山梨県の介護テクノロジー補助金は今から申請できる?(2026年9月11日時点)
結論から書きます。令和8年度分の協議書の受付は、9月4日(必着)で終わりました。9月11日に県の公式ページを確認した時点で、追加募集の案内はありません。協議書を出した事業所は10月頃の内示を待ち、出していない事業所は次の募集に向けた準備に切り替える段階です(山梨県「テクノロジーを活用した業務効率化事業費補助金について」・2026年9月11日参照)。
| 項目 | 令和8年度の内容 |
|---|---|
| 対象 | 山梨県内の介護事業所(県社協の生産性向上推進セミナーへの参加が申請要件) |
| 補助率 | 5分の4以内 |
| 基準額 | 介護ソフトは職員数に応じて100万〜250万円、移乗支援・入浴支援・インカムは1台100万円、その他の機器は30万円、パッケージ型は機器等の合計経費1,000万円以下 |
| 受付期間 | 令和8年7月31日〜9月4日(必着)。受付は終了 |
| このあとの予定 | 内示10月頃、交付申請11月頃、交付決定12月頃、実績報告は令和9年2月10日まで |
| 窓口 | 山梨県社会福祉協議会 介護支援センター |
協議書を出した事業所がやること
内示が出るまで、契約も発注もしないでください。県ページには、協議書等を確認して内示額を決定すること、事業は内示後に着工(契約、導入、工事)することが明記されています。内示が出たら、実績報告の期限である令和9年2月10日までに、機器の導入と支払いまで終える必要があります。実績報告には請求書・納品書・領収書を付けるので、業者との契約時に日付の順番がそろうよう段取りしておくと安心です。
出していない事業所がやること
令和8年度の流れを振り返ると、5月に機器の展示・体験会、6月と7月に県社協の生産性向上推進セミナー(参加が申請要件)、7月末から協議の受付という順番でした。来年度も同じ日程になるとは限りませんが、セミナー参加が要件になっていた以上、春のうちに県社協の告知を確認しておくのが最初の一歩です。なお令和8年度の第3回セミナーは12月7日(テーマは取り組みの壁と乗り越え方)に予定されています。どの業務に何の機器を入れるかを先に決めておくと、協議書の業務改善計画がそのまま書けます。47都道府県の補助率を比べたい場合は介護記録ソフトは補助金の対象になるか(47都道府県の補助率一覧)を、締切の考え方は介護テクノロジー導入支援事業の締切は県ごとに違うをご覧ください。
名前から他県と違う――山梨県の補助金の要点と基準額
まず名称の話から始めます。介護ロボットやICTの導入補助は、令和7年度から多くの県で「介護テクノロジー導入支援事業」「介護テクノロジー定着支援事業」という国のメニュー名に揃いました。ところが山梨県は「テクノロジーを活用した業務効率化事業費補助金」という県独自の名前を貫いており、国の事業名で検索しても県のページが出てきません。制度が無いのではなく、名前が違うだけです。正本は県健康長寿推進課のページにあります(山梨県「テクノロジーを活用した業務効率化事業費補助金について」・2026年8月23日参照)。
もう1つの山梨県らしさは、単なる購入補助ではなく、導入事業所の事業効果を検証して生産性向上のモデル事業として県内施設へ普及させる建て付けになっている点です。補助を受けること自体が、県のモデルづくりに参加することとセットになっています。交付要綱(別表2)に定められた補助率と基準額は次のとおりです。
| 補助メニュー | 補助率 | 基準額 |
|---|---|---|
| 移乗支援(装着型・非装着型)・入浴支援・インカム | 5分の4以内 | 1台あたり100万円 |
| 上記以外の介護テクノロジー(見守り機器等) | 5分の4以内 | 30万円 |
| 介護ソフト(記録・情報共有・請求の一気通貫が要件) | 5分の4以内 | 職員数に応じて100万〜250万円 |
| 介護ソフト+タブレット・Wi-Fi整備を併用 | 5分の4以内 | 職員数に応じて115万〜265万円 |
