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千葉県の介護テクノロジー補助金と福祉AI導入の進め方
― 補助率5分の4・上限1,000万円をどう取りにいくか ―

エリア:千葉県最終更新:2026-08-23(県公式ページ確認日)著者:合同会社サン 代表 菅野 竜輔

千葉県の令和8年度の介護テクノロジー補助は、税抜対象経費の5分の4を1事業所あたり最大1,000万円まで補助し、しかも法人全体の合計申請額に上限がないという、かなり思い切った設計です。ただし入口は狭く、千葉県介護業務効率アップセンターが開いたセミナーの受講が必須要件で、事前協議の受付は令和8年6月10日から7月13日17時までの約1か月しかありませんでした。つまり千葉県では、募集が始まってから動くのでは間に合いません。この記事では、県の公式ページと統計PDFを実際に開いて確認した一次情報だけを使い、要件の中身と、来年度に間に合わせるための逆算スケジュールを整理します。

千葉県の介護テクノロジー補助金と福祉AI導入の進め方 の要点をまとめた図(合同会社サン 福祉DX お役立ちブログ)

千葉県の補助金の骨格 ― 5分の4・上限1,000万円・法人合計は上限なし

正式名称は令和8年度千葉県介護テクノロジー定着支援事業費補助金です。令和6年度までの介護ロボット導入支援・介護サービス事業所ICT導入支援を引き継いだ制度で、旧称で覚えている方はここでつまずきやすいので注意してください。県の公式ページ(千葉県 介護テクノロジー定着支援事業費補助金・2026年8月23日確認)で確認できた骨格は次のとおりです。

項目令和8年度の内容(県公式ページより)
補助率税抜補助対象経費の5分の4(千円未満切捨)
上限額1事業所あたり最大1,000万円。法人全体の合計申請額に上限なし。パッケージ型で介護ソフト導入と定着促進支援を併用する場合は1,015万円
メニュー(1)介護テクノロジー等の導入支援 (2)パッケージ型導入支援(介護業務支援を1つ以上含む複数機器の組み合わせが要件)
対象事業所県内の介護保険法に基づく介護サービス事業所、養護老人ホーム・軽費老人ホーム
必須要件千葉県介護業務効率アップセンター開催の「介護現場における業務改善推進セミナー」受講(アーカイブ配信あり)
優先採択申請日までに1週間以上の試用貸出を行い導入を進める事業所(要証明書類)。新規導入では見守り・インカム・介護ソフトの種別が優先
事前協議令和8年6月10日〜7月13日17時に、ちば電子申請サービスのフォームで所要額調書を提出
実績報告令和9年1月15日まで
問い合わせ千葉県健康福祉部高齢者福祉課 法人・事業者支援班(電話 043-223-2593)

補助率5分の4は自己負担が2割で済む水準で、たとえば見守り機器と介護ソフトを合わせて税抜300万円入れるなら、自己負担は60万円という計算になります。年度ごとに条件が変わるため、金額を確定させる前に必ず上記の県ページと交付要綱の最新版を確認してください。

入口は千葉県介護業務効率アップセンター ― セミナーと試用貸出

千葉県の制度でいちばん特徴的なのは、補助金の手前に千葉県介護業務効率アップセンターという専用窓口が置かれていることです。県の委託で公益財団法人介護労働安定センター千葉支部が運営し(所在地は千葉市中央区)、相談対応のほか、介護テクノロジーの試用貸出、研修・セミナー、伴走支援まで無料で使えます。

このセンターは単なる案内所ではなく、補助金の採択に直結しています。令和8年度の必須要件になった業務改善推進セミナーはこのセンターが5月26日に開催したもので、千葉県公式セミナーチャンネル(YouTube)のアーカイブ配信(3本・約55分)でも受講できます。さらに、申請日までに1週間以上の試用貸出をして機器の導入を進めた事業所は優先採択の対象です。つまり千葉県では、センターに相談する → 機器を借りて1週間以上試す → セミナーを受ける、という順路をたどった事業所が、要件面でも採択順位でも有利になる設計です。

ポイント:試用貸出は「補助金が取れるか分からない機器を、買う前に現場で確かめられる」仕組みでもあります。夜勤の見守り機器やインカムは、カタログではなく自分の建物・自分の職員で試してから申請額に入れるのが、千葉県の制度が想定している使い方です。

令和8年度は7月13日で受付終了 ― 来年度への逆算カレンダー

この記事の確認日(2026年8月23日)時点で、令和8年度分の事前協議は締め切られています。ここで「来年考えよう」と手を止めると、来年も同じ結果になります。受付が約1か月しかない一方、要件づくりに必要な準備は受付期間の外でいつでも進められるからです。令和8年度の実際の日程をもとに、来年度に間に合わせる逆算カレンダーを作りました。

