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高知県の介護デジタル化支援補助金と福祉AI導入ガイド

エリア:高知県(全域)最終更新:2026-08-24著者:合同会社サン 代表 菅野 竜輔

高知県の補助金には、他県の介護テクノロジー補助にはほとんど見当たらない条件が入っています。情報セキュリティの自己宣言であるSECURITY ACTIONの一つ星または二つ星を宣言していること。これが令和8年度高知県介護事業所デジタル化支援事業費補助金の要件のひとつです。機器を買う前に情報の守り方を宣言してから来なさい、という設計になっている。高齢者の人口割合が全国2位、高齢単身世帯の割合が全国1位、県土の83.3パーセントを森林が占める県が、この入口を設けた意味を制度と計画の本文から読み解きます。

高知県介護事業所デジタル化支援事業費補助金と福祉AI導入ガイド の要点をまとめた図(合同会社サン 福祉DX お役立ちブログ)

結論:補助率5分の4・1事業所1,000万円・受付は7月31日で終了

まず骨格から。高知県の令和8年度の制度名は、他県で使われる介護テクノロジー導入支援事業ではなく、令和8年度高知県介護事業所デジタル化支援事業費補助金です。出典は高知県「令和8年度高知県介護事業所デジタル化支援事業費補助金の申請受付について」で、2026-08-24に確認しました。

項目内容
事業名令和8年度高知県介護事業所デジタル化支援事業費補助金
補助率5分の4
補助上限額1介護事業所等あたり 1,000万円
対象介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所/老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホーム
申請期限令和8年7月31日(金)当日消印有効・郵送提出
実績報告補助事業の完了日等から起算して30日を経過した日か、令和9年1月29日(金)のいずれか早い日
問い合わせ窓口高知県 子ども・福祉政策部 長寿社会課 介護事業者担当(088-823-9632)

補助率5分の4、上限1,000万円という数字は他県と同水準です。枠を満額で組めば自己負担は250万円。違うのはこの先で、メニュー別の上限額は交付要綱の別表第3から別表第5に委ねられ、県公式ページの前面に出ているのは金額ではなく要件のほうです。県が何を審査したいのかが、この構成に表れています。

名称に注意してください。多くの県が国の制度名に合わせて介護テクノロジー導入支援事業と改称したのに対し、高知県はデジタル化支援事業費補助金という名前を使い続けています。検索や照会のとき毎年ひっかかる点です。

高知県の7つの要件――SECURITY ACTIONが入口になっている理由

県公式ページには、補助を受ける要件が7項目並んでいます。これが高知県の制度の特徴です。

1番目にSECURITY ACTIONが来ているのは、形式ではなく順番の話だと読んでいます。記録の電子化とは、心身の状態や既往、家族関係、金銭管理という最も漏れてはいけない情報をクラウドに乗せる作業だからです。

  1. SECURITY ACTIONの宣言:一つ星または二つ星のいずれかを宣言していること。IPAが運営する中小企業向けの情報セキュリティ対策の自己宣言制度です(IPA SECURITY ACTION・2026-08-24確認)。
  2. セミナーの受講:こうち介護生産性向上総合支援センターが実施するセミナーを受講していること。
  3. 業務改善計画の作成:交付要綱別記第1号様式別紙3の様式で作成すること。
  4. 安全・質確保委員会の設置:特定サービス提供者に該当する場合。
  5. ケアプランデータ連携システムの利用開始:特定サービス提供者に該当する場合。
  6. LIFEによる情報収集への協力。
  7. その他、交付要綱の補助要件を満たすこと。
先に片づけると効く順番:SECURITY ACTIONの宣言とセンターのセミナー受講は、公募が出てからでは間に合わないことがある要件で、逆にいえば年度のいつでも進められます。申請を逃した事業所が次にやることの筆頭は、機器の選定ではなくこの2つです。

こうち介護生産性向上総合支援センターを通す、が制度の背骨

要件の2番目に出てくるこうち介護生産性向上総合支援センターは、第9期計画で介護生産性向上総合支援センター(仮称)として予告されていた機関です。運営は介護労働安定センター高知支部、所在地は高知市堺町2-26 高知中央ビジネススクエア7階、電話は088-871-6234(出典:こうち介護生産性向上総合支援センター・2026-08-24確認)。