| パッケージ型導入(介護業務支援と連動機器の組み合わせ) | 5分の4以内 | 機器等の合計経費1,000万円以下 |
| コンサルティング会社等による業務改善支援 | 5分の4以内 | 48万円 |
出典:山梨県テクノロジーを活用した業務効率化事業費補助金交付要綱(上記県公式ページ掲載・2026年8月23日参照)。介護ソフトの基準額は職員1〜10名で100万円、11〜20名で150万円、21〜30名で200万円、31名以上で250万円。居宅サービス・居宅介護支援の事業所が令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上と連携する場合は基準額に5万円が加算されます。
見落とされがちなのが表の最終行です。導入と一体的に行う業務改善支援、つまり第三者による課題抽出・業務改善の助言・導入後の定着支援に対して48万円の基準額が別枠で用意されています。メーカーの操作説明は対象外と明記されているので、機器を売る側ではない伴走者に支援を頼む費用が補助の設計に最初から織り込まれている、と読める制度です。
身延町51.4%・昭和町20.1%――31ポイント差が同居する山梨県の高齢化データ
山梨県の総人口は790,493人、65歳以上は254,821人で高齢化率32.2%。全国の29.5%を2.7ポイント上回り、県民の3.1人に1人が65歳以上です。75歳以上の後期高齢者は148,793人で高齢者全体の58.4%を占め、前期高齢者を42,765人上回っています(令和8年4月1日現在。山梨県「令和8年度高齢者福祉基礎調査結果」・2026年8月23日参照)。同調査から、現場の事務負担に直結する数字を抜き出します。
| 指標(令和8年4月1日現在) | 数値 | 前年比 |
|---|---|---|
| 65歳以上人口 | 254,821人(高齢化率32.2%) | 728人増・0.3ポイント上昇 |
| 75歳以上人口 | 148,793人(高齢者の58.4%) | 3,656人増 |
| 在宅ひとり暮らし高齢者 | 69,525人(高齢者の27.3%) | 1,602人増 |
| 認知症高齢者(自立度Ⅱ以上) | 29,272人(高齢者の11.5%) | 759人増 |
| 高齢者夫婦世帯 | 46,298世帯(県総世帯の12.2%) | 101世帯減 |
出典:山梨県 令和8年度高齢者福祉基礎調査結果(各市町村の住民基本台帳・介護保険認定審査資料を県健康長寿推進課が集計)。
市町村別に見ると、27市町村のうち19市町村が県平均を上回り、小菅村を除く26市町村で前年より高齢化率が上昇しました。最も高いのは身延町の51.4%で、早川町50.2%、南部町46.9%と、富士川沿いの峡南地域に住民の2人に1人が65歳以上という町が並びます。一方で最も低いのは甲府盆地の昭和町の20.1%、次いで忍野村21.6%、甲斐市26.8%。同じ県の中に31ポイント超の開きがあります。
甲府盆地に事業所が集まり、峡南に利用者が残る県で何が起きるか
山梨県の介護の地理条件を一言でいえば、盆地への集中と谷筋への分散です。甲府市・甲斐市・中央市・昭和町の盆地部に人口とサービスが集まる一方、身延町や早川町のような峡南の谷筋、丹波山村・小菅村のような山間の村では、利用者は増えても職員の補充が容易ではありません。富士吉田市や富士河口湖町の郡内地域は観光業と人材を取り合う構図もあります。訪問や送迎の移動距離が長い地域ほど、事業所に戻ってから記録を書く運用の損失は大きくなる。だから山梨県では、まず記録・申し送りといった間接業務の時間を削る道具から補助を使うのが合理的で、県の基準額表で介護ソフト+タブレット・Wi-Fi整備の併用メニューが最大265万円と厚めに組まれていることとも噛み合います。