時期やることねらい
いま〜秋効率アップセンターに相談し、現場の困りごと(夜間見守り・記録・申し送りなど)を言語化する相談実績を作り、機器選定の軸を決める
秋〜冬候補機器の試用貸出を申し込み、1週間以上現場で試す。結果を記録に残す優先採択の証明書類につなげる
冬〜春業務改善計画をまとめ、見積を取り、法人内の決裁を通す受付開始と同時に所要額調書を出せる状態にする
5〜6月県の補助金ページで新年度の要綱・セミナー日程を確認し、セミナーを受講する必須要件を確実に満たす
6〜7月ちば電子申請サービスで事前協議(令和8年度は6月10日〜7月13日17時だった)受付期間内の提出

日程は令和8年度の実績です。来年度の受付期間・要件は変わる可能性があるため、動き出す前に県ページで最新版を確認してください。当社では、この逆算カレンダーの「現場の困りごとの言語化」と「業務改善計画づくり」の部分を伴走しています。

来年度の千葉県の補助に向けて、何から手を付けるかを無料で一緒に整理します。

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自分の事業所は対象か(養護・軽費も対象、障害分野は対象外)

対象は千葉県内に所在する介護保険法に基づく介護サービス事業所と、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームです。次のチェックで足元を確かめてください。

  1. 所在地が千葉県内か(千葉市・船橋市・柏市などの市域も含め、この補助金の実施主体は県)
  2. 介護保険法に基づく事業所か、または養護老人ホーム・軽費老人ホームか。住宅型有料老人ホーム等は要綱の対象規定を必ず確認
  3. 障害福祉サービス事業所は対象外。放課後等デイサービスや就労支援などは、この補助金には乗れない(後述の別の道を検討)
  4. 導入したい機器が対象経費か(介護ソフト・見守り・インカムなど。ベンダーサポート費用は介護ソフト導入の場合に限り申請可)
  5. セミナー受講と試用貸出を年度内に済ませられるか

障害福祉の事業所には正直に書きます。この補助金は使えません。ただ、記録・個別支援計画・家族連絡の負担は月数千円からのAI活用でも大きく減らせます。具体的な作り方は個別支援計画をAIで下書きする方法で解説しています。県の障害分野の支援策は年度で動くため、最新は県障害福祉関係の担当課への確認をおすすめします。

75歳以上が4年で約14.7万人増 ― 千葉県の人口データ

千葉県の高齢化率は27.6%で、実はここ数年ほとんど動いていません。数字だけ見ると落ち着いて見えますが、中身が入れ替わっています。県の統計(千葉県 高齢者人口等の統計データの高齢者人口の推移PDF・2026年8月23日確認)から、直近の推移を抜き出します。

各年4月1日総人口65歳以上75歳以上高齢化率75歳以上割合
令和4年6,305,476人1,735,128人900,793人27.5%14.3%
令和6年6,308,398人1,742,023人987,678人27.6%15.7%
令和8年6,313,274人1,745,101人1,047,445人27.6%16.6%

65歳以上は4年間で約1万人しか増えていないのに、75歳以上は900,793人から1,047,445人へ、約14.7万人(16%強)増え、令和7年には100万人を超えました。介護の現場感覚に引き付けると、これは「利用者の総数」より先に「要介護度が上がりやすい層」が膨らんでいるということです。同じ職員数で重度化に向き合うには、記録・申し送り・夜間見守りといった業務の側を軽くするしかなく、千葉県が補助率5分の4という強い補助を組んでいる背景もここにあります。

御宿町54.4%と浦安市19.1% ― 35ポイントの県内格差

千葉県のもう一つの顔は、県内格差の大きさです。県の市町村別高齢化率(県内市町村の高齢化率順位PDF・令和8年4月1日現在)によると、上位と下位はこうなっています。

1位2位3位4位5位
高い市町村御宿町 54.4%鋸南町 50.6%南房総市 48.3%長南町 48.2%勝浦市 48.1%
低い市町村浦安市 19.1%市川市 21.4%流山市 22.0%習志野市 23.8%船橋市 23.8%

御宿町は住民の2人に1人以上が65歳以上で、浦安市とは35ポイント以上の開きがあります。上位は外房から南房総にかけての町(御宿・鋸南・南房総・長南・勝浦)、下位は湾岸・東葛の市(浦安・市川・流山・習志野・船橋)に、きれいに分かれます。同じ千葉県でも、事業所が置かれた条件はまるで別物です。

県ページの構成上、この記事は千葉県全域向けに書いていますが、ご相談のときは所在地の市町村名から話を始めてください。エリアで打ち手の優先順位が変わります。

土台になる2つの計画(高齢者保健福祉計画・第八次障害者計画)

県の施策の土台は、千葉県高齢者保健福祉計画(令和6年度〜令和8年度)と、第八次千葉県障害者計画(令和6年度〜令和8年度)の2本です。どちらも令和8年度が最終年度で、令和9年度からの次期計画づくりが動く時期に入ります。計画の切り替わりは補助メニューの改廃が起きやすいタイミングなので、来年度の申請を考えている事業所ほど、年度替わりの県ページ更新を見落とさないでください(この記事も更新のたびに確認日を書き換えます)。

