、AIとソフトで置き換える箇所を決める、少人数のユニットで試してから全体に広げる、の3ステップで、場所には依存しません。

都合がいいのは、県が求める業務改善計画とこの3ステップが噛み合っていることです。県は厚生労働省の生産性向上ガイドラインや介護ソフトの選定ポイント集を参考に計画を作るよう求めており、現状の実測がなければ導入後に何分減ったかを書けません。

障害福祉の事業所(就労支援・グループホーム・放課後等デイなど)の方は、個別支援計画の下書きをAIで作る方法を個別支援計画のAI活用の記事にまとめています。書類作成の時間を減らす考え方は共通です。

費用の目安(自社の料金も開示します)

補助対象の機器・ソフトの価格はベンダー見積によりますが、当社の伴走支援の料金は先に開示します。

メニュー内容料金
LINE公式アカウント構築・運用代行ライト/スタンダード/運用代行初期 0〜10万円
月 9,800〜39,800円
AI伴走(現場版・顧問)月2回〜の伴走。業務棚卸しから定着まで月 10万円〜
1Dayワークショップ御社の業務で実演+専用プラン納品¥49,800(顧問の初月に全額充当)

初回相談は無料です。香川県の補助の対象になりそうか、パッケージ型と単品のどちらで組むかの整理からで構いません。オンライン中心のため、高松市でも小豆島町でも同条件です。補助対象となる業務改善支援には要領上の要件があるため、費用を補助に載せたい場合は先に県とセンターへご確認ください。

よくある質問(香川県版)

令和8年度の香川県の補助はまだ申し込めますか?
交付申請の提出締切は令和8年8月3日17時で、受付は終了しています(県公式ページで2026-08-24確認)。採択された事業所は令和9年1月31日までに事業を完了し、令和9年2月12日までに実績報告を出す段階です。申請しなかった事業所は、次年度に向けて香川県介護生産性向上総合相談センターへの相談と業務改善計画の下ごしらえを進める時期にあたります。
業務改善計画書は自分たちだけで作れますか?
様式は県のページからダウンロードできますが、香川県では作成にあたって事前に香川県介護生産性向上総合相談センターへ相談することが要件とされています。相談の場に持ち込む材料として、どの業務に何分かかっているかの実測と、導入後に何分減らすかの見込みを先に用意しておくと話が早く進みます。
補助を受けると年度内にやることが増えると聞きました
実施要領の補助要件に、SECURITY ACTIONの一つ星または二つ星の宣言、LIFEによる情報収集への協力、訪問介護や居宅介護支援などは令和8年度内にケアプランデータ連携システムの利用を開始すること、施設系や小規模多機能などは負担軽減方策を検討する委員会の設置が挙げられています。運用の体制づくりまでが補助の中身だと考えて計画を組むのが安全です。
香川県内に来てもらえますか?
合同会社サンの本社は埼玉県所沢市で、香川県内はオンライン中心の伴走になります。記録・書類・LINE・AI活用の業務改善は画面共有で完結する内容が多く、板橋区内の特別養護老人ホームでAIによる申し送り・記録の改善を実施したときの進め方をそのまま再現できます。フェリーの時間に左右される小豆島町や直島町のような島しょ部でも、移動を挟まずに打ち合わせを重ねられます。現地対応が必要な場合は日程を調整してうかがいます。

香川県の次の募集までに、相談に持ち込める計画をつくりませんか

補助率5分の4・パッケージ型1,000万円・業務改善支援48万円。計画の解像度で差がつく制度です。御施設の業務をお聞きし、センターへの相談で使える形に無料で整理します。

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合同会社サン / 福祉 × AI・DX / 香川県は全域オンライン対応(現地対応は要相談)
菅
菅野 竜輔(かんの りゅうすけ)/ 合同会社サン 代表社員
福祉の現場に携わり、自社でも福祉施設を運営。その当事者の立場から、AI・DX・LINEで記録/書類/連絡/集客/採用の負担を軽くする伴走支援を行っています。板橋区内の特別養護老人ホームでの導入実績あり。本記事は香川県公式サイトと実施要領、介護保険制度の実施状況の一次情報を確認のうえ、AIを利用して作成し、人が事実確認と加筆を行っています。
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