県の高齢者施策の土台は健康長寿やまなしプラン(計画期間:令和6年度〜令和8年度)で、高齢者人口がピークを迎える令和22年(2040年)を見据えた計画です(山梨県「健康長寿やまなしプラン」・2026年8月23日参照)。障害福祉分野は、やまなし障害児・障害者プラン2024が第7期山梨県障害福祉計画と第3期山梨県障害児福祉計画を一体で束ねており、こちらも計画期間は令和6年度から8年度です(山梨県「やまなし障害児・障害者プラン2024」・2026年8月23日参照)。介護も障害も令和8年度が計画の最終年度にあたるため、次期計画への切り替わりで支援メニューが組み替わる前の、今年度の枠を取りにいく価値があります。
窓口は県社協・セミナー参加が要件――協議前チェックリスト
山梨県の申請実務には、他県から来ると戸惑う点が2つあります。1つは窓口です。相談・受付業務は県庁ではなく山梨県社会福祉協議会の介護支援センター(甲府市北新1丁目2-12 山梨県福祉プラザ1階)に委託されています。書類の宛先も持参先もここです。もう1つは、県社協が開催する生産性向上推進セミナーへの参加が補助金を申請する要件と県ページに明記されている点です。令和8年度は6月と7月に開催されており、未参加の場合の扱いは介護支援センターに確認してから協議書を出してください。協議の前に、次を確認しておくと迷いません。
- 協議書は9月4日必着か:郵送は必着、持参は9月4日午後4時までに介護支援センター受付分が有効
- 生産性向上推進セミナーに参加済みか:参加が申請要件と県ページに記載。未参加なら窓口へ相談
- 内示前に契約・導入・支払をしていないか:内示前の着手は補助対象外と明記されている
- 入れたい機器がTAIS(福祉用具情報システム)に掲載されているか:未掲載でも同水準と知事が判断すれば対象になり得る
- 介護ソフトは記録・情報共有・請求を一気通貫でこなせるか:転記が発生するソフトは要件を満たさない
- 居宅系ならケアプランデータ連携システムの活用予定はあるか:5事業所以上と連携すれば基準額5万円加算
- 業務改善支援(基準額48万円)を使うか:第三者による課題抽出・定着支援が対象、メーカーの操作説明は対象外
- 迷ったら介護支援センター(055-254-8680)か県健康長寿推進課(055-223-1451)へ
根拠はいずれも県公式ページと交付要綱・実施要綱(2026年8月23日参照)。チェックリストはこのページだけで確認が完結するように作っています。
協議から実績報告まで――山梨県の令和8年度スケジュール
県公式ページに公表されている令和8年度の流れを時系列に並べます。
- 令和8年7月31日〜9月4日:協議書の受付。要望調査票を出していない事業所も協議に参加できる
- 10月頃:内示。協議書の内容で採択事業と内示額が決まる。着手(契約・導入・支払)はここから
- 11月頃:交付申請。内示を受けた事業所が正式に申請書を提出
- 12月頃:交付決定。導入と職員への定着を年度内で進める
- 令和9年2月10日:実績報告の期限。補助金の支出は3月頃
この日程で注意すべきは、協議が9月上旬に締まる一方で、着手できるのは10月の内示以降という点です。つまり導入計画は夏に固め、実際に機器やソフトが現場で動き始めるのは秋から冬。実績報告の2月10日まで、職員が使いこなす期間は正味2〜3か月しかありません。協議書の作成と並行して、どの業務の何分を削るかの棚卸しと、現場職員への説明を先に済ませておくことが、山梨県の日程では特に効きます。
山梨県の御施設の協議書に書く中身(どの業務を何分削るか)を、無料相談で一緒に棚卸しします。
▶ LINEで無料相談板橋区の特養での進め方を、山梨県の現場に当てはめる
正直に書くと、当社に山梨県内の導入実績はまだありません。当社の実績は東京都板橋区の特別養護老人ホームで、施設の申し送り様式を変えずにAIが下書きを埋める仕組みと、職員向けのAI研修を定着させたものです(特養マイライフ徳丸様の導入事例)。この経験から言えるのは、補助金で買った機器が動き続けるかどうかは、性能ではなく、既存の様式と職員の不安にどこまで寄り添って運用を設計したかで決まるという点です。
