締切は8月31日――長野県の補助金メニューと上限額
長野県の令和8年度介護テクノロジー定着支援事業は、(1)介護テクノロジー等の導入支援、(2)介護業務支援機器を含む複数テクノロジーを組み合わせるパッケージ型導入、(3)導入と一体的に行う業務改善支援の3本柱で構成され、いずれも補助率は経費の5分の4です。交付申請書の提出締切は令和8年8月31日(月)。出典は県公式ページです(長野県「令和8年度介護テクノロジー定着支援事業の実施について」・2026年8月23日参照)。上限額の構造は次のとおりです。
| 補助メニュー | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 移乗支援・入浴支援等の機器 | 4/5 | 1機器100万円・1事業所500万円 |
| 上記以外のテクノロジー | 4/5 | 1機器30万円・1事業所500万円(台数制限なし) |
| 介護ソフト・バックオフィスソフト | 4/5 | 職員数に応じ100万〜250万円(タブレット等の付帯機器込みなら115万〜265万円) |
| パッケージ型導入 | 4/5 | 1事業所1,000万円(PC・タブレット・Wi-Fi整備も同時なら1,015万円) |
| 業務改善支援(第三者による評価・助言) | 4/5 | 1事業所48万円 |
出典:上記県公式ページ(2026年8月23日参照)。ソフト導入の職員数の数え方は常勤換算が原則ですが、訪問介護員や居宅介護支援専門員など訪問系の職員と管理者・生活相談員は実人数で数えてよいと明記されており、訪問系・小規模の事業所に有利な数え方になっています。
対象は長野県内で介護保険法に基づく指定・許可を受けた介護サービス事業所と、養護老人ホーム・軽費老人ホームで、申請は原則1法人(団体)1事業所に限られます。ここは新潟県などが法人単位の上限額で制御しているのと違う長野県の設計で、多拠点法人はどの事業所に補助を集中させるかを先に決める必要があります。例外として、職場いきいきアドバンスカンパニー認証か信州ふくにん(長野県の福祉事業所認証評価制度)の認証を受けている事業所は、優遇制度で1法人2事業所まで申請できます。
機器代だけじゃない――業務改善支援48万円という長野県の独自枠
この補助金でいちばん見落とされやすいのが3本目の柱です。長野県は、生産性向上に係る知識・経験を有する第三者から、テクノロジー導入に際して個別契約に基づく支援を受ける費用を補助対象にしています。県公式ページに書かれた支援の中身は、事前評価(課題抽出)、業務改善に係る助言・指導、事後評価(導入後の定着支援を含む)の3段階。この費用に1事業所48万円・補助率5分の4が付きます。
つまり長野県は、機器を買って終わりにしないために、どの業務をどう変えるかを一緒に考える伴走者の費用まで公費で見る、と制度に書き込んでいる県です。センサーやソフトを入れたのに紙の記録が並走したまま、という失敗は全国どこでも起きますが、その予防策が補助メニューとして独立している県は多くありません。当社が行っているのはまさにこの型の支援(業務の棚卸し、記録・申し送りへのAI組み込み、職員研修、定着までの伴走)なので、長野県の御施設は48万円枠と組み合わせて使うことを検討できます。
業務改善支援の48万円枠で何を頼めるか、御施設の業務のどこから削るか。無料相談で一緒に整理します。
▶ LINEで無料相談天龍村62.8%・南箕輪村24.0%――77市町村の高齢化データ
長野県の65歳以上人口は643,630人で高齢化率33.3%、75歳以上は386,572人で総人口の20.0%。いずれも過去最高を更新し、逆に15歳未満は213,952人で過去最低です(令和7年10月1日現在・毎月人口異動調査。統計ステーションながの「長野県の年齢別人口」・2026年8月23日参照)。県の総人口は1,972,243人。政令指定都市はなく、最大の長野市でも358,783人、次いで松本市235,639人と、中規模の市と小さな町村に人口が分かれています。
そして長野県は市町村の数が77と全国で最も多い県です。同じ統計の市町村別データから高齢化率を並べると、県内の落差がはっきり見えます(統計ステーションながの「毎月人口異動調査 年齢別人口(令和7年10月)」市町村別・年齢3区分別人口・2026年8月23日参照)。