センターの機能内容補助申請との関係
無料研修会介護現場の生産性向上に関する研修受講が補助要件
無料相談窓口業務改善に向けた課題の整理などの相談。専門家派遣あり業務改善計画の下地づくり
機器等の展示介護ロボット・ICT機器の展示会見積前の実機確認
機器等の貸出介護ロボットの試用貸出導入判断の裏取り

第9期計画の第3章第5節には、事業者の生産性向上に向けて適切な支援につなぐワンストップ型の窓口の設置に取り組みます、と明記されています(出典:第9期計画 第3章第5節(PDF)・2026-08-24確認)。補助金という出口の前にセンターという入口を置き、そこを通った事業所に出す。展示と貸出があるのは、カタログだけで選ばせない意図があるからです。

センターの相談で整理した課題を、そのまま業務改善計画の文章に落とすところから伴走します。

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ノーリフティングケアの県だから、機器の入れ方が違う

高知県を語るときに外せないのがノーリフティングケアです。持ち上げない、抱え上げない、引きずらないケアを、県は全国に先駆けて政策として推進してきました。第9期計画にも、本県が全国に先駆けて取り組んできたノーリフティングケアの取組み、という表現がそのまま出てきます。福祉機器の導入支援に加え、リーダー養成研修や普及啓発も行うと書かれています。

ノーリフティングケアは、リフトやシートを買えば成立する話ではありません。誰がどのタイミングでどう使うかという移乗の手順を施設全体で書き換えて、初めて腰痛が減る。高知県の現場には、機器を入れることと業務手順を変えることが同じ作業だという理解がすでに一定量ある、ということです。

デジタル化も構造は同じです。音声入力の機器を配っただけでは記録時間は減りません。何を、いつ、どの粒度で、誰が入力するのかを書き換えて初めて減る。高知県の事業所と話すとき最初に確認するのは、ノーリフティング導入時に手順書をどう作り替えたかです。

数字で見る高知県――63.6万人・高齢化率36.1%・高齢単身世帯は全国1位

制度の背景にある数字を一次情報から並べます。

指標数値出典
推計人口(令和8年8月1日現在)636,316人(前年同月比 −9,803人)高知県推計人口 月報
高齢化率(令和4年10月1日現在)36.1%(全国29.0%・秋田県に次ぐ全国第2位)第9期計画 第2章第1節
高齢者のみの単身世帯が一般世帯に占める割合17.8%(全国12.1%・全国第1位)同上(令和2年国勢調査)
森林面積割合83.3%(全国65.5%・全国第1位)同上
人口密度97.3人/k㎡(全国338.2人/k㎡・全国第44位)同上
1人当たり後期高齢者医療費(令和3年度)1,172,055円(全国第2位)同上
介護人材の需給ギャップ(令和2年推計)令和7年に550人不足第9期計画 第3章第5節

人口は1年で9,800人規模、率にすれば1.5パーセント前後の速さで減っています。それでも高齢化率は上がり続け、長期推計では令和32年度に45.6パーセント。高齢者人口そのものは令和2年にピークを打っているのに、総人口の減りかたのほうが速いため率だけ上がる。これが高知県の人口構造です。

高齢単身世帯が全国1位であることの実務的な意味

現場の設計を最も左右するのが高齢単身世帯の割合です。令和2年国勢調査では、県内の一般世帯314,330世帯のうち154,582世帯(49.2パーセント)が高齢者のいる世帯で、その36.2パーセントが独居世帯。一般世帯に占める割合17.8パーセントは全国一です。

独居が多いとは、情報共有の相手が施設の外に薄いということです。家族向けLINEでの状況共有は家族がいる前提の施策で、高知県ではそれに加えてケアマネ・訪問看護・かかりつけ医・地域包括のあいだで情報を回す仕組みが効きます。ケアプランデータ連携システムの利用開始が補助要件に入っているのも、この文脈なら自然です。家族が近くにいないぶん、専門職どうしの連携密度で支えるしかない。