山梨県の制度に当てはめると、相性の良さが2つあります。1つは、介護ソフト+タブレット・Wi-Fiの併用メニュー(基準額最大265万円)で記録の土台を整え、その上で音声入力やAI下書きの型を各事業所の様式に合わせて作り込む道筋。もう1つは、基準額48万円の業務改善支援がまさに第三者の伴走を対象にしていることです。甲府市の多拠点法人でも、身延町や富士吉田市の単独事業所でも、この作り込みはオンラインで同じ品質で進められます。考え方の全体像は柱記事の福祉スタッフのためのAI活用ロードマップ 5ステップに、記録業務の具体的な手順は介護記録をAIで効率化する具体手順に、障害福祉なら個別支援計画のAI活用にまとめています。
利用者情報を守る3つの運用ルール
入力前に氏名・事業所名を記号へ置き換える。AIの出力は職員が直す前提の下書きに限る。ケアの最終判断は必ず人が行う。自社運営施設で守っているこの3点を、山梨県での導入時もそのまま運用に組み込みます。
費用の目安(当社の料金も開示)
| 領域 | 始め方 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 記録AI・音声入力の試行 | 汎用AI・既存ツールで小さく開始 | 月 数千円〜 |
| LINE公式アカウント構築・運用 | 家族連絡・見学予約の自動化 | 初期 0〜10万円/月 9,800〜39,800円 |
| AI伴走(顧問) | 業務棚卸し・協議書作成支援・定着まで月2回〜の伴走 | 月 10万円〜 |
初回相談は無料です。山梨県の補助(業務改善支援の基準額48万円を含む)の対象になり得る部分とならない部分を分けてお見積りします。LINEの活用範囲は福祉施設のLINE公式アカウント活用と費用のめやすをご覧ください。伴走を顧問契約で頼むか、必要なときだけスポットで頼むかは顧問契約とスポット依頼、どちらが得かで費用の分かれ目を整理しています。
よくある質問(山梨県版)
- 山梨県の介護テクノロジー補助金は、今から申請できますか?
- 令和8年度分はできません。協議書の受付は令和8年9月4日(必着)で終了しています。2026年9月11日時点で、県の公式ページに追加募集の案内はありません。協議書を出した事業所は10月頃の内示を待ち、内示を受けてから契約・導入に進みます。
- 協議書を出しました。このあと何が起きますか?
- 県の公表スケジュールでは、10月頃に内示、11月頃に交付申請、12月頃に交付決定、令和9年2月10日が実績報告の期限、3月頃に額の確定と補助金の支出です。事業は内示後に着工(契約、導入、工事)するよう県ページに書かれています。実績報告までに機器の導入と支払いを終えておく必要があります。
- 協議書はいつまでに出せばいいですか?
- 令和8年9月4日必着です。持参の場合は同日午後4時までに山梨県社会福祉協議会介護支援センター(甲府市北新1丁目2-12 山梨県福祉プラザ1階)で受付されたものが有効です。要望調査票を出していなかった事業所も協議には参加できます。
- 「介護テクノロジー導入支援事業」で検索しても出てきません。制度が無いのですか?
- あります。山梨県だけは国のメニュー名を使わず「テクノロジーを活用した業務効率化事業費補助金」という独自名称です。検索でたどり着けずに諦めてしまうのがもったいない制度で、補助率5分の4以内・介護ソフトは職員数に応じて最大250万円(タブレット等併用で最大265万円)の基準額があります。
- セミナーに参加していないと申請できませんか?
- 県ページには、県社協が開催する生産性向上推進セミナーへの参加が補助金を申請する要件と記載されています。令和8年度は6月と7月に開催済みのため、未参加の場合の扱いは介護支援センター(055-254-8680)に直接確認してから協議書を準備してください。
- 山梨県での導入実績はありますか?
- まだありません。実績は東京都板橋区内の特養でのAI申し送り導入で、その進め方を山梨県の補助制度と御施設の実情に当てはめてご提案します。事実と異なる実績は書かない方針です。伴走はオンライン中心なので、峡南地域や郡内地域でも同じ形で進められます。
名前の壁で埋もれた山梨県の補助金を、取り切る
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