| 市町村 | 位置づけ | 高齢化率(65歳以上) |
|---|---|---|
| 天龍村 | 県南端・下伊那郡(総人口941人) | 62.8% |
| 栄村 | 県北端・豪雪地帯 | 56.6% |
| 根羽村 | 下伊那郡・愛知県境 | 52.6% |
| 飯田市 | 南信の中心市 | 34.1% |
| 長野市 | 県庁所在地・中核市 | 32.0% |
| 松本市 | 中信の中心市 | 29.0% |
| 南箕輪村 | 上伊那郡・県内最低 | 24.0% |
出典:上記の市町村別・年齢3区分別人口(令和7年10月1日現在)。県計の高齢化率33.3%も同資料。
住民の6割以上が65歳以上という天龍村と、大学立地で若い南箕輪村が同じ県に同居し、その間に長野・松本・上田・飯田・佐久・伊那・諏訪といった圏域の核になる市が点在する。これが長野県の介護の地図です。県の高齢者施策の土台は第9期長野県高齢者プラン(老人福祉計画・第9期介護保険事業支援計画。計画期間は令和6年度から8年度)で、市町村と連携して策定されています(長野県「第9期長野県高齢者プラン」・2026年8月23日参照)。令和8年度はこの計画の最終年度にあたります。
山あいに77の自治体が散らばる県で、AIはどこに効くか
長野県の現場の条件を決めているのは、高齢化率そのものより地形と距離です。県土は広く、事業所は谷ごと・盆地ごとに分かれ、北部の栄村のような豪雪地帯では冬の移動がさらに重くなります。天龍村や根羽村の規模の村では、介護の担い手を村外から通いで確保することも簡単ではありません。応援の人手を増やせない場所でまず効くのは、見守り機器より、移動の合間に音声で記録の下書きが終わる仕組みと、事務所に戻らなくても申し送りが読める仕組みです。県の補助メニューが介護ソフトの付帯機器(タブレット・Wi-Fi)まで上限を上乗せして認めているのは、この使い方と噛み合います。
研修受講・SECURITY ACTION・優遇制度――申請前チェックリスト
長野県の補助は要件の数が多いのが特徴です。締切前に次を確認してください。この一覧はこのページだけで完結するように作っています。
- 研修を受けたか:長野県介護・障がい福祉生産性向上総合相談センター主催の生産性向上の取組に関する研修会か、厚生労働省主催の介護現場の生産性向上ビギナーセミナー(どちらも無料)の受講が補助要件
- 業務改善計画書を作れる状態か:厚労省の生産性向上ガイドラインを参考に、どの業務の時間を何で削るかを書く
- SECURITY ACTIONを宣言したか:IPAの一つ星か二つ星のいずれかの宣言が要件
- LIFE(科学的介護情報システム)への情報収集協力に対応できるか
- 補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果を県に報告する体制を想定したか
- 1法人1事業所の原則に対し、優遇制度(職場いきいきアドバンスカンパニー/信州ふくにん認証)で2事業所に広げられるか。使う場合は期限内に2事業所分の交付申請書が必要
- 導入機器がTAIS掲載か、介護ソフトなら付帯機器(タブレット・Wi-Fi)まで見積に含めたか
- 業務改善支援の48万円枠を使うか。使うなら支援者との個別契約の中身(事前評価・助言指導・事後評価)を整理したか
- 迷ったら県の窓口へ:健康福祉部介護支援課(電話026-235-7129)
交付申請から3年間の効果報告まで――長野県の時系列
県公式ページの手続きの流れを時系列に並べます。長野県は導入して終わりではなく、3年間の報告まで制度に組み込んでいる点に注意してください。
- 申請前:無料研修の受講と業務改善計画書の作成。研修受講は補助要件なので先に済ませる
- 令和8年8月31日(月):交付申請書の提出締切。優遇制度利用なら2事業所分をここまでに
- 交付決定後:発注・導入・業務改善支援の実施。交付決定前の発注は補助対象外になるのが通例
- 令和9年3月1日(月):実績報告書の最終締切。導入後30日を経過した日と比べて早い方。導入が年度内に間に合わないと交付決定後でも補助対象外と県が明記
- 翌年度から3年間:効果報告。業務改善計画に対する効果を毎年度県に報告し、他事業所からの視察依頼にも対応する