安芸・中央・高幡・幡多――森林83.3%の県で訪問系をどう回すか

高知県の高齢者福祉は、第8期高知県保健医療計画の二次保健医療圏と一致させた4つの保健福祉圏域で組み立てられています(出典:第9期計画 第1章(PDF)・2026-08-24確認)。

保健福祉圏域主な市町村第1号被保険者数のピーク
中央圏域高知市、南国市、香南市、香美市、土佐市、須崎市、いの町、佐川町ほか令和3年
安芸圏域室戸市、安芸市、東洋町、奈半利町、田野町、安田町、北川村、馬路村、芸西村平成29年
高幡圏域四万十町、中土佐町、津野町、檮原町平成29年
幡多圏域四万十市、宿毛市、土佐清水市、黒潮町、大月町、三原村令和2年

圏域ごとにピークがずれている点が重要です。安芸と高幡は平成29年、幡多は令和2年、中央は令和3年にすでに越えました。県東部と西部の郡部は、利用者が減りながら残った人は重度化する局面に県庁所在地より数年早く入っている。いまの職員数で回せる密度に業務を作り替えるほかに答えがありません。

そこに地理が重なります。県土の83.3パーセントが森林、人口密度は全国平均の約3分の1で全国第44位、過疎市町村の割合は全国平均の約1.7倍。第9期計画も、介護人材に対する人手不足感は中山間地域でより高いと明記しています。

移動時間が長い県ほど、記録を移動中に終わらせる価値が大きい

移動は地形が決めるので減りません。減らせるのは記録です。訪問直後に車内で音声を吹き込み、AIが介護記録の文体に整えて、戻ったときには下書きが出来ている形にすれば、移動時間が記録時間に変わる。高知県が令和6年度に実施した訪問介護事業所緊急支援給付金は月平均延訪問回数400回以下の事業所が対象でした(2026-08-24確認)。県内の訪問介護がどれだけ小さな単位で成り立っているかが分かる線引きです。

南海トラフを前提にすると、記録の電子化はBCPそのもの

第9期計画は、第3章第6節を丸ごと南海トラフ地震等災害対策と感染症対策に充てています。高齢者施策の県計画で災害対策が独立した節として立つ構成そのものが、高知県の切実さです。紙の記録は浸水すれば読めず、その建物にしかない情報は建物が使えなくなった瞬間に失われます。

  1. 紙と電子の二重管理をやめる:災害時に強いのは電子が正本で紙が控えという構成です。紙が正本のままクラウドに写しを置くだけだと、いざというときどちらが最新か分かりません。
  2. 持ち出しリストを1枚にまとめる:利用者ごとに、避難先で必ず要る情報だけを1枚に出力できる形にしておく。AIを使えば記録から必要項目だけを抽出した要約を定型で作れます。
  3. 連絡手段を平時から二重化する:電話が輻輳したときに動くのはメッセージ系です。職員間の連絡と家族への一斉連絡をLINE公式アカウントで平時から回していれば、非常時に新しい手段を覚える必要がありません。

災害時に持ち出す1枚に何を載せるか。既存の記録から作れます。

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板橋区の特養で実証した進め方を、業務改善計画に落とす

正直に書きます。当社はまだ高知県内での導入実績はありません。お伝えできるのは、板橋区内の特別養護老人ホームでAIによる申し送り・記録の改善を実施したことです。そこで検証した進め方は次の3段階で、場所には依存しません。

段階やること高知県の業務改善計画に書ける形
1. 測る誰が、何の記録に、1日何分使っているかを実測する現状値(分/日・人)として記載
2. 決めるAIとソフトで置き換える業務と、人が残す業務を線引きする導入機器・ソフトと対象業務の対応表
3. 広げる1ユニットで試してから全体に展開する目標値と達成時期、検証方法

別紙3の業務改善計画は、この3段階を書けば埋まります。測っていない事業所は書けません。手順は柱記事にまとめました。記録の時短は介護記録をAIで効率化する記事、AIの始め方は福祉スタッフのためのAI活用ロードマップ、障害福祉なら個別支援計画のAI活用の記事。ソフト選定で迷うなら介護記録ソフトの比較と選び方を読んでから、センターの展示会で実機を見るのが効率的です。