補助を待たない選択肢と、板橋区での実証の当てはめ方

補助金は強力ですが、来年度の採択までは最短でも半年以上あります。その間、記録と申し送りの負担は毎日発生し続けます。そこで当社がおすすめしているのは、補助対象の機器導入と、補助を待たずに始められる生成AIの活用を分けて考えることです。生成AIによる記録・書類の下書きは月数千円から始められ、補助金の採否に関係なく今日から効果が出ます。具体的な手順は介護記録をAIで効率化する具体手順にまとめています。

当社は東京都板橋区の特別養護老人ホーム マイライフ徳丸様(社会福祉法人北野会)で、その施設の申し送り様式に合わせたオーダーメイドのAI申し送りと、職員がそのまま使えるAI研修を導入しました(導入事例の詳細)。千葉県内での導入実績はまだありません。その代わり、板橋で作った「現場の様式に合わせて作り、職員が回せる形で渡す」という進め方は、千葉県の制度と相性が良いと考えています。効率アップセンターへの相談内容の整理、試用貸出で何を検証するかの設計、業務改善計画の文書化。千葉県の補助スキームが求めるこの3つは、いずれも当社が板橋で実際にやってきた作業と同じ型だからです。隣県の制度との比較は東京都の福祉AI導入と支援制度・茨城県のAI導入と補助金ガイドもどうぞ。

個人情報の安全な扱い 3原則

AI活用の不安の中心は個人情報です。私たち自身が現場で守っているルールは次の3つです。

個人情報の3原則(必ず守る)
  1. 氏名・事業所名はそのまま入力しない(A様・B事業所と記号化する)
  2. AIの文章は支援者が直す前提の下書きとして扱う。本人・家族の意向は本人の言葉のまま残す
  3. 最終判断は必ず人が行う

事業所として使うAIは、入力データを学習に使わない設定や法人向けプランを選ぶとより安心です。なお千葉県の補助金でも、申請要件の中で情報セキュリティ対策(SECURITY ACTIONの自己宣言等)に触れられる年度があります。機器導入とセキュリティ体制はセットで整えておくと、申請にも運用にも無駄がありません。

費用の目安(自社の料金も開示します)

領域始め方費用の目安
記録AI・音声入力汎用AI+既存ツールで小さく開始月 数千円〜
LINE公式アカウント
構築・運用代行
ライト/スタンダード/運用代行初期 0〜10万円
月 9,800〜39,800円
AI伴走(現場版・顧問)月2回〜の伴走。補助金の要件づくり(業務改善計画・試用検証の設計)も範囲月 10万円〜
1Dayワークショップ御社の業務で実演+専用プラン納品¥49,800(顧問の初月に全額充当)

初回相談は無料です。千葉県の補助金そのものの申請代行ではなく、要件を満たす業務改善の中身づくりと定着までの伴走が当社の役割です。御施設の状況を伺ってから、必要な範囲だけお見積りします。

よくある質問(千葉県版)

令和8年度の事前協議(7月13日締切)に間に合いませんでした。今からできることは?
セミナー受講(アーカイブ配信あり)、効率アップセンターへの相談、試用貸出は受付期間の外でも進められます。令和8年度の受付は6月10日〜7月13日だったので、来年度はそこから逆算して、冬までに試用と業務改善計画を済ませておくのが最短です。逆算カレンダーをご覧ください。
必須要件のセミナーは会場に行かないと受講できませんか?
令和8年度は5月26日開催分のアーカイブ配信(千葉県公式セミナーチャンネル・3本約55分)が案内されており、交付申請期間終了までの受講が求められています。年度で運用が変わるため最新は県ページで確認を。
障害福祉サービス事業所でも使えますか?
この補助金の対象は介護保険法の事業所と養護・軽費老人ホームで、障害福祉サービス事業所は含まれません。障害分野の記録や個別支援計画は、補助に頼らない月数千円からのAI活用で軽くする道があります。
南房総の小さな事業所ですが、1,000万円も使う導入は現実的ですか?
上限まで使う必要はありません。補助率5分の4なので、たとえば税抜100万円の見守り機器+インカムなら自己負担は20万円です。規模に合った申請額で、まず夜間の負担から軽くするのが現実的です。
千葉県の事業所ですが、埼玉の会社に頼んで大丈夫ですか?
はい。支援はオンラインとLINE中心で、千葉市・船橋市・柏市から南房総まで距離の制約なく対応します。板橋区の特養での導入実績で作った進め方を、千葉県の要件に当てはめてご提案します。

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合同会社サン / 福祉 × AI・DX / 千葉県・首都圏・全国オンライン対応
菅
菅野 竜輔(かんの りゅうすけ)/ 合同会社サン 代表社員
介護現場5年・施設長・ケアマネジャー・地域包括支援センターを経て、現在も自社で福祉施設を運営。板橋区内の特別養護老人ホームでのAI申し送り導入実績をもとに、千葉県の介護・障害福祉事業者の記録/書類/連絡/集客の負担を軽くする伴走支援を行っています。記事作成にはAIを利用し、公開前に人が一次情報の確認と加筆を行っています。
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