逆算すると、8月末に申請してから3月1日の実績報告まで約半年ありますが、機器の選定・納品・職員が使いこなすまでの期間を考えると余裕はありません。そして本当の勝負は導入後の3年間です。効果報告で数字を出せるかは、導入時に何の時間を測っておくか(記録にかかる分数、残業時間、申し送りの所要時間)で決まります。測る項目を申請段階で決めておくことを勧めます。
板橋区の特養での進め方を、長野県の要件に当てはめる
正直に書くと、当社に長野県内の導入実績はまだありません。当社の実績は東京都板橋区の特別養護老人ホームで、施設の申し送り様式を変えずにAIが下書きを埋める仕組みと職員向けAI研修を入れたものです(特養マイライフ徳丸様の導入事例)。この経験を長野県の制度に当てはめると、相性が良いのは次の順番です。
まず業務の棚卸しで削る対象を特定する(これは県の要件である業務改善計画書の中身づくりと同じ作業です)。次に補助でソフトとタブレット・Wi-Fiを整備し、記録と申し送りにAIの下書きを組み込む。最後に3年間の効果報告に耐える測定項目を決めて運用に載せる。この一連は佐久市や伊那市の多拠点法人でも、栄村や天龍村の単独事業所でも、オンラインで同じ形で進められます。導入の考え方の全体像は柱記事の福祉スタッフのためのAI活用ロードマップ 5ステップに、記録の具体的な手順は介護記録をAIで効率化する具体手順に、障害福祉の書類なら個別支援計画のAI活用にまとめています。隣県の制度と比べたい方は新潟県の介護テクノロジー補助金の解説と群馬県の介護テクノロジー補助金の解説もどうぞ。
利用者情報を守る3つの運用ルール
氏名や事業所名は記号に置き換えてから入力する。AIの出力は必ず職員が直す前提の下書きとして扱う。ケアの最終判断は人が行う。当社が自社運営の施設で守っているこの3点は、長野県の要件であるSECURITY ACTION宣言とも方向が揃うので、宣言の準備と同時に運用へ組み込むのが効率的です。
費用の目安(当社の料金も開示)
| 領域 | 始め方 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 記録AI・音声入力の試行 | 汎用AI・既存ツールで小さく開始 | 月 数千円〜 |
| LINE公式アカウント構築・運用 | 家族連絡・見学予約の自動化 | 初期 0〜10万円/月 9,800〜39,800円 |
| AI伴走(顧問) | 業務棚卸し・計画書作成支援・定着まで月2回〜の伴走 | 月 10万円〜 |
初回相談は無料です。長野県の業務改善支援48万円枠の対象になり得る部分と、対象外の部分を分けてお見積りします。LINEの活用範囲は福祉施設のLINE公式アカウント活用と費用のめやすをご覧ください。
よくある質問(長野県版)
- 締切はいつですか?もう間に合いませんか?
- 交付申請書の提出締切は令和8年8月31日(月)です。無料研修の受講が要件なので、未受講ならまず研修の受講方法を県公式ページで確認してください。今年度に間に合わない場合でも、業務の棚卸しと計画書の下ごしらえを先に済ませておけば、次の募集で最初に動けます。
- 機器は買わずに、進め方の支援だけ補助を受けられますか?
- 業務改善支援の48万円枠はテクノロジー導入と一体的に行うことが前提です。単独では使えませんが、小さな機器・ソフト導入と組み合わせれば、事前評価から定着支援までの伴走費用の5分の4が補助されます。本文の解説をご覧ください。
- 天龍村や栄村のような小さな村の事業所でも対応できますか?
- できます。当社の伴走はオンライン中心なので、県内77市町村のどこからでも同じ形で進められます。高齢化率62.8%の天龍村のように応援の人手を増やしにくい地域ほど、採用より先に記録・申し送りの事務時間を削る打ち手が効きます。
- 長野県での導入実績はありますか?
- まだありません。実績は東京都板橋区内の特養でのAI申し送り導入で、その進め方を長野県の補助要件(業務改善計画書・3年間の効果報告)に当てはめてご提案します。事実と異なる実績は書かない方針です。
8月31日の締切と、そのあと3年間の効果報告に耐える計画を
どの業務を何分削るかの棚卸しから、業務改善計画書の筋立て、48万円枠の使い方、導入後の定着までを無料相談で整理してお返しします。
▶ 公式LINEで無料相談・資料を受け取るLINEをお使いでない場合は メールでのお問い合わせでも承ります