四国内で複数県に事業所を持つ法人は、愛媛県の福祉AI・補助金ガイドと徳島県の福祉AI・補助金ガイドも見比べてください。事業名も要件も締切も県ごとに違うため、本社所在県の要領で他県の申請を組むと要件漏れが起きます。

費用の目安(自社の料金も開示します)

機器・ソフトの価格はベンダー見積によりますが、当社の伴走支援の料金は先に開示します。

メニュー内容料金
LINE公式アカウント構築・運用代行ライト/スタンダード/運用代行初期 0〜10万円
月 9,800〜39,800円
AI伴走(現場版・顧問)月2回〜の伴走。業務棚卸しから定着まで月 10万円〜
1Dayワークショップ御社の業務で実演+専用プラン納品¥49,800(顧問の初月に全額充当)

初回相談は無料です。SECURITY ACTIONをどちらの星で宣言するか、業務改善計画の現状値をどう測るかという入口の整理からで構いません。オンライン中心のため、中央圏域でも幡多圏域でも同条件です。

よくある質問(高知県版)

令和8年度の高知県の補助金はまだ申請できますか?
申請受付は令和8年7月31日の当日消印有効で締め切られています(県公式ページで2026-08-24確認)。採択された事業所は、補助事業完了の日から30日を経過した日か令和9年1月29日のいずれか早い日までに実績報告を出す段階です。間に合わなかった事業所は、次年度の募集に向けてSECURITY ACTIONの宣言とセミナー受講という前提要件を先に片づけておくのが現実的です。
SECURITY ACTIONの宣言というのは何をすればいいのですか?
SECURITY ACTIONは、中小企業が情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言するIPAの制度です。高知県の補助要件では一つ星または二つ星のいずれかの宣言が求められます。一つ星は情報セキュリティ5か条に取り組む宣言、二つ星は自社診断と基本方針の策定まで行う宣言で、いずれもIPAのサイトから無料で申し込め、審査もありません。事業所側の作業は5か条の実施と申込フォームの入力が中心です。
業務改善計画には何を書けばいいのですか?
交付要綱別記第1号様式別紙3の様式で作成します。機器の型番を並べるのではなく、どの業務に誰が何分かけていて、どの機器とソフトでそれを何分にするのか、という現状と目標をセットで書くのが本筋です。こうち介護生産性向上総合支援センターの無料相談窓口では課題の整理そのものを相談でき、専門家派遣も用意されています。
訪問介護やケアマネ事業所も対象になりますか?
対象になります。県公式ページには、介護保険法に基づくサービスを提供する全てのサービス事業所と、老人福祉法に基づく養護老人ホーム及び軽費老人ホームが対象と記載されています。ただし特定サービス提供者に該当する場合は、安全・質確保委員会の設置やケアプランデータ連携システムの利用開始という追加要件が付きます。
高知県内に来てもらえますか?
合同会社サンの本社は埼玉県所沢市で、高知県内はオンライン中心の伴走になります。記録・書類・LINE・AI活用の業務改善は画面共有で完結する内容が多く、板橋区内の特別養護老人ホームで実施した進め方をそのまま再現できます。安芸圏域や幡多圏域のように県庁所在地から遠い事業所ほど、移動を伴わないオンラインのほうが受けやすい形です。現地対応が必要な場合は日程を調整してうかがいます。

次の募集までに、高知県の要件を満たした状態をつくりませんか

SECURITY ACTIONの宣言、センターのセミナー受講、業務改善計画の下書き。この3つは公募を待たずに進められます。御施設の業務をお聞きし、どこから手を付けるかを無料で整理します。

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LINEをお使いでない場合は メールでのお問い合わせでも承ります

合同会社サン / 福祉 × AI・DX / 高知県は全域オンライン対応(現地対応は要相談)
菅
菅野 竜輔(かんの りゅうすけ)/ 合同会社サン 代表社員
福祉の現場に携わり、自社でも福祉施設を運営。その当事者の立場から、AI・DX・LINEで記録/書類/連絡/集客/採用の負担を軽くする伴走支援を行っています。板橋区内の特別養護老人ホームでの導入実績あり。本記事は高知県公式サイトと高知県高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業支援計画本文の一次情報を確認のうえ、AIを利用して作成し、人が事実確認と加筆を行っています